ワンピースを全巻読み直したから考察する

ナルトが終わったついでにワンピースを全巻読み直していた。ワンピースの連載が始まった当初はジャンプで読んでおり、ジャンプを買わなくなってからもネットカフェ等で追いかけて読んでいた。ずっと読み続けていわけではなく、何度も間が空き、何年も読まなかったこともあった。最近また読み始め、今回最初から全部いっきに読みなおした。

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ルフィという非常識人

ワンピースの根幹はここにあった。いつ、どんな時でも自分の思った通りに行動する。彼は体制への反発、危険を省みること、世間の常識、自分の立場、周りの人間の立場など、余計な事情や周りの反応などは一切考慮しない。自分がどう思うか、自分がどう感じたか、自分がどうしたいか、それだけ。海賊王という自分の夢、それを支えてくれる仲間たち、世話になった人たち、憧れの海賊、傷つく人、虐げられる人、気に食わない奴、そういったものに自分を全てぶつける。彼の言うことは正論であり、それを貫き通すことにこの物語の夢と爽快感があるのだと思う。

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ロビンを追いやる世界政府に対し、ルフィは宣戦布告する(41巻参照)

One piece (巻41) (ジャンプ・コミックス)

One piece (巻41) (ジャンプ・コミックス)

 

精神力の物語

彼はいきなり必殺技が増えたり血統的な優位性が明らかになったりと、ややチート気味な側面があるものの、実は結構毎回ギリギリだったりする。マントラという見聞色の覇気を使うエネルにどうやって勝つんだろうと思っていたが、結局エネルはそのまま月に旅立った。クロコダイルには2回負けている。その2回負けている間に勝機を見出している。ロブ・ルッチにも負けている。あの最後はちょっと無理矢理感さえあった。そして黄猿、バーソロミュー・くまに追われた時は手も足も出なかった。

マンガとしての物語を描く上で主人公補正というのはどうしても出てくるが、実はワンピースという物語は順風満帆な海賊業の話ではなく、どこまで追い詰めれば諦めるか、どれだけブチのめせば相手は倒れるか、そういう逆境に立ち向かうルフィとその仲間たち、虐げられた人民たちが立ち上がる、精神力の物語だったりする。

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ナミを騙していたアーロンに対し、立ち上がるココヤシ村の住人たち(9巻参照)

One piece (巻9) (ジャンプ・コミックス)

One piece (巻9) (ジャンプ・コミックス)

 

ワンピースの世界観

ワンピースの作者は世の中に不満があるのだろうなと思う。戦争、差別、資源、兵器、組織、ワンピースのキャラクターたちは世界に対する言いようのない不満と憤りを露わにしている。シャボンティ諸島の魚人や天竜人の描き方など露骨過ぎて、あれを読んだ外国人なんかはどう思うんだろうか不安になる。ゴア王国で子供のサボが、自分が貴族に生まれたことを呪った時、現実の金持ちたちは、スラムに生きる人はどう感じたのだろう。

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グレイターミナルを焼き払う王侯貴族が、自分の出自である事を嘆くサボ(60巻参照)

ONE PIECE 60 (ジャンプコミックス)

ONE PIECE 60 (ジャンプコミックス)

 

そこには必ず力を持つ者たちの支配があり、差別があり、虐殺がある。これは現実社会も同じだ。その犠牲になる人たち、耐え忍ぶ人たち、歯向かう人たち、希望を踏みにじられ、反旗を翻す人たち。マリージョアで人種民族問わず奴隷を解放したタイヨウの海賊団、フィッシャー・タイガーなんかは現実に存在してもまさしくヒーローなのだ。僕はあそこにいたコアラが忘れられない。奴隷であったコアラがフィッシャー・タイガーに解放され、感情を取り戻し今革命軍として戦っているところには、現実にあった数々の闘争の歴史さえも思い起こさせる。

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奴隷の生き方が染み着いたコアラの感情を蘇らせるタイヨウの海賊団(63巻参照) 

ONE PIECE 63 (ジャンプコミックス)

ONE PIECE 63 (ジャンプコミックス)

 

