村上春樹小説の性描写を数えてみた

村上春樹が7年前に書いた長編小説「1Q84」を昨日読み終えた(「騎士団長殺し」はまだ読んでいない)。読んでいてどうしても気になったのが、この本セックス多すぎない?もともと性描写の多い村上春樹小説だが、それにしても1Q84は多い。ところどころでやりまくりだ。挙句の果てには世間を騒がせる細身巨乳の女子高生作家「ふかえり」とまで行為に及んでいる。読んでいて「結局やるんかい!」と思わずツッコんだ読者も多かったことだろう。

コンドームをつけなくていいのだろうか、と天吾は不安になった。(文庫版4巻p51)

この小説ではトータルでいったいどれだけ性行為が行われたのだろう。もしかしてあの「ノルウェイの森」を越えたんじゃないか。気になって数えてみた。こんなバカなことを既に思いついて調べた人もいたと思うが、ネットで検索しても出てこない。「1Q84」「ノルウェイの森」以外はどうだろう。手元にある村上春樹作品を全部引っ張り出して数えてみた。

  • 0回 ご家族でも安心して回し読みできます
  • 1回 ハリウッド映画でもこのぐらいは
  • 2回 中心的なテーマではないけれど
  • 3回以上 おーい、やってるかい?
    • 「ダンス・ダンス・ダンス」
    • 「国境の南、太陽の西」
    • 「海辺のカフカ」
  • 5回以上 もうね、日常茶飯事
    • 「ノルウェイの森」
    • 「1Q84」
  • 全体的な傾向
  • 純文学ではありがち
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「1Q84」感想・書評

一週間ぐらいかけて1Q84を読んだ。率直な感想としては、村上春樹の本としては珍しい部類だった。まず、暗い話ではなかった。何事もなくすんなりとハッピーエンドを迎える。村上春樹の新しめの作品はハッピーエンドな傾向が高い。たとえば「海辺のカフカ」もそうだった。万事解決して終わる。多崎つくるはどうだったか忘れたが、ある程度解決していたように思う。それにしても、何事もなくすんなりと終わるのは珍しい。

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バイトの話

バイトの話って言えば今生活のためにしかたなくやっているバイトの話で、少しでも働かずに暮らしていければ理想なんだがなかなかそうもいかない。それでも、最近始めたバイトはこの数年の間にやっていたラーメン屋や農業にくらべ、気持ちの上でかなり楽だ。初めからわかりきっていたことだけど、飲食業や肉体労働といった「いわゆるそっち系の仕事」はとことん向いていない。カナダのラーメン屋に関して言えば2ヶ月でクビになった。オーストラリアの農業については良い扱いを受けて給料も良かったものの、虚無的な日々を送っていた。虚無的という意味では今もそれに近いが、農場にいた頃は週休1日で労働時間が長く、周辺に何もなくて他にやることがないため抜け殻状態だった。

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週刊日記

よくないことが続いている。本当だろうか。もしかすると、よくないことだけが記憶に残っているのかもしれない。よいことは認識していないのかもしれない。実はよいこともおこっていて、という事実がどこかにあるのかもしれない。よいこととはなんだろうか、うまくいったことだ。よくないこととは、うまくいかなかったことだ。もしくは偶然もたらされた幸運だったり不運のことを指す。

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Instagramは最悪。サービスとして終わっている

俺みたいな一介の個人がInstagramを利用しなくなったところで彼らは全く痛まないんだが、Instagramを批判してアンチ運動を展開しようとしているわけではなく、単純にこれ以上使う気になれなくなった経緯を残しておこうと思った。

きっかけは一通のメールだった。2010年からInstagramを利用して今年で7年目になるが、こんなことは初めてだ。

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ラ・ラ・ランドのパロディ合戦は楽しかった

昨日ララランドを見て落ち込んでいた。YouTubeでメイキングビデオなどを見ながら傷をえぐっていたら、パロディ動画がたくさんあった。おもしろかった。ネタバレ要素も多分にあるため、本編を見ていない人は先に映画館へ足を運ぼう。

