3週間の英語学習の効果とは

現地で習う英語は簡単か

学校に通いだしてそろそろ3週間となる。トロントに来る前にエージェントからは「語学学校の授業なんて幼稚園みたいなもの」と聞いていた。というのは、座学よりもゲームなんかをして会話と共に実践的な英語を身につける授業が多いという意味だった。

実際はどうかというと、確かにゲームみたいなのが半分ぐらいを占めている。例えば、先生が単語の意味を読み上げて、わかった人から手をあげてその場で単語を当てるとか、シチュエーションを与えられて生徒同士で会話のロールプレイをするとか。でも全く簡単じゃない。なんて言えばいいか、言葉が全然出てこない。英語圏の人であれば幼稚園の授業みたいだろう。また、南米の生徒が多くて彼らはアルファベットにも英語の発音にも馴染みがあるのか、結構簡単にクリアする。僕らは必死だ。

そのゲームみたいな授業が半分で、残り半分は普通に日本でやっていたような勉強をする。リスニング、英文解釈、英作文、文法など。日本と違うのは日本語に訳す事が無いぐらいで、それ以外は普通の座学だ。パターンを覚え、問題を解き、スコアを競う。これも15年ぐらい前にやった内容なので全く覚えておらず、非常に難しい。リスニングなんかは日本と全く同じだけど、もう基本的に何言ってるのか全然聞き取れないから単語だけ聞き取って内容を推測している。

実際難易度については入った学校やクラスで差が出てくると思う。僕はHi-intermediateというクラスから始まったために、周りにブラジリアンやメキシカンなどのスペイン語圏、ポルトガル語圏の人が多くてついていけてないだけなのかもしれない。アラブ人はわかっているのかわかっていないのか、どちらにしてもとにかくよく喋る。

日本でやってきた方がいいこと

英語に限らず勉強は非常に難しいから、記憶力がいい人とかを除けば、普通に時間を費やして繰り返したり暗記したりしないと身につかない。よく言う、「聞き流すだけで話せるようになる」とか、「住んでいるだけて、居るだけで話せるようになる」とかはあり得ない。普通に考えたらわかることだけど、そもそも僕らにとってほとんどが知らない単語で、それを暗記していないとその時点で会話が成り立たなくなる。最近海外ドラマを見だしたけれど、わからない単語が出てきて調べての繰り返しだったりする。そういう地道な作業が当たり前に必要になってくる。

こっちで得られる環境というのは、話す環境、会話する環境、英語を英語で学ぶ環境なので、日本でできることは日本でやっても同じだけの効果がある。日本でできることと言えば、例えば単語やイディオムを覚えるとか、英語をたくさん聞くとか、文法とか。

単語やイディオムを覚えるのは、日本にいようが外国にいようがどちらにしても最初は日本語の意味から入る。英英辞典で調べてもいいけれど、いまいちピンとこないことが多いから、結局は日本語で理解した方が正確で早い。外国人と英語で会話をする機会があったとして、言葉が聞き取れてもその意味を知らないと話にならない。

同様に、単語の意味を知っていても、それを聞き取れなければ意味がない。単語帳などの紙で勉強しても発音は正確に覚えられない。また、単語だけで発音を覚えても会話の中で単語を聞き分けないといけない。そういうのは慣れが必要だ。一方的に聞くだけであれば日本でも十分に環境が整っている。英語を聞く手段なんて海外ドラマでもそうだけどいくらでもある。ポッドキャストもあればラジオだってある。大切なのは、英単語及びイディオムを聞き取れて、さらにその意味を知っていて、言っている内容が理解できる段階にまで行くこと。これは全部日本でできる。

最後に文法。文法も理解するという点においては日本語の説明の方が良い。文法の学習教材は日本語の物で良いのがたくさんあると思うので、闇雲に選ばずに良いものだけを選んで学習すれば、十分に身につくだろう。

これらに共通しているのは、英語で学ぶよりも最初に一度日本語で理解してしまった方が早い内容と、日本でも学習するための環境が整っている内容であるという点。

3週間の効果

そういうことをほとんどやってこなかったせいで今の状況があると言える。唯一やっていたのは聞き取りの練習だったけれど、聞き取りは単語の意味を知らないと役に立たないからあまり効果は出ていない。
エージェントに言われたのは、「単語帳と文法の本は日本語のものを一冊ずつ持って行った方がいい」ということだった。その意味をこっちに来て理解した。もちろん、そんなものを持ってこなくても日本で覚えてくるのが一番いい。

というわけで、英語について僕はまだ全く上達していないと言える。まだ、たった3週間ということもある。これがもし、日本で出来たことをやってきていれば、同じクラスに居たとしても全然違っただろう。ただ、日本では必要が無く、めんどくさくてそんなのは絶対やらない。もしそういう意識が持てる人がいれば、日本で出来る内容は事前に学習してくることをおすすめするというだけの話。こちらに来て、せっかく会話する機会が格段に多いにもかかわらず、僕はその機会を全く活用できないでいるというのが現状だ。

今のところ、僕が唯一こっちで得られた実感というのは、今、英文を読むことにあまり抵抗がなくなってきているということ。学校で毎日英文を読んで問題を解いているから、読まざるをえない。日本にいた頃は英文を見ただけで毛嫌いして飛ばしていたけれど、今は内容がわからなくてもなんとなしに読む姿勢だけは身についた。

俗に、「3ヶ月経てば急に聞き取りが出来るようになってくる。6ヶ月経てばまた急に上達する」なんて言われているけれど、おそらく耳が慣れるだけなので、語彙力は地道に自ら積み重ねていかないといけない。自分の耳が慣れても、知識が遅れを取ってしまえばせっかく聞き取れても意味がわからない、返答ができないということになってしまう。

DUO 3.0

DUO 3.0

 
総合英語Forest 6th edition

総合英語Forest 6th edition