トロント→モントリオール

トロントからモントリオールへはメガバスにて行った。3日前ぐらいにチケットを買ったために安くはなく、片道$30ぐらいした。バスはDundus近くのバス停から出ており、時間にして6時間から7時間程度でモントリオールに着く。バスは昼の2時半に出て、夜9時半頃着いた。ニューヨークからトロントに来た時とは違い、途中の休憩が少なく、飲み物を買っただけで食事をする暇はなかった。

モントリオールの街は、バスから眺める限りトロントと変わらなかったものの、着いてホステルから歩くうちに少しずつ違いを感じた。まず、道路が広い。そしてやはり石造りの建物がたくさん残っている。教会などに限らず、服屋や飲食店などあらゆる店において古い建物の外観をそのまま使い、内装にもその名残が残っている。その時点で街の綺麗さではトロントより優っていた。

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ホステルでチェックインを済ませ、PUBにてハンバーガーとビールの夕食をとった。街で聞こえてくるのはあきらかにフランス語ばかりで、東洋人もトロントに比べると圧倒的に少なく、違う土地に来ている雰囲気を醸しだしていた。ハンバーガーはでかくてそれだけで腹一杯になり、追加は何も頼まなかった。PUBは人でごった返していて、話し声と笑い声とバンドの演奏が響いていた。

ホステルのすぐ近くで食事をとったので、食べ終わってすぐにホステルへ戻った。外へ出てタバコを吸っていると、酔ったフランス人の女の子が何かフランス語で話しかけてきたので聞き返したら、うしろの女の子が「きれいな髪だねと彼女は言っている」と英語に訳してくれた。その人達はフランスから旅行で来ているらしい。ケベック州にはたくさんのフランス人が旅行で来ていた。

同室の一人が日本人だった。トロントのカレッジに3年通って卒業したものの、移民になる州法が厳しくなったため、そのあたりが緩いケベック州に来たということだった。年齢は僕より少し若いぐらいだろうか。とても落ち着いた人だったけれど腕に刺青が入っていた。モントリオールに来てまだ2日目で、昨日アパートを契約してきたそうだ。モントリオールではシェアハウスではなくアパートを借りるのが定番で安いということらしい。

長時間バスに揺られて疲れており、腹もいっぱいで出歩くのは面倒だったけれど、暇なのでとりあえず一階のロビーに降りてみた。先程はフランスからの旅行者が宴会をやっていたので、少しは暇が潰せるかと思ったら、もう誰もいなくなっていた。ホステルの従業員であるジェイコブが気さくに話しかけてきた。日本に関心があるらしく、学校でも日本の歴史を勉強したり、能や歌舞伎も知っていると言っていた。また、津波のことも聞かれた。あと、なぜか日本に詳しい外国人は口をそろえて「こっくりさん」を知っている。僕の世代でもこっくりさんなんてマンガでしか見たことがないのに、誰がどこでそんなのを外国人に広めているのだろう。

次の日の朝は7時に起きた。タオルを借り、シャワーを浴びて1階ロビーに降りたらジェイコブがいた。こいつは寝てないのだろう。「水をくれ」と言ったら「朝食を食べるか?」と聞かれ、9時頃に食べると答えた。僕は朝食の時間を9時からだと勘違いしていた。どうやら7時からだったようだ。ジェイコブとはその後カメラの話をしたりして、飯を食ってホステルを後にした。

モントリオールに滞在するのはたった1日なので、効率良く周ろうと思った。最初に、モン・ロワイヤル公園に向かった。モン・ロワイヤル公園は丘の上にあり、モントリオールの街並みが見渡せる展望台がある。朝は晴れていて暖かく、軽く運動するにはちょうどよかった。昨日以前に積もった雪が溶けていたり凍っていたりで、道は雪と氷と水が混ざって大変なことになっていた。滑るし濡れるし冷たい。登る人はたくさんいて、そのほとんどが地元の人であるように見受けられた。朝のジョギングの衣装のようなものを着た人が多く、中にはスキー板を持っている人もいて、かついで山を上がっていた。どこで使うんだろうと思っていたら、上にクロスカントリーのようなスキーで歩く場所があった。

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そういう事がよくある。例えば、普通の公園にスケートリンクがあったり、学校のグラウンドで氷ではないけれどアイスホッケーのゴールが設置されており、子どもたちがサッカー感覚でホッケーを楽しんでいたり、ベビーカーの代わりにソリに乗った子供が親に運ばれていたり、こちらでは雪が生活の一部であり、ウィンタースポーツはメインスポーツであり、スキーやスケートは近所のなんでもない場所でやる身近なスポーツなんだ。

丘は階段と坂を登ることで頂上に辿り着ける。階段はまだしも、坂は雪と氷に埋もれているために、手すりが付いている箇所もあった。僕は最初そこが仕切られているのか、冊なのかと思っていた。帰りの下り坂を下る際に手すりだと言われた。頂上から見えたモントリオールは近代都市だった。高層ビルが立ち並ぶ。カナダ第二の都市だと聞いている。一位がトロントだ。これは経済規模のことで、人気や美しさではない。バンクーバーなんかも何位かに入るのだろう。ケベックもどこかに。

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次にどこへ行こうかという話になり、サン・ジョセフ礼拝堂を考えたものの、地図を見る限り徒歩ではあまりに遠く、バスが通っているはずなのにどこに止まるのか検討もつかず、結局山を降りて旧市街へ向かうことにした。

続き:モントリオール→ケベック