  • ラ・ラ・ランド in ニューヨーク
  • ラ・ラ・ランド in 香港
  • ラ・ラ・ランド in ロシア
  • 現実版ラ・ラ・ランド
  • ラ・ラ・ランドもパロディーだった!
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「ラ・ラ・ランド」ネタバレ・感想・評価

ある意味で期待を裏切られた。あれを楽しんで見れる人はなかなか強靭な精神をお持ちで、僕はああいうの堪えるし苦手だ。最初から最後までクラシックな映画だったように思う。最近あーいう古典的な映画にお目にかかる機会がめったになくて、現代映画としては新鮮だった。ミュージカルということだが、歌やダンス、音楽が特別優れていたかといえばそんなことはない。演技が特別うまいとも思えない。残ったのはやはりおもしろい撮り方と、楽しさの演出と、古典的なエンタメの部分だったように思う。非常にわかりやすい話だった。わかりやすく万人受けするエンタメ映画。それは決して悪口ではなくて、王道のおもしろさがあった。ただ僕個人は重くて弱い人間だから、そうやすやすと楽しめない。

  • 誰と見る映画か
  • 映画のオチとは
  • 思わず泣けるシーン
  • 楽しい映画ではなかったけれど
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週刊日記

飛ぶデータ

散々である。オフラインデーを利用してmacOSSierraをクリーンインストールしようと試み、その前にバックアップを取ろうと思ってタイムマシンを利用していたら外付けHDDが飛んだ。MacBookはUSB-Cポートしかないため外付けHDDを繋ごうとするとハブを経由せざるをえず、ハブ経由で大容量ファイルを転送していると電力供給かなんかの影響でよく接続が切れる。そのおかげで以前にSDカードの中身が飛んだ。今回は外付けHDDだ。こちらはフォーマットさえできずもう復旧の目処がたたない。もともとバックアップ用に用意していた外付けHDDなのに、バックアップ元がぶっ壊れてしまったとなると元も子もない。これまでに旅行先で撮りためた写真のRAWデータなんかもかなり逝ってしまった。どうしようもない。こうやって半永久保存のはずだった電子データがことごとく失われていく。クラウドに保存しようも容量が足りん。過去は振り返るなってことですね!僕たち人間も消えていったデータのように、初めから何もなかったように死んでいくのだろう。死んで何かが残ったところで、そんなものは死んでしまえば観測できるわけでもなく、全ては生きている間だけのユメマボロシで、過ぎ去ったものごとはとっとと忘れて今を生きるしかない。

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めんどくせえ

めんどくせえよーいろんなことがめんどくさくて何もしたくなくてしていない。いやー人と関わるのってめんどくさいっすね、マジめんどくさい、本当に関わりたくない、踏み込んだらお終いだ。どうでもいいことに関わったりするのは消耗するだけで無意味であり、距離を置くのが大切だ。シャットダウンしてしまうのが肝腎。関わらないのが大事。普通にしていれば見えてしまうし聞こえてしまうし、つい口を挟んでしまう。そういうの全部やらないほうがいい。俺には関係ない、と自分の領分をわきまえてしっかり気持ちを切り離すのが重要だ。そうしないと泥沼にずぶずぶと足を突っ込んでしまう。どうでもいいことに絡め取られてしまう。気づかないフリ、見てないフリをするのが大事だ。関わりたくねー。

こいつらは何で些細な問題をそのまま放っておくのだろう。些細な問題なんだから簡単に解決してしまえばいいものを、放ったらかしておくからわけのわからないことになっている。理解できない。ていうか何やってんのいったい。何もやってないんじゃないの。もっと大事なことがあるのか、誰も何も言わないし、全然見えてこないぞ。そのまま放っておいたら些細だった問題があとあと大問題になることが目に見えているのに、なんで誰も何もしないんだろう。自分の領分ではないと割り切っているからだろうか。ろくでもないわー。そのくせ怒り出すんだから始末に負えないわー。単純にバカなのかな。マジ関わりたくないわー。そういうのが大事じゃないって思ってるなら、そのままやればいい。それで困って大問題に発展すればいい。俺は知らんよー、見えて気づいても領分じゃないから。何で目に見えてる問題の対策を取らずに行き当たりばったりのその場しのぎを続けるんだろ。超簡単な話なのに。

