カフカのアメリカが読めない

読んでるんだけど読み進められない。カフカは全般的にそうなんだけど、自分に責任がないところで誤解されて酷い目に遭うの繰り返しで、それが生々しくてとても嫌になる。
良かれと思って言ったことが相手に伝わらず全て裏目に出て嫌われたり、慣れてきてこれからという時にうっとうしい人間が妨害してきて信頼されてた人からも見限られたり、あんなにも気を遣っていた他人の無邪気な悪意であったり無神経な妨害が、自分の関係や築いてきた物を全てぶち壊す。そして自分自身にはそれを繕う術がない。能力がない。弁解は聞き入れられず、場所を追いやられ、追いやられ、転々としたあげく、気力もなくなる。終いにはわけもわからず殺されたりする。
なんて救いようがないんだカフカ、その救いのなさがとても現実味があって読み進めんのがしんどくなる。
彼を永遠に受け入れなかった父。生涯をかけて弁明を繰り返したカフカ。耳を貸そうともしなかった父。父へ宛てた手紙、身を削る思いで書かれた手紙は、読まれもしなかっただろう。