本読み

「地下室の手記」は見てられなかった…感想・書評

「俺は駄目なんだ……なれないんだよ……善良には!」 「地下室の手記」は読むのが大変だった。おもしろくないとか文章が読みにくいとか、話がややこしくてわかりにくいとかそういうわけではなく、目を背けたくなるような内容だから読み進めるのが苦痛だった。あ…

本棚

画質が悪いな。外国文学と旅行ですね。 左上段から、 魔の山|トーマス・マン(岩波文庫) だまされた女/すげ替えられた首|トーマス・マン(光文社古典新訳) かめも・ワーニャ伯父さん|チェーホフ(新潮文庫) 桜の園・三人姉妹|チェーホフ(新潮文庫)…

「羊をめぐる冒険」感想・書評

「人はみんな弱い」 「一般論だよ」と言って鼠は何度か指を鳴らした。「一般論をいくら並べても人はどこにも行けない。俺は今とても個人的な話をしているんだ」 下巻p200 「羊をめぐる冒険」は村上春樹の初期三部作と呼ばれる「鼠シリーズ」の最終章である。…

「月は無慈悲な夜の女王」感想・書評

「マイク、おまえ疲れているみたいたぞ」 「ぼくが疲れているって?馬鹿な!マン、きみはぼくの正体を忘れたのか。ぼくは心配しているんだ、それだけだよ」 「月は無慈悲な夜の女王」を読み終えた。このタイトルをパロった「君は淫らな僕の女王」というマン…

読みたい本がいっぱいある幸福

本じゃなくて映画でも音楽でも舞台でもゲームでもなんでもいいんだけど、僕の場合は最近本でこの幸福を享受している。そうは言ってもたくさん本を読んでいるわけではなく、一日の内に読書に割く時間が長いわけでもない。全く読まない日もある。今年に入って…

「帰ってきたヒトラー」感想・書評

上下巻ある長い本なんだけど、昨日1日で読んでしまった。面白かった。2012年にドイツで出版され250万部のベストセラーになり、42カ国語に翻訳された「帰ってきたヒトラー」(原題は"Er ist wieder da"「彼が帰ってきた」)。内容はタイトルの通り、現代にヒ…

「タイタンの妖女」感想・書評

「わたしだって、彼らがわたしを仲間に入れてくれるならそうしたろう」 カート・ヴォネガットの有名な本で、特に爆笑問題の太田光が大絶賛していたから名前だけは知っていた。そして岡田斗司夫推薦のSFということもあり、気になって読んだ。タイトルの「妖女…

今年読んだ本(2016)

去年おととしと今年の夏まで日本を離れていたせいで、全然本が読めなかった。今年の夏以降はこれまでに比べ本を読み、感想を書いたため振り返ってみた。それでも35冊、月1冊読めばいい方だった以前に比べると多い方だ。僕は一冊読むとその後何日もかけて考え…

「他人の顔」感想・書評

これは主に風呂の中で読んだ。風呂に入ってる最中が暇で、人によってはテレビを置いたりスマートフォンを持ち込んでいる兵もいるかもしれないが、僕はもっぱら本、というわけでもなく、たまたまこの本を風呂の中で読む時間が長かっただけ。 物語の概要 再生…

「スプートニクの恋人」感想・書評

「スプートニクの恋人」を再読した。ああ、このパターンかと初めに思った。「スプートニクの恋人」を初めて読んだのは大学生のときで、話の大筋は記憶していた。そのあと村上春樹の小説をいろいろ読んでから改めて読み返すと、新鮮な気持ちで、ある意味使い…

「知的生産の技術」感想・書評

「知的生産の技術」という本を読んだ。それにしてもなんと重々しいタイトルだろう。こんなタイトルの本は、本屋に並んでいても手を出す気にならない。買ったとしても、最初の1ページを開くまでかなりの時間を要する。しかしいざ開いてみると、スラスラ読めた…

「サイゴンのいちばん長い日」感想・書評

サイゴンというのは旧南ベトナムの首都であり、現ホーチミン市のことを指す。ベトナム戦争にて、北ベトナムことベトナム民主共和国が南北ベトナムを統一したあかつきに、サイゴンからホーチミンシティへと改名された。名前の由来は北ベトナムの指導者であり…

今夜クレイジージャーニー再登場、高野秀行まとめ

今年1月にクレイジージャーニーに登場され、アヘン栽培を手伝ったり、ソマリアでアル・シャバーブに襲撃されるというあまりの壮絶な内容で一躍時の人となった高野秀行氏が、今夜クレイジージャーニーに再登場される。公式サイトの予告映像を見る限り、おそら…

「ミャンマーの柳生一族」感想・書評

「ミャンマーの柳生一族」は、ノンフィクション作家である高野秀行が、探検部の先輩で作家の船戸与一に連れられ、「河畔に標なく」という小説の取材に付き添った話だ。高野さんは今までにも「アヘン王国潜入記」や「西南シルクロードは密林に消える」などで…

