「コンビニ人間」感想・書評

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この本を勧められたとき、「すごく変わっているから」と言われたんだけど、「すごく変わっている」と言われれば言われるほど普通の小説としか思えなかった。果たしてこれを「すごく変わった小説」と感じた人は他にもいるのだろうか。僕のように「ごく普通の小説」と思った人は多いんじゃないだろうか。と言うのも、僕がそう感じるように、おそらくそう感じる人が多いだろうという実感というか、手応えのようなものが経験上あったからだ。だからこれを読んで「違和感」だとか「変わっている」という感想のほうが僕にとっては遠い。めちゃくちゃ遠い。この物語に書かれているような主人公は非常にわかりやすく、言うならば入り口にいるような人だから、その入口にさえ踏み込んだことがない人にとっては「変わっている」小説かもしれないけれど、そのずっと奥にいる人にとっては、遠い昔に通り過ぎた風景であり、その入口付近の雰囲気が懐かしいとさえ思えるのではないだろうか。

  • 接点に立つ人
  • 個人的に思ったこと
  • ※8/17追記
    • パターン1:変な私を、社会に受け入れられるように変えたい
    • パターン2:変な私を受け入れない社会そのものを変えたい
    • パターン3:変な私は変わらないけど、社会に加わりたい
    • パターン4:変な私だから、社会に加わらなくてもいいや
    • パターン5:変な私だけど、社会に認めさせる
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