死ぬ前にやることについて

日々暗い話題が多いですが、今日のテーマです。
ワーキングホリデーの漫画を立ち読みしたことを以前に書いたけれど、その時から少し疑問に思っていた。
作者は「もったいないから死ぬ前に全財産使い切って死ぬ」という動機でオーストラリアに旅立ったらしいけど、結局今も生きていて、死ぬつもりだったけど人生好転しました、結果オーライめでたし万万歳という話だった。
しかし、現実、もし、そうならなかった場合。死ぬ前に楽しいことを経験するというのは、果たして良いことなのだろうか。死ぬ前に楽しいことを知ってしまうと、死ぬことを後悔するだけではないだろうか。全財産は使い切ってしまっており、退路は断たれている。今更やり直すことも出来ないまま、楽しい思い出と後悔を胸に抱いたまま自殺。残酷なだけだ。それならば、いっそ楽しい思いなど経験せずにそのままあっさりと苦しいまま死んでしまう方が気が楽なのではないだろうか。
 結局生きるということは経験するということなので、死ぬ前提で何か行動を起こすことにはあまり意味がないのかもしれない。どうせいつか死ぬ、というのは免れない。その死んでしまう日を早めるために行動するぐらいなら、生きている間に、生きている実感としての経験を積んで、そのうち死んでしまえばいい。そのためには、死ぬためにどうするか考えるよりも、一応生きることも考えておいた方が、楽しんで過ごすことが出来るだろう。
僕は享楽主義というか、「人生楽しんだもの勝ち」という考え方がすごく嫌いで、その思想自体には賛成しかねるんだけど、死にたくなったら全てを投げ出して自分を追い込むよりも、大金を使って逃げ出し、模索したところで、また最低限やり直せるぐらいのお金なり余地なりはとっておけばいいんじゃないかなと思う。うまく行くかどうなるかは自分や環境次第、運次第でわからないけれど。
本当に短いスパンで死ぬ気なら、何もせずにそのまま死んでしまう方が気が楽、というかそこまで差し迫ったらそんな余裕は無いだろうから。
 死ぬ前にやること、というのは長いスパンで見て、生きているうちにやっておきたいこと、になるから、全てを投げ打ってやることではないだろう。
いつ死ぬかなんてわからないし、やりたいことリストを全部クリアすることは出来ないかもしれないから、無理に死に急ぐことはない。それぞれのタイミングで行動してみればいい。