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退職日記3

退職日記2の続き

昨日、役員から呼ばれた。
役員の個室で、1時間半ほど会話をしてもらった。

意図としては、一つ、期末までいて欲しいという事だった。それは断った。
それについては、今急に抜けられると会社がいろいろ大変になるということだったので、僕は謝った。でもやはり断った。
会社が大変なのは、そうかもしれないが、辞める人間に対してそれは、ちょっと都合が良すぎるのではないか。
僕だって、当然辞める前提で会社に入ったわけではない。入って2年3年は辞めたいなんて思った事もなかった。
状況が変わって、環境が変わって、自分には限界が来た。その上で、限界を越えてまで働いていると僕は本当に壊れてしまう。

「今ここで君が辞めると、後輩のHが倒れるよ」

それ自体は悲しい事で、辛い事だと思う。確かに、なんとかしてやりたいと思う。
でも、そのために自分が倒れようとは、とても思えない。そいつは後輩ってだけであって、肉親でも恋人でもない。僕がそんな事をするのも筋違いだろう。

僕のせい、と言えば僕のせいかもしれない。

いや、本当にそうか?

もう一つ。
それ以外の話も多くしてもらった。自分は戦力外だなんて思っていなかったとか、何事も後ろ向きに考え過ぎるとか、今後生きて行く上の参考に、どういうふうに物事を捉え、考えていけば、生きやすいかとか、先が見えるか、とか。

引き留めるつもりはない。でもまだこれから生きて行くのだから、転職するわけでもないのだったら、何か僕の、今後の人生に参考になればと思って、一人の年輩の男性として、いろいろ話してくださった。

僕に対する評価については、それは辞めようと思う前に言って欲しかった。
人は評価に飢えている。自分に自信が無いから、他人から評価されたら、人はもっと前向きに頑張れる。世の中の半分の人は、褒められて伸びる。そう思う。

人を評価するなら、その時その時、点数やお金だけではなく、気持ちで、言葉で、評価するべきだと思った。自分もそうするべきだと。

僕はずっと、会社にはいてもいなくても同じ人間として、要る人間足るよう努力してきたつもりだった。それでも至らなかった。ずっとそう思っていた。一部では評価も頂いていたけれど、もっと、本人に向かって、辞めようという気持ちになる前に評価しなければ、人は生きていけないと思った。
僕もギリギリになる前に、もっとわがままに主張すべきだったかもしれない。

今更そんなことを言っても、言われてももう遅い。
というよりは、今だからこそ、逆にそうやって華を持たせてくれているんだと、僕は解釈している。

あいつはダメなやつだったけど、かわいそうだから、と。