skins series4 感想

skins series3はあっさりと終わった。軽く明るく爽やかに。
このドラマはどうやら2シリーズ目に重いテーマをぶつけて全てを台無しにするのが好きらしい。ちなみに台無しにするという意味のscrew upという言葉がこのドラマに限らずよく出てくる。シリーズ4はひどい。僕は英語わからないまま見ているので解釈がおかしい部分も多々あると思うけれど、以下感想。

シリーズ4は、オープニングで人が死ぬ。めちゃイケメンバーではないけれど、その死を巡っての騒動がある。

Thomasの働いていた店で起こった事件で、Thomasは店から口止め料を渡される。ThomasはCookとPandraの事が吹っ切れておらず、この事件についてもCookがSophiaという死んだ女の子にドラッグを渡したと決めつけ執拗に追い立てる。同時にThomasはこのイギリスとイギリス人たちが理解できなくなり、教会で出会った同郷の女性に惹かれる。彼は理性を保とうとするが、結果的にPandraへの仕返しのようになり、お互いの想いとは反対に仲違いすることになる。Thomasはイギリス人じゃないということもあり、一番まともに描かれている。悩む内容も考え方もまともで、すごくいいやつを貫いている。

話が進むと発覚するのが、その死んだSophiaがNaomiの元彼女であったということ。この人元々ストレートじゃなかったんだというドンデン返し。そしてNaomiがSophiaにMDMAを与え、Sophiaは服用したまま飛び降りて死ぬ。Emilyはその一連をつきとめ、全てNaomiに騙されていたことがわかり関係が崩れる。シリーズ4ではEmilyがもうこれ以上失うものはないと言わんばかりにやりたい放題で、シリーズ3とは対照的だ。Naomiはシリーズ4において諸悪の根源みたいな存在になっている。悪気は無いにしても。

MDMAはCook経由で流通したため、Cookが警察に疑われる。当のCookはFreddieとEffyの関係に自分を抑えきれず、暴力事件を起こし退学になる。ここでCookの家庭の話が出てくる。Cookの父親はシリーズ3の最後に出てきたが、母親と弟が登場する。親父はボートで寝起きしているホームレスみたいなおっさんなのに、Cookの母親の家は豪邸で、ボンボンだった。弟は小学生ぐらいで幼く、Cookに懐いており彼の生き方を真似ようとする。母親はCassieの親のような芸術家。暴力事件の件で弁護士とのやりとりがあり、裁判でCookはSophiaにMDMAを渡したのも自分だと主張し、Naomiの罪を被って刑務所へ行く。シリーズ3でキチガイ役を全うしたCookはかなり大人しくまともになっている。弾ける姿が痛々しいぐらいに。この、CookのFreddieとEffyに対する心情というのは、日本人には理解できないのではないかと思う。僕らは全て一緒くたにしてしまうから。

Katieは自分が子供を産めない身体だと発覚する。唐突過ぎる。さらに親父が解雇され家が競売にかかり追い出される。一家離散の危機を迎えるが、いろいろな不幸が重なったことで返って家族で力を合わせようということになる。元々シリーズ3の頃から影が薄かったKatieだけに、むちゃくちゃな設定を割り当てられる。シリーズ4では打って変わって終始落ち着いており良識の人へ。Emilyと立場は逆転した。

Freddieは学業不振で留年しそうになる。Effyはよくわからないけれど鬱で破滅的行動がエスカレートし、ついに自殺未遂を犯す。Freddieはパニックを起こす。Freddieの母親が既に死んでいることはシリーズ3からわかっていたけれど、自殺だったことが明らかになる。このFreddieとEffyの関係はシリーズ3の頃からずっとよくわからない。何がしたいのか、何がどうなっているのか、誰がどう思っているのか、なぜ特徴のないこいつらの恋愛がメインに取り上げられているのか、顔が良いからとしか思えん。それでもEpisode5の公園のシーンは良かった。

JJはスーパーのようなところでアルバイトを始めており、そこで同じく働いていた女性を口説くが、彼女には子供がおり、その父親である男性と同居していることがわかる。このあたりの関係は理解できない。その、彼女らは愛し合っているにもかかわらず、JJと関係を持つようになる。当然ながらJJとその男性は敵対するが、それでもJJはその女性を家族に紹介したりして話が進む。父親の男はJJが精神病院から出てくるところを目撃して、JJはそれを彼女に伝えないで欲しいと言うが、格好のネタにもかかわらず、なぜかその男はJJを認める。「お前と何があっても彼女は俺のところに戻ってくる」という、自信なのかわけのわからない理由で。自由恋愛が認められているって意味なのかな?先進国は違うわー(自棄糞)。

Effyは精神病院を退院し、通院しながら元の生活を取り戻そうとするが病状が悪化する。Freddieとやり直そうとするもFreddieは精神科医にバットで殴られる。
最終話。脱獄中のCookや他の皆がNaomiの家に集まるが、警察が来てFreddieの庭の物置に隠れる。そこでみんながFreddieの誕生日を祝う。NaomiはよくわからないけどEmiliyと仲直り。Pandraは歴史の成績が良すぎてハーバードに行く事が決まり、Thomasに伝えるがThomasは短距離走のスカウトを受けて同じくハーバードへ。CookはFreddie宅近くで見かけた精神科医の後をつける。精神科医の家にはFreddieの血がついた服が見つかり、殺されたことを知る。そこでバットを持った精神科医が現れる。

最後のFreddieの展開はむちゃくちゃ過ぎて、シリーズ2のChrisを思い出す。EffyとCookについては後日談がシリーズ7になっているそうなので、5、6を飛ばして見てしまわないと気が済まない。シリーズ7についてはあまり評判良くないみたいだけど。とにかくFreddieはいきなり出てきた精神科医に急に殺されるという、今までの話はなんだったのかわけわからない展開に巻き込まれて最終話には声しか出てこない。シリーズ3も4もCookの物語として幕は降りた。

シリーズ2もそうだったけど、こういう脈略もロジックもないむちゃくちゃな終わり方が好きなんだろう。ただ暗くて僕は好きだった。物語中に描かれなかったいろいろなことを想像してしまう。Cookは殺されなかったにしても、どうやり過ごしたのかとか、彼らはFreddieの妹も含めFreddieの死をどう受け止めたのか、とか。JJは頭良かった設定のはずだけど今後どうなってしまうのか、とか。Tonyは一度も出てこなかったけれど、どうしているのか、とか。今のEffyをどう見るか、とか。