人物としての芥川龍之介

芥川龍之介の代表作と言えば羅生門地獄変芋粥などだろうか。そのへんは読んだことあるけれど、教養小説のような童話みたいな内容だったことしか覚えていない。僕がよく読んだのは点鬼簿という短編や、河童、歯車、或阿呆の一生、そのあたりだった。点鬼簿については何度も読んだ。狂人の母を、落ち着いて眺める幼い息子の姿がそこにあった。あの親子関係というのは一体なんだったのだろう。母親の描写が怖く、子供の頃に狂人の肉親を、それも母として持つことの意味、状況を想像した。その心境というものを。

点鬼簿

点鬼簿

 

先日、芥川龍之介について調べていた。芥川龍之介については著作を読んだことがあるだけで、作者の事をほとんど何も知らなかった。彼は一体どんな人だったのだろう。なぜ自殺したのだろう。以下のサイトには詳しく書かれており、興味深い内容だった。
芥川龍之介の青春

また、以下は自殺に焦点を置いて短くまとまっている。内容は面白かったがこのサイト自体は一体なんだろうと思わせられる。
自殺サイト 芥川龍之介・思索の果ての自殺

芥川龍之介の人生には不幸としか言いようのないことが度重なる。生まれてすぐ母親が発狂し、親戚の家に預けられる。育ての親は叔母だったそうだ。姉の一人は子供の頃に病死している。晩年には中国へ渡った際に胃腸の病気になり、下痢等が死ぬまで続く。もう一人の姉の家が全焼し、放火の疑いをかけられた姉の夫が自殺してその家族を扶養している。不倫相手の話については自業自得だとしても、かなり蝕まれていたようだ。いろいろな著者の著作を集めた全集のようなものを編成した際に文壇からこき下ろされている。

芥川龍之介はいつも孤独だった。彼自身の文書や、周りの人からの彼に対する人物評にはそうある。学校でも、世間でも、文壇でも、いつも孤独であったうようなことが書かれているのだ。一高時代や作家仲間にも親友は居たようだが、それでもやはり彼は誰とも分かり合えず孤独だったんじゃないだろうか。

ちなみに黒澤明が映画化した羅生門は、芥川龍之介の"羅生門"ではなく"藪の中"という作品が原作となっている。 

羅生門 デジタル完全版 [DVD]

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藪の中

藪の中