ただ麦わらの一味は今のところそういう社会構造と無関係に己の道を突き進んでいる。この二重構造がワンピースの世界観なのだと思う。ルフィは今後も自らの意志を貫くのみで、世界を変えようとは思わないだろう。その役は革命家の父に割り当てられている。

僕が好きなのはフランキー

フランキーは麦わら海賊団の船大工という、本当は超裏方のポジションにいるはずが、意外と目立っている。まあそれを言い出せば船医や航海士、シェフも同じなんだけど、僕はあのフランキーのキャラにすごく憧れる。そしてフランキーが仲間になるウォーターセブン編がかなり好きだったりする。フランキーはその登場シーンからカッコ良かった。音楽が流れ、幕の裏でダンサーを従えダンスで登場しポーズを決めた。僕はアニメはフィルムZ以外見ていないが、フランキーというキャラクターは声優ありきで作られたらしく、その声と「アウ!」「スーパー!」といった台詞とキャラクターのマッチも絶妙だ。

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フランキー初登場!の手前(35巻参照)

One piece (巻35) (ジャンプ・コミックス)

One piece (巻35) (ジャンプ・コミックス)

 

トムさんとフランキー

フランキーは幼い頃に両親から捨てられ、魚人の船大工トムさんに拾われる。このトムさんはいつも笑っており、多くを語る人ではなかったが実に愛情あふれる人だ。海賊王の船を造ったとして捕まった時にも、その無茶苦茶な罪に対して抗議するわけでもなく夢の架け橋であった海列車が完成するまで待ってくれと主張するだけの、職人気質で筋が一本通った人だった。

フランキーが作った戦艦が政府諜報部に操作され、司法船砲撃の濡れ衣を着せられた時に

「あんなことするなんてもう、あんなのは俺の船じゃねえ」

と嘆くフランキーに対し、「俺の船じゃねえ?それだけは言っちゃいけねえ!」と鉄拳を食らわせ怒りを露わにし

「生みの親だけはそいつを愛さなくちゃならねえ!!生み出した者がそいつを否定しちゃならねえ!!船を責めるな!!造った船に、男はドンと胸を張れ!!」

わしはロジャーという男に力を貸したことをドンと誇りに思っている!!」

と言い放ち、フランキーの船を操作し彼に罪を着せた諜報部員スパンダムを半殺しにする。そして死刑執行場所であるエニエス・ロビーに連行されることになった。トムさんは自分が魚人として、海賊王ロジャーの船を作った造船技師としてウォーターセブンの人たちから迫害されながらも、自分が造った海列車による交易でウォーターセブンが再興するであろうことを喜びながら連行されていった。

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トムさんがフランキーに初めて怒鳴る(37巻参照)

ONE PIECE 37 (ジャンプ・コミックス)

ONE PIECE 37 (ジャンプ・コミックス)

 

フランキーの名シーン

フランキーは自分のせいでトムさんが死刑になることも政府のやり方に対しても納得できず暴れまくり、エニエス・ロビーへと向かう海列車を止めようと向かった。育ての親であり、造船の師匠であり、世界を一周した海賊王の船や海列車も造った憧れの存在でもあったトムさんが死刑になることに我慢がならなかった。トムさんを連行する海列車の前に「止まれ!!海列車!!」と叫びながら立ちはだかり正面衝突して吹っ飛んでしまうシーンは僕の中に強く印象に残っている。

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トムさんを連行する海列車の前に立ちはだかるフランキー(37巻参照)

Portrait.Of.Pirates ワンピースシリーズNEO-2 フランキー

Portrait.Of.Pirates ワンピースシリーズNEO-2 フランキー

 

その他の名シーン

ワンピースの名シーンはたくさんある。空島過去編の「鐘を鳴らして君を待つ!!」も僕は好きだ。アラバスタのペルが爆弾を掴んで飛ぶシーン、ビビと別れる際に仲間の証である左手を全員が掲げるシーンなども有名だ。みんなそれぞれ思い入れのあるキャラクター毎に名シーンはあるだろう。考察は中途半端になったが、ワンピースが好きな人はどのシーンが好きか教えて欲しい。

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大戦士カルガラとノーランドが、別れ際に和解するシーン(31巻参照)

One piece (巻31) (ジャンプ・コミックス)

One piece (巻31) (ジャンプ・コミックス)