シェアハウス、日本と海外の違い

僕は日本で1年ほどシェアをしていたので、違和感なく当たり前となっているこのシェアハウス生活だけど、トロントではまた少し違う面もあったので紹介しておこう。
僕自身、学生時代は実家に住んでおり、会社員になって5年ほど大阪と名古屋で一人暮らしをして、その後1年弱大阪でシェアをしていた。どの立場も経験している目線で比較することができる。

日本でやっていたシェア

日本でやっていたシェアというのはどんなものだったか。このブログにもぱらぱらと書いていたけれど、再度まとめてみたい。
まず、僕と当時の会社の同僚が家を借りた。10万円以下で5LDKだった。
敷金礼金は折半した。それぞれ1つずつ部屋を使った。部屋に鍵なんかはない。
リビングキッチン風呂トイレを共同とした。洗濯機や掃除機、冷蔵庫などはそれぞれ一人暮らししていた部屋から持ってきた。他に、ソファや本棚、テレビやゲーム、こたつなども持ってきてリビングに置いた。それぞれの部屋にはベッドや衣装ケース、ハンガーラックなど各自で持ってきたものを置いた。

追加の住人はネットで募集した。新たに3人が決まり、計5人で、5LDKは各自部屋を持って満員になった。それぞれ部屋の広さや使い勝手に比例して家賃を決め、それらをまとめて僕が所有者に振り込んでいた。一人あたりの家賃は15,000円から25,000円程度だ。各部屋に家具などはなかったため、各自で用意してもらった。水道ガス電気などの公共料金は、僕の名義でそれぞれ契約しており、その月の金額を人数割りして各自負担した。

各自個室はあるため、基本的なプライバシーは確保される。鍵が無いから入ろうと思えば入れるけれど、共同生活をする上でそんなことはしない。仮に誰かが自分の部屋に入ってきても盗られるような物は置かないようにしている。壁は薄いし風呂もトイレも共同なので、一人暮らしのようにはいかないけれど、基本的にはそんなことをどうでもいいと思うような、気にしないような人たちだけが同居して、共同生活を送っている。 

これは僕が勝手にやっていたシェアであったため、ルールや当番などはなく、住む人の審査なんかも一切していない。デポジットはとったけれど、契約書という紙も交わしていなければ、免許証等のコピーもとっていない。日本でこのケースは珍しかもしれない。公になっていない場所ではあるかもしれないけれど。

僕が家一軒をまるごと借りた時は普通の契約だったので、住民票と年収のわかるものと免許証のコピーを出した。さらに保証会社に加入して、同居人が連帯保証人になっていたので連帯保証人の書類も提出した。日本で部屋を借りる時はこれが普通だったりする。

借地借家法という法律にて、借り主はかなり優遇されているので、貸主はその対抗手段として十分な審査と契約条項を課しているのだと思う。詳しくは調べてみてください。

トロントのシェア

海外留学や長期滞在する人は、出張などを除けばほとんどがホームステイやルームシェアなどの共同生活を送ることになるだろう。逆に言えばそれが無理な人に長期渡航はできないと思う。無理と言ってもやったことがなければわからないだろう。最初は無理だと思っていても慣れて平気になる人もいれば、ハズレに当たって二度と共同生活はしたくないって思う人だっているかもしれない。そればかりはわからない。あなた次第だ。

トロントは、日本のシェアとはまた少し違った。まず、カナディアンがオーナーの場合、しっかり契約するケースが多いと聞いた。金額やルール、違反事項や違反した場合の罰則など書面にて締結し、サインするそうだ。僕は契約書を見たことがないので詳しい内容は知らないけれど、6ヶ月は滞在しないといけないといった契約期間や、家に他人を連れてきてはいけないなどのルール、それらを犯した場合のペナルティなどが一般的だ。

日本人や韓国人など、アジア人がオーナーの場合はそういった手続きがほとんど無い。
僕が聞いた3件ほど事例があるけれど、契約書があったケースはひとつもなかった。
また、ホームステイのようにオーナーが同居するケースもよくある。その場合は単純に家の中の一室だけを貸しているという形態だ。日本の家と同じく普通の部屋で、だいたいは鍵などかけられない。

トロントのシェアでは、水道代や電気代、ネット代が全て家賃に含まれており、簡易のベッドと机など、生活必需品の家具がついているケースが多い。その分家賃は高く、僕が日本でやっていたシェアみたいに25,000円とかは無い。安くて40,000円とか、5万6万はざらにある。物価が高いので適正みたいだ。家具が付いているというのはどこの国もだいたい共通だと思う。家賃についてはその国の物価によるだろう。

建物がボロい

トロントのシェアで驚いたのは、まずその建物のボロいこと。生活に支障はないものの、あらゆる部分が汚くてボロい。掃除も行き届いていなければ、修理もされてない。言い換えれば、日本の家が神経質すぎる。日本は極端で、ゴミ屋敷か神経質しかない。トロントの家は高級なコンドミニアムとか別として、だいたいどこもその中間に位置する。
ただ、ボロいと言っても作りはしっかりしていて、プレハブとか揺れるとか寒いとかそういう意味ではない。

即決

部屋を決めるときの手続きがあまりにも早い。だいたいは、その場で決めてしまう。日本みたいに1週間も2週間もかかることがなく、僕は引っ越しまで実質2日だった。

それだけ早い理由というのは、まず審査がない。貸主が断るということは、男性禁止とか中国人禁止とか事前に断っているケースを除けばほぼ無い。年収を要求することや保証人を要求することもない。これはもしかしたら留学生限定かもしれない。パスポートを見せることもなかったし、何かを聞かれることもなかった。だから、借り主が一方的に部屋を選ぶだけということになる。まるでホテルの1室を借りるように。

次の理由として、修繕やクリーニングがない。家全体がボロいので、その部屋だけ再度リフォームするなんてことはありえない。掃除ぐらいは貸すためにオーナーがしてくれていることが多い。親切なところだと、寝具も洗濯してくれている。ただ、それだけだ。僕が引っ越して一番最初にやったのはクモの巣を取ったり掃除だった。

最後に、契約行為が簡易。僕はそもそも書面での契約を締結していない。やっているケースでもおそらくその場で内容を確認してサインするだけだろう。予め概要も確認しているので2分もかからない。

結果的に僕が引っ越しまでに費やした期間というのが、トータル2日だった。

短期用と長期用

もう一つ日本と違うところが、短期用と長期用で分かれているというところだったりする。日本のシェアはあまりそういう規定を設けていないことが多いけれど、トロントでは1ヶ月単位で借りる場合と半年単位で借りる場合で分かれている。1ヶ月単位であれば家賃がその分割高になるが、すぐに転居もできる。6ヶ月単位であれば、その分割安になるが、それ以下の期間で転居する場合にペナルティが課される(デポジットが返ってこないなど)。もしくはどうしても転居しなければいけない場合に、代わりに住む人を見つけて名義変更を行い、契約を引き継ぐといった規定外事項を設けていることが多い。

僕の住んでいる部屋

家賃 $290/月(水道光熱費別の珍しいケース)
広さ 6帖程度
立地 駅徒歩5分 ダウンタウンまで地下鉄15分
家具 マットレス、簡易棚、テーブル、照明等(クローゼット無!)

僕が部屋を探した経緯などは以前に詳しく書いたので良かったら見てください。

ここに書いたことは飽くまで一部事例であり全てではないため、参考にする程度でとどめておいてください。日本のシェアも海外のシェアも多様だとは思います。

他人と暮らす若者たち (集英社新書)

他人と暮らす若者たち (集英社新書)