週刊日記

最近読んだ本

まあノルウェイの森なんですけどね。読んだのは4、5回目だと思う。上下巻あって長い気がするんだけど、いつもながら村上春樹小説は3日もあれば読める。今回わりと引用多めに長々と感想書いたが、ノルウェイの森については今までも何度か触れており、それぞれ違った観点で書いていた。今回は特に自分の経験や生活と重ねて書いたけれど、以前はもっと登場人物について書いたりしていた。

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「ノルウェイの森」を読むのはとてもつらい

「ねえ、あれは本当に淋しいお葬式だったんだ。人はあんな風に死ぬべきじゃないですよ」 下巻p252

村上春樹のファンタジー冒険小説を読んでいてもこんなふうに思うことはほとんどないんだけど、「ノルウェイの森」を読んでいるととてもつらい気持ちになってしまう。この本を初めて読んだ17歳のときもそうだった。あのときはショックが大きくてなかなか立ち直れなかった。それは哀しい話で泣いてすっきりするようなものではなく、身体の内側に重くのしかかるような、読み終えた後もずっと頭から離れないような、そういうものだった。そこにあるのは、明確な痛みだった。当時僕はごく平凡な高校に通っていて、恋愛もしたことがなく、この本みたいに周りで親しい人が死んだこともなかった。その後も変わらず平凡な日々を過ごしている。それでもこの本を読むと、自分の中をえぐられるような、ひどい痛みを覚える。

この物語は僕の経験とは全くリンクしていない。時代も違えば、出てくる人たちと共通点もない。考え方も違う。同じような体験もしてない。この本を周りの人に勧めると、内容への驚きや展開の意外性についての感想はあったが、僕のようにひどく落ち込んだ人はいなかった。感想はそれぞれがそれぞれの形で持つから、一致することのほうが珍しい。では僕がこの本から一体何を感じ取ったのか。何がそんなに、僕に対して訴えかけてくるのか。そういうことを言葉にできたらと思う。この本には誰もが経験する、ある種の普遍的なことが描かれていた。

  • すれ違いの物語
  • 強調される生きづらさ
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キューバ旅行記をKindle本にした。超簡単だけど超大変だった

先日から既に公開しているけれどあらためて。2015年に旅行したキューバの日記を電子書籍にまとめた。まとめ記事は検索からのアクセスもあり、ある程度読まれるんだけど、苦労して書いた旅行記がほとんど読まれない。これはもったいないと思い、全部ひとつにまとめてみたら、超簡単だけど超大変だった。

超大変だったこと

誤字脱字表現を直すのがめゃくちゃ大変だった。自分が書いた同じ文章をいったい何度読み返しただろう。日記は覚えているうちに書くことが先決だったため、誤字脱字の嵐だった。実はこの作業、去年から手を付けていたがあまりにもめんどくさくてほったらかしていた。やっと完了した。途方もなく疲れた。ベースはブログの文章、写真も同じだけど、新たに追加したりしています。誤字脱字、変な日本語はまだまだあると思うから、気づいたら教えてください。

超簡単だったこと

今回初めてEPUB3形式にしてみた。電子書籍の標準はEPUB2なんだけど、現在日本の電子書籍は日本語仕様の独自路線として、EPUB3が主流になっている。EPUB3用のエディタは無く、Markdownで書いたものをでんでんコンバーターで変換した。めっちゃ簡単でこれなら誰でもできる。目次の作成も自動でやってくれる。電子書籍の自己出版に興味がある人がいて、わからないことがあれば教えますよー。難しいことは僕にもわかりませんが、今回やった程度のことなら伝えられると思います。

文量は約4万字、ページ数で言うと150ページぐらい。値段は300円です。読み物か、もしくはガイドブック代わりにどうぞ。

※カラー写真が基本になるため、タブレットやスマートフォン、パソコンのKindleアプリで見ていただくことをおすすめします。それでもほとんどが文章だから、ペーパーホワイトでも読めなくはない。

