寝起きのワンダフル妄想激情

先ほど風呂に入った。手が届くぐらい近い洗面所に、洗顔のアレを忘れてきたからしかたなく石けんで顔を洗った。顔がぱさぱさになった。シャンプーをしたらあわが立った。コンディショナーとかトリートメントとか、そういうのはイベントの時だけにしている。嘘。しかし今日は使わなかった。あれはなにやら不健全なにおいがする。

髪型。髪型ではなく髪質であった。私の髪は、寝ても覚めてもまとまるタイプの癖っ毛で、これが本当に嫌だ。どんな寝起きで起き立ててで目覚まし直後でも髪はまとまっているなどと言うことはない。寝癖は人並みにつく。が、てきとうにくしゃくしゃっとやって、自由度を与えておくといつもの形にまとまる。おお、これはかの有名な形状記憶ではないか。

そう、だから、私は汚いカッコウが好きだと以前申し上げましたが、どんなに薄汚れた格好をしていても髪だけが日勤サラリーマン皇太子みたいにきれいに営業なまとまりをしているので、様にならないのです。めちゃくちゃ不自然。ですから私は渋々、襟付きのシャツを着込んで、面のスラッとしたトラウザを履きこんで、キッチリとした衣装に身を包むのです。

ですから、ズボンという語感が美しいなあと思ったら、フランス語だったようだ。ニッポンジンには浸透していて、昔から使われていて今だと逆にナンセンスかのように思われがちですが、それは多分、いや、絶対半ズボンという造語のせいだと思っているが、そもそもズボンのひびき、デュボン、フランス語、ズボンだけで見てみよう。ズボンズというバンドもあった。

虫多い。今日もリハビリがてらに3キロほどデカイ公園を練り歩いていましたら、景色がちりぢりに砂嵐ってる、と見間違うほどの小さな虫、あれは蚊の幼生かなんかだったと思う、必死に振り払いながら前進する俺、周りを見てもそんな人は居ない。何もない空間に向かって顔をゆがめながら手をブンブン振り回して何かを追い払うようなその仕草は狂気という言葉がすんなりと当てはまります。しかし確かに虫はいた。

最初に書いた、風呂でしたが、あがってみると足下付近に大きな繊維のゴミクズが転がっていました。拾ってゴミ箱に捨てようと思ったらゴキブリでした。しかし、裏返ってて、びくともしません。セミのように自然死ぬけがら状態か、と思って、そのまま放っておきました。次に目を落としたらその場には跡形も無くなっておりました。身の危険を察知した私は、すぐさま離れ、私のような神経症まがいには必需品な殺虫剤をばらまいて、部屋を後にしました。