クーロンズ・ゲート
僕は九龍城そのものよりも先に、クーロンズ・ゲートというゲームを知った。あれは中学生の頃だった。当時友人だった同級生が持っていたプレイステーションのゲームで、ジャンルはアドベンチャーになるのか、とにかく変わったゲームだった。ソンじいさん、電脳通信、水銀屋、サンシーの瓶、ボイラー男、ストーリーもゲーム自体も中学生の僕には難しすぎたが、その独特の雰囲気は強く印象に残った。
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実在した九龍城
その後、クーロンズ・ゲートの舞台となっている九龍城が実在したということを知った。NHKかなんかの番組で取り壊しをしていた当時の映像が流れていた。雑居ビル、なんて言葉では到底追いつかない規模の違法建築と人口密度、汚さ、麻薬、そして人々の生活。クーロンズ・ゲートとは違う現実ではあるが、その怪しさはゲーム以上のものだった。僕はそれをとても魅力的に感じた。今思えば廃墟ブームの源流ではないだろうか。
ゲーム、マンガに模される九龍城
その際立つ存在感故か、九龍城をモデルにしたものはクーロンズ・ゲートのようにメインで扱っている作品以外にもいくつかある。例えば、サガフロンティアにはクーロンという街がある。そのままだ。街の中なのに敵に襲われたりする。サガフロやりたいなあ。
他にもゲットバッカーズというマンガには無限城という新宿の裏にあるという設定のスラムがあった。これはどう見ても九龍城がモデルになっていた。このように九龍城を模した無法地帯が出てくるゲームやマンガ、作品は他にもたくさんあった。FPSで九龍城に似せたマップや、セカンドライフにも九龍城を再現した街があるらしい。
九龍城を扱うサイトや本
現実の九龍城を扱ったwebサイトや本、写真集などもある。サイトに関して、僕は過去に隅から隅まで見た。写真集は立ち読みした。
九龍城に似た場所
無法地帯の代名詞みたいになっている九龍城だが、世界各国にはそういった廃墟、不法占拠や違法改築が進む大規模なビルというのが他にもあった。
ポンテシティ
南アフリカ、ヨハネスブルグにあるポンテシティは、ただでさえ危険なヨハネスブルグでも随一だと言われている。金持ちの白人向けに建てられたリゾートマンションだが、アパルトヘイトが廃止され治安が悪化したことから白人が逃げ出し、その後不法占拠が進むようになった。今もまさに生ける九龍城のような状態だ。ミハエル・ソボツキーという南アフリカ出身の写真家がポンテシティの写真集を出している。その中身の写真はwebサイトでも少しだけ見ることができる。
Ponte City (Walther Collection)
- 作者: Ivan Vladislavic,Mikhael Subotzky,Patrick Waterhouse
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Ponte City / MIKHAEL SUBOTZKY ARCHIVE
ディヴィッドタワー
ベネズエラのカラカスにある、建築途中に放棄されたタワーマンションだ。これについてはHomelandというアメリカのドラマで知った。ドラマ内では麻酔の代わりにヘロインを使っていたりする。
ウェアハウス
これは川崎にあるただのゲームセンターで危険でも何でもないが、九龍城を再現している。規模は知らないが面白そうなので機会があれば見てみたい。
九龍城の猥雑さ、汚さ、怪しい雰囲気、そして有り余る生活感、僕らは何故こういった場所に惹かれるのだろう。住みたい。しかし九龍城は既に取り壊されている。