Kindle

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追記:頂いた感想

ありがたいことに感想を頂いているので、ご紹介いたします。

w-zero3[es]への歪んだ愛情

特別お題「おもいでのケータイ」

二代に渡りw-zero3[es]を使っていた(両端は無関係)。w-zero3が出たときは、シャープが日本製のスマートフォンを出したということで一部大騒ぎになった。当時スマートフォンと言えばノキアやブラックベリーが主流でハリウッド映画にもよく登場していた。しかし日本では使い勝手が悪く、あまり流通していなかった。スマートフォン市場そのものがなかった日本に、日本製のw-zero3が現れた。ただしキャリアはPHSだった。そしてあまりにデカく、さすがにあれを持ち歩いたり電話するのはつらいと思って見送った。値段の問題もあったかもしれない。

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NHK「明日世界が終わるとしても」を見た

3月15日と16日にNHKでやっていたドキュメンタリー番組「明日世界が終わるとしても」を見た。15日はヨルダンのシリア難民を5年間支援している37歳の男性の話、16日はルワンダ内戦の被害者・加害者に12年間付き添い、現地の大学で平和学を教えている50歳の男性の話だった。

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週刊日記

最近読んだ本:「文学のススメ」

先週買った本はまだ全然読めていない。ここ最近読んだのは以前にも少し紹介した「文学のススメ」。10年ぐらい前にやっていた「爆笑問題のススメ」というテレビ番組を書籍化したもの。テレビは毎週作家やマンガ家をゲストに呼び、それぞれのススメを聞くという構成だった。ゲストには平野啓一郎みたいな純文系の作家も登場するという、今はもうない珍しい形態だ。深夜だったが数字も良かったみたいで、番組は4年続いてた。こういう本や作家を取り扱う番組またあればいいのに。

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インターネット最初の衝撃はエミュレーター

初めてインターネットに触れたのは15歳の頃となる。僕にとってインターネット最初の衝撃と言えば、無修正エロサイトでも2ちゃんねるでもなく、エミュレーターだった。当時はまだファイル共有ソフトなんてものはなく、ウェブサイト上に市販のゲームがアップロードされていた。ロムのアップロードは違法だから、gifファイルなどに偽装されていた。偽装、分割、復元をするためだけのアプリケーションがくさるほどあった。らるちーとか愛されていた。

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知っておきたいエミュレータと法律

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ITパスポートを受けてきた

去年の秋から青年海外協力隊に応募して、2次選考の面接で落ちた。受けた職種は、倍率が低く未経験可とあったPCインストラクター。応募書類には「事務仕事でオフィス等を使っていた経験があればいい」などと書いてあった。書類選考に通ったからそのまま面接に臨んだら「何の資格も持っていないの?」と散々言われた。ええー書類選考でわかってたでしょー資格必要なら「要資格」とか初めから書いておいてほしい。現実はこうです。まあ他にも健康診断結果が悪かったとか面接グダグダだったとか、落ちた理由はいくつも思い当たるわけで。

そして今年の春にもう一度だけ受けようと思っている。今回はさすがに何か、IT関連の資格を取っていこうと思った。基本情報はもう受付が終わっていて、次の選考までに間に合わない。そもそも内容が難しそうだ。他にオフィス系のMOSとかあるが高すぎる(3万越え)。とりあえずは序盤のITパスポートを受けようと思った。受験費用も安く(5,700円)試験も毎週ぐらいの頻度で実施している。高校生でも取っている資格だから、そんなに難しくもないだろう。

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真夜中のなみちゃんと話しました

実は2回目なんだけど、前回は録音に失敗して形に残せなかったので、今度こそと思って誘ってみたらあっさりとOK頂いた。

真夜中のなみちゃんって誰?

