世界の料理好きにおすすめ「移民の宴」感想・書評

実は「知っておきたいマルクス資本論」を読んでいたのに難しくて、手を付けてしまった「移民の宴」を先に読み終えてしまった。

「移民の宴」は日本に住む外国人を訪ね、各国の食事をご馳走になりながら日本での生活を取材するという、日本にいながら海外を体験するような羨ましい企画をまとめた本だ。実際はすごく大変だったようで、取材だけで1年かかっている。著者の高野さんはどこにどうやって取材を申し込んでいいかわからず、連絡してみれば「取材協力で私にどんなメリットがあるのか?」と詰め寄られたり、「これは僕が出るテーマじゃないですね」と断られたり、「どうしてこんな連載を始めてしまったんだろう」と嘆いている。

それでも協力してくれたタイ人、イラン人、フィリピン人、フランス人、台湾人、イスラム系ビルマ人(ロヒンギャ)、沖縄系ブラジル人、インド人、ロシア人、朝鮮族中国人、おまけにスーダン人のアブディンとその奥さんたちというアフリカから中東、ヨーロッパ、東南アジア、極東アジア、日系ブラジル人まで多岐にわたる人たちの好意と高野さんの取材により、この本は日本国内のワールドガイドブックのようになっている。大変だっただろうなあ。

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