「予告された殺人の記録」感想・書評

これはある小さな町で起こった殺人事件について、調べた記録である。調査を行ったのはその町で生まれ育った男であり、事件当時も町に居合わせていた。事件から数年後、彼は何人もの関係者から話を伺い、まるで刑事か探偵のように検証している。この事件は初…

「何者」感想・書評

一番最初に抱いた感想が「気持ち悪い」だった。この小説は新卒の就職活動とTwitterがテーマになっている現代劇だ。登場人物たちは表面的に友人としての体裁を繕いながら、お互いのTwitterを確認して毒づく。痛いヤツだという本音をどこかで発散しながら、自…

「知っておきたいマルクス資本論」感想・書評

冷戦の時代、赤狩りが行われていた西側諸国では「俺はマルクスなんて読んだこともない!」と叫ばざるを得ないほど、なかば禁書扱いされていた資本論。名前だけは誰でも知っており教科書にも載っている。しかし、実際にその中身を熟知している人はどれぐらい…

「辺境中毒」感想・書評

先日、Kindle版が日替わりセールで199円になっているという話を聞き、買って読んだ。こちらはアヘン王国から日本に帰る経緯や西南シルクルードは密林に消えるとは別の機会にミャンマー、カチン州を訪れた話など、今までの紀行における本編に収録されなかった…

本を読んでいる人が、頭が良く見えるとき

僕は普段本を読まない。最近やや読んでいるけれど、読むときにたくさん読んで読まないときには全然読まない。その読むときというのが滅多に来なくて、ここ3ヶ月ぐらいが久々にそのときであった。それでもここ3ヶ月で読んだ本というのは、何冊だ、1、2、15冊…

退屈な日常にスパイスを。「アヘン王国潜入記」感想・書評

辺境作家、高野秀行の本を続けざま読んでいたが、ソマリランド、西南シルクロードと共に代表作とされている「アヘン王国潜入記」をやっと読み終えることができた。この本に書かれていた内容は1995年のことで、もう20年も前の話になる。当時僕はまだ小学生だ…

世界の料理好きにおすすめ「移民の宴」感想・書評

実は「知っておきたいマルクス資本論」を読んでいたのに難しくて、手を付けてしまった「移民の宴」を先に読み終えてしまった。 「移民の宴」は日本に住む外国人を訪ね、各国の食事をご馳走になりながら日本での生活を取材するという、日本にいながら海外を体…

ブックオフの迷走と、せどり

これを読んでいた。ブックオフはいつ頃からか市場調査・買取査定をしっかりやるようになり、そのおかげで以前よりも買取価格が上がった。しかし同時に販売価格も適正になってしまったため掘り出し物がなくなった。売る側からの魅力は以前より増したものの、…

「異国トーキョー漂流記」感想・書評

外国人と一緒にいると、目に映る風景も外国人のものになる。東京がトーキョーになる。 日本にいて外国人と関わることはそうそうない。外国人好きであったり仕事で関わる人は別として、それ以外は歩いているときに観光客に道を聞かれるのが年に1回もないだろ…

「ワセダ三畳青春記」感想・書評

青春記とあるが、この「ワセダ三畳青春記」(通称:三畳記)は辺境作家、高野秀行が大学時代の22歳から卒業後も33歳まで11年間過ごした、わずか3畳しかないアパートにまつわるエピソードを綴った本だ。大学は通常、浪人留年無しだと22歳で卒業する。高野さん…

大人だって本を読んだら感想を書こう

書を読んで考えないのは食べて消化しないのと同じ。 エドマンド・バーク - Wikipedia 活字離れが騒がれる昨今(もう古いか)、かたやインターネットを見渡せば多くの書評家、読書家があふれている。身の回りで本を読む人は少ないかもしれないが、ネット上に…

迷走する人へ、「間違う力」と「アスクル」感想・書評

欲しいものリストから頂いた中で紹介していなかった「放っておいても明日は来る― 就職しないで生きる9つの方法」ファンの間では通称「アスクル」と呼ばれている本を読んだ。その次に人から借りた「間違う力」を読んだ。この二冊はセットで読んでしまっていい…

「西南シルクロード」と「ソマリランド」の違い

欲しいものリストでいただいた本は次に読みます。「西南シルクロードは密林に消える」を読み終えた。この本は高野本の中でもファンの間で1,2を争う人気本であり、評価も非常に高い。高野さんの早稲田大学探検部の後輩であり、ノンフィクション作家の角幡唯介…

Letter from Kyoto書店

読書量は決して多くないんだけど、今まで読んだ本の中で人に読んで欲しい、何度でも読みたい、絶対的おすすめの本を並べてみたいと思った。このおすすめについては随時入れ替え、更新していきたいと思う。また、手元にある本なら欲しい人がいればあげます。 …

ブロガーとしての高野秀行

最近立て続けに高野秀行本を読んでいる。25年以上の作家としての経歴を持つ高野秀行氏なんだけど、2004年から12年に渡り今もブログを更新されている(不定期)。作家によるブログというのは珍しくないが、これほど早い時期から始め、長い間ずっと続けている…

ほしいものリストから大量に送られてきた