ブログ書いている人。日記や創作など。2年ぐらい前はよく更新されていて、その後ネットにタッチしない期間が1年ぐらい続いたそうで、去年あたりから不定期で再降臨されている。僕はその2年ほどまえ当時によく読んでいた。内面表現がまっすぐで疾走感があり、日記書きたくなる日記だった。

えむちゃんおねむ(@mayonaka) - カクヨム

何を話したかったのか、なんだろう。もう日記書かないんですかって話と、日記に出てこないことや、普段の人物像がどういうものなのか気になった。そして前回話してみたら、あまりに支離滅裂でお互い何言ってるのかわからない会話になった。それはそれなりにおもしろかったんだけど、録れなかったのが残念だったためリトライしたわけです。

このあたりを読んでいた

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引越の季節、部屋探しに迷っているあなたへ

引越しシーズンも間近に迫ってきましたね。ここでは学生や新入社員などが住む、単身向けのワンルームマンションについて、以前に賃貸マンションの管理会社で働いていた人間から「部屋探しのポイント」をつらつらと述べてみたいと思います。ここで書くようなことは、いわば業界の常識みたいなもんですから、知っている人が見れば当たり前の内容ばかりです。引越しをするにあたって「何を基準にすればわからない」「数が多すぎて選べない」という人なら参考になるかもしれません。

  • ①家賃:何よりも安ければいい
  • ②場所:物件の価値は立地で決まる
  • ③間取り:住みやすい形とは
  • ④構造:騒音を気にするならば…
  • ⑤日当たり:なぜ南向きなのか
  • ⑥設備:最近のマンション事情
  • おまけ:敷金、礼金、その他費用
    • 敷金
    • 礼金
    • 更新料
    • 保証人代行会社
  • 好みに合ったお部屋を
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一般人が個人で売る難しさ

お金がなくて困っている。働けって話なんだけど、働かないといけないなーと思いつつも、働きたくない思いでいっぱいだ。輪廻とは生きる苦しみの輪であり、仏教では輪廻から解脱することを目的としているが、僕は現世でお金の輪廻から逃れられずに苦しんでいる。お金がないと生活ができない。お金を稼いで、使って、という資本主義が生み出したお金の輪廻から逃れたいが、なかなかうまくいかない。

それはひとえに、自分が労働以外の形で経済的価値を生み出せないからだ。情報とかアイデアとか才能とか、なにか資産を投じることによって自分の生活圏ぐらいまかなえれば理想なんだけど、現実にそのようなことができる人は限られており、その限られた才能や徳を持ち合わせなかったり、めぐり合わせに上手く行き当たらなかったり、努力の使いみちを見いだせなければ労働するしかない。

かといってアフィリエイトに走ったり情報商材の手先になったり、サロンという名のもとに人をだまくらかしたりするのは生理的に受けつけない。信念にそぐわないというか、自分が良いと思うことしかできない。不器用を言い訳にしている。だったら普通に働くのと変わらないと思ってしまう。そもそも自分が会社を辞めたのは、そういう人を騙す商売と言うか、人間関係によって築かれた信用という名の良心につけこんで金を巻き上げる行為に嫌気がさしたからだった。たとえそうやって世の中が回っているとしても。

正直に生きたいと思っていた。自分に対しても周りに対しても、嘘をつきたくなかった。そういうのって結局十代の頃の夢みたいなものを捨てきれないでいる気持ちと同じなのかなーって思う。綺麗事ではやっていけない。生きるとはつまり、生き残ることであって、他人を蹴落として生き延びることだ。弱者を蹴落とす心の強さがなければ、強者から分け与えてもらうしかない。そのためには、余裕のある強者が生活の糧を分け与えてくれるだけの、見返りを提供しなければいけない。それがコンテンツとなる。

しかし、余裕のある強者が見返りとして生活の糧を分け与えてくれるほどのコンテンツを、弱者が提供できるだろうか。専門分野に特化していればできるかもしれない。徳があれば重宝されるかもしれない。そういうものを自分が持ち得ているかというと、思い当たらない。試す以前に、中身がすっからかんだ。提供できるコンテンツがない。自分という人間はありきたりで、中途半端で、資産価値はゼロだ。コンテンツどころか労働すら危ぶまれる。