理解に苦しむ。理解しようとしてはいけない。自分には関係ないんだ。自分は自分の領分だけをしっかり守ればいい。それ以上のことに関わってはいけない。口を出しては行けない。見えても見ないふり、知らないふり。俺には関係ない。それぞれの立場があり、やるべき人がいるんだから、自分で考えて勝手にやってくれたらいい。俺は知らん。人と関わるのめんどくさい。誰も何も言わないよなー何か言ったらもう負けだよなー俺ももう何も言わん。と言うか知らん。

そういうわけで24時間オフラインデーやります。ひたすら本を読もう。

海外を目指してるわけじゃない

人に会うと大抵「今何してるの?」と聞かれる。それに対して「何もしてない」と答えれば「これからどうするの?」と聞かれたりする。「どうもしない」と答えることも多いが、めんどくさいから「青年海外協力隊に応募している」と答えることもある。すると相手からは「また海外目指してるんだ」とか「やっぱり海外のほうが良かったんだ」と返ってくることが多い。人は何か質問をし、その答えについて自分なりに納得しようとするからしかたないんだけど、「また海外目指してるんだ」とか「やっぱり海外のほうが良かったんだ」と言われると、なんというか、そうでもない、って答えたくなる。そして実際そう答えると、なかなか話が噛み合わない。「どういうこと?」って。この微妙な感じが伝わらない。

「別に海外なんて目指してない」っていう答えは正しいだろうか。外国に対する感情を整理してみると

  • 行けたらいいけど行けなかったら仕方ない
  • どうしても日本から出たいわけじゃない
  • どちらかというと外国にいたい

この程度の心持ちだ。だからどこかの専制君主制の国の人たちや母国が貧しくてやっていけない国の人たちのように、外国に住むため血の滲むような努力をしようとはとてもじゃないけれど思わない。だから「海外を目指しているか」というと、それほどじゃない。なんとなく行けたらいいなあっていうぐらい。

それでは「やっぱり海外の方が良かったのか」というと、これもはっきり言って答えづらい。そりゃあ良かった部分もあればそうでない部分もある。トータルで見て日本より海外の方が良かったのか、そんなものは場所によるだろうし向こうで何やっているかにもよる。日本で働いているよりは海外旅行続けている方がいいに決まっているが、旅行はレジャーであり遊びだからお金もかかりずっと続けられるわけじゃない。海外で働きたいかって言うと、そういう願望もあまりない。

ではなぜ日本を出る機会を伺っているのかというと、一番妥当な回答は「日本にいてもしょうがない」から。だって日本は長く住んだし、大体知っている。これ以上日本にいたってつまんない。それよりは、まだ知らない土地に行ったり生活したりするほうがまだおもしろいだろうって思う。知ってることとか、予想できることとか、大差ないことに飽きている。だから知らないことや予想できないことを目の当たりにしたほうがおもしろいだろうって。

ただ実際は外国に出る機会なんて全然ないし、巡ってこない。青年海外協力隊も落ちたからしかたなく日本にいるという感じ。そしてあわよくばそういう機会に乗っかりたい、でもそのために頑張ったり努力するほどでもない、っていうところ。だってめんどくさいから。だから結局このままズルズルと日本にいて野垂れ死ぬんだろうな。

惚れるってすごく単純なことで

これは本当に、幼少期の頃から大して変わっていない単純なことで、なぜそうなのかっていうのは考えたこともないからよくわからないけれど、仕組みはわからずとも原因と結果ははっきりしている。

