簡易読書歴

何もないときによく本を読んでいた。高校の時は、今は亡き河原町三条近くのブックファーストや、四条河原町近くの丸善で本を買っていた。本屋に行けばたいてい5冊は読みたい本が見つかった。全部買うことはなかったけれど、メモを取って時間が経っても読みたい物や、どうしてもその場で買ってしまう本だけを読んでいた。
また、三条京阪のブックオフでもよく本を買い漁っていた。新しい本は本屋で買って、こちらでは100円の古くてボロい本を5冊まるごと買ったりしていた。高校の時によく読んだのは、経済の本やインターネット関連の本などが多かった。高校時代は新書もよく読んでいたが、後にあまり読まなくなった。

大学時代は大学の図書館で本を読むことが多く、また図書館で借りた本を自宅でも読んでいた。高校の頃と同様に、ブックオフで買い漁ることも多かった。また、どこにも売っていない本をアマゾンで買うようになったのも大学の頃からだった。
本は大学生の頃に一番多く読んだ。文学を本格的に読んだのもこの時期で、カフカやサリンジャーなどは高校の頃に読んでいたけれど、豊饒の海であったりカラマーゾフの兄弟であったり、魔の山であったりグレート・ギャツビーなど、少しでも関心を持った物を手当たり次第読んでいた。僕は経済学部だったので経済の本も高校時代より少し専門的になった。マーケットの本や行動ファイナンスの本などを読んだりしていた。

魔の山 上 (岩波文庫)

魔の山 上 (岩波文庫)

 

会社に入ってから本を読む量はかなり減ったけれど、読む本の中身も多少変わった。当時流行っていた銃病原菌鉄やこれからの正義の話をしよう、流行ってはいなかったけれど他者の苦しみへの責任、破綻した神キリスト、といった本に手を出していった。会社員の頃は淳久堂で買うことが多かった。大阪でも名古屋でも揃っていた。

破綻した神キリスト

破綻した神キリスト

 

また、会社に入ってから写真を撮りだしたり、旅行しだしたので、それらも新しいジャンルになる。写真の撮り方の本、写真だけの本なんかも買うようになった。そのため今まで行かなかったような小さな本屋、写真の本を多く取り扱っている本屋にも通うようになった。旅行の本については会社を辞める前後にかなり読み漁った

僕は一度読んだ本を読むことが多く、消費としての読書でなければ少なくとも二回は読むのであまりたくさんの本を読んでいない。会社員になってからでも思いだしたかのようにフランツ・カフカの訴訟を読んだり、別の翻訳が出たら買って読んだり、先日もニューヨークへ行くにあたってライ麦畑を読み返したところで、夏目漱石の行人なんかは飛行機の中でも読んで4回は読んでやっと感想が書けたようなもので、読書体験というのはアルバムをめくるような経験に近く、また難解な映画を理解できるまで繰り返し見るのと同じで、僕にとっては知恵を得るとか、知識や情報を得るというよりも、生活の一部、時間の過ごし方のひとつという位置を占めている。

今読みたいのはユリシーズと失われた時を求めて。理由は単純で、20世紀最大の作家と言われているのに手を出してなかったからというだけ。本というのは読み終えてしまうまでそれが自分にとって良いものか、好きなものであるか判断できないため、お金を払って買い、時間を費やして読み、それが無駄に、浪費になってしまうリスクが高い。映画も同じ。だから、一般的な評価というのが手に取るにあたっての指標としてとても重要になってくる。文学賞や書評が重要視されるのはそういう観点から来ていると思う。どんな本なのか、どんな人が書いたのか、どんな評価を受けているのか、そういうことを気にせずに本を読むには時間とお金があまりにも足りない。

ユリシーズ 文庫版 全4巻完結セット (集英社文庫ヘリテージ)

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