通常であれば、資本や時間を投じて資産価値を身に着けなければならない。労働するにあたっても、コンテンツを築くにあたっても、世の中で求められていることと自分ができることを照らし合わせ、重なる部分を組み上げていくことで、自分の価値は高まる。そこで問題になってくるのは、自分の気持ちだ。つまり「やりたいこと」「やりたくないこと」。

多くの人がそうであるように、自分には「やりたいこと」がない。そして「やりたくないこと」はくさるほどある。ほとんどがそうだ。興味持ったことを「やりたいこと」として掲げても、その過程には無数の「やりたくないこと」が待ち構えている。自分にはその「興味を持った」程度のことよりも「やりたくないこと」のやりたくない度のほうが比重が高い。だから「やりたいこと」に繋がるような多くのことが、結局は「やりたくないこと」に転化されてしまう。

強者であれば「我慢すればいい」と思うだろう。「やりたいこと」に到達するまでひたすら「やりたくないこと」を無心に我慢し続け、たどりついたときの喜びを感じれば次の「やりたくないこと」も我慢できると。しかしそれができるのは、強者だからだ。途中で力尽きてしまうね。「やりたくないこと」を行う過程で、何らかの喜びを見い出せばいいとも思うだろう。え、それどうやるんすか。マジないんですけど。何かに夢中で取り組める人がただただうらやましい。

行き着く先は、結局生きるために働くことだ。「やりたいこと」もクソもない。「やりたくないこと」であろうが関係ない。家賃を払わなければならない、飯を食わなければならない、生きていかなければならない。ただそのためだけに身を粉にして働く。残業、休日出勤は当たり前、愛想を振りまいてお世辞を言い、笑いを取り、何を言われてもハイと答え、他人の失敗をかぶり、理不尽も受け入れ、怒られてもめげず、ときには嘘もつき、ときには人を出し抜き、クソおもしろくもないことをひたすらこなす。ただ生きるため、ただ生きるため、ただ生きるため。

そういうのに耐えられるのも一つの強者の形だ。ヤリガイを見いだすのも、物事を楽しむ才能と言える。家族を持ったりするのも同じ。稼いだお金を消費することで喜びを得られるのだったら、それさえも僕にとっては才能に見える。僕にはそういうことが全部、なにひとつなかった。持たざる者。自分は何もできない。なにか才能があったら、と思う。もっと頭がよかったら、と思う。もっと我慢できたら、と思う。もっと運がよかったら、と思う。もっと頭が悪かったら、と思う。大富豪や石油王のもとに生まれていたら、とは思わない。

世の中で話題になっていることについていけない。情報は得ても、何がいいのか理解できない。持て囃されていることに乗っかれない。興味を持たれていることに関心が持てない。マスとのズレを感じる。人の気持ちなんてわからない。でもおそらく、強者であれば自分がおもしろくないと思っていることでも、ウケるなら乗っかる。ずる賢い人がうらやましい。ずる賢いという言葉はけなす言葉ではない。生き残るという生物の掟においては、紛れもなく強者が持ち得る美徳だ。人間が大人になるということは、そういう生きる強さを備えることを指す。古来では、大人になる儀式をくぐり抜けられなかった人は死んでいく。自分は本来、そこで死んでいた人間だろう。

週刊日記

本をたくさん買った

前回買った本はメモリークエストをまだ読み終えていないんだけど、新たに4冊買ってしまった。カズオ・イシグロはいつか読みたいと思ってAmazonで探してみたらあったんだけど、送料考えるとブックオフのほうが安かった。「旅のラゴス」は筒井康隆の本で評価が高かったから。「日本人の英語」は日本人がよく間違う、というか理解できない a the といった冠詞の使い方や単数複数の使い分けに始まる英語の解説書。ちょっと読んでみたけど難しい。aを付けたりtheを付けたり何も付けないことでそもそも名詞の意味が変わってくるとか。対策としては使い方を意識しながら英文を読んで読んで読んで慣れろとあった。無茶だ。

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