この歳になって惚れたっていう話でもない。ただまあ、なんというか久しぶりにそういう感覚を認識した。ああ、こういう感じだったなっていう。見た目は確かに美しかった。しかし今の世の中には見た目が美しい人など掃いて捨てるほどいる。その人の美しさというのは、無駄のない美しさだった。どこにも無駄がない。無駄な化粧、装い、飾り、無駄な肉さえない。顔の造形は目が大きいとか鼻が高いとか、唇が分厚いとか歯が出ているとか顎が出ているとか、サイズが大きいとか頬骨が出ているとか、これといった特徴は何もない。背は高くなく、低くもない。無駄な言葉もない。それどころか無駄な声量もない。無駄な音程もリズムもない。これはじつにめずらしいことで、なかなかに驚いた。僕はよく、ぼそぼそ何喋っているのかわからないと言われる。その人もすごく小さな声で話す。しかし、僕とは違いぎりぎり聞こえるぐらいの声量で話すから聞き返すことはない。言葉数が多くなく、少なくもない。こういうのを均整のとれた美しさと言うのだろうか。

見た目の印象は確かに大きかったが、それよりも心惹かれたのは人物の中身だった。数時間話しただけだから、印象はわかっても性格とかそういうのはよく知らない。では中身とは何かというと、経歴のことだ。まず第一に、アーティストである。弱いなーアーティストにはすごく弱い。憧れる。その人は美術品を造っている。作品を売って生活している。とてものめり込んでいたようで、あまりに多忙だったのを最近は少しおさえているそうだ。作品はとても美しい。その道のことはくわしくわからないが、何かこう手元に置きたくなる魅力がある。学生時代にその道に足を踏み入れてから長年修行され、技術を学ぶために留学もされていた。そしてアトリエに入り、今は独立され自宅で創作されている。

上手いことよりも、有名であることよりも、認められていることよりも、稼いでいることよりも、好きでやっている様子がすばらしい。人が何かに魅せられ、長い時間と労力、人生と魂をかけて取り組んでいる姿に何よりも魅力を感じる。実際に取り組む姿まで見たわけではないが、その道における造詣と経歴、姿勢と態度、そして作品からなんとなく伝わってくる。

人が何かに没頭する姿は総じて美しい。その期間が長ければ長いほど、その深度が深ければ深いほどに。誰かから好意を寄せてほしければ、小手先の技術で表面を磨くのではなく、自分自身が何かを好きになり芯から魅力的な人物になったほうがいいんじゃないか。たとえその好きな対象を理解されなくても、好きである姿そのものが輝いている。

「わたしを離さないで」感想・書評

もしかしたら、そうかも。そうか、心のどこかで、俺はもう知ってたんだ。君らの誰も知らなかったことをな p421

率直に言って、なんじゃこりゃーという小説だった。この前に「日の名残り」を読んでいたから、一人称の独白で過去を回想しながら現在にたどり着くという全体としての大まかなスタイルは同じだなあと思った。著者が育ったイギリスを舞台にしているところとか、時代設定は「日の名残り」と少しずれているけれど、雰囲気はどことなく共通するものがあった。でもそれ以外は同じ作者が書いたと思えない。幅が広いと言うか、人物の描写があまりにも違いすぎて、なんじゃこりゃー。というのはこれを書いたのがおっさんだとはとても思えなくて。

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週刊日記

最近は香港旅行が決まり、そのことで頭がいっぱいだ。まだ先の話なんだけど、早くもプランを考えたり関連映画を見たりしている。返還以降はインファナルアフェアという映画が有名らしく見てみたら、ディパーテッドの原作だった。ハリウッドホンコンという映画も見たが、アメリカあこがれのよくわからない作品だった。恋する惑星は以前に見ており、あれも香港が舞台らしいけれど1994年上映作品というあたり中途半端に古すぎる。最近の香港シーンを的確に現した映画ってないのかな。

6月から7月にかけて香港は雨季にあたり、一番旅行向きではないシーズンだそうだ。雨具を買うか、自宅あったかどうか、服装はどうしようか、などなど考えている。当初1週間ぐらい旅行するつもりでいたが、結局3泊4日に減らした。そんなに大きい街じゃないから十分だろうと思って。ホーチミンシティーを旅行したときは4泊5日だったかな。1日余って郊外ツアーに出かけたから、今回は3泊で十分だと思う。むしろ一週間滞在したサラエボなんかは中途半端に時間が余って遠くへ出かけることもできずやることがなかった。月単位の滞在となるとまた話は変わってくるが、短期旅行で一週間というのは中途半端な期間なのかもしれない。

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