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キューバ旅行記5日目⑫「最後の晩餐」

前回の続き

再び中央駅へ

約束の2時の10分前に駅についた。駅の周りや構内を歩き、友人がまだ来ていないことを確認すると駅の前に座った。そこにはサイドカーが並んでいる。僕はそのうちの一つを写真に撮った。キューバの車はクラシックカーが多いけれど、バイクに関しては新しいもの、というよりよくわからない物が多く、日本車はほとんど見かけなかった。

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ホテルに泊まっている間、深夜に腹が減ることが多い。深夜となるとさすがに閉まっている店が多いため、夜食を買っておこうと思った。駅の構内では売店のように、電車に乗る人が電車の中で食べる用のお菓子などを売っていた。僕はそこで、袋に入ったビスケットを買った。10人民ペソ(約50円)。食べてみると若干湿気っている。味は普通。

午前中の報告会

友人が到着し、お互い今日の報告をしていた。僕はまたジュース屋に訪れた事や、撮った写真を見せたりしていた。友人は2日目に行った、チキンが乗ったライス屋を再び訪れており、それがうまかったのと、その隣で売っていたサトウキビをその場で搾ったジュースを絶賛していた。暑かったため、僕らはビールを飲もうということになりそのまま海岸沿いを北上した。倉庫の土産物屋街近くの売店でビールが売っていることを友人が知っており、そこで買ったビールはスペインのビールだった。1.3CUC(約160円)。僕らは近くにあるベンチに座って飲んだ。そこでまたお互い他愛のない話を繰り広げた。友人は明日にもう帰る。僕はあさって。出国税の話や残金がいくらか、両替所を使うよりもATMを利用したほうが安いんじゃないか、など。友人ももう残金が尽きていた。

倉庫でおみやげを買う

もう特に行きたい場所もなく、近くの倉庫の土産物屋街に寄った。そこは店がひしめき合っており、各店舗の客引きもすごい。みんな接客用の英語を話す。トイレも両替所も完備しており、売る側としては本気だ。そしてその分だけ観光客が沢山いる。売っているおみやげは、絵や楽器、置物、かばんなど、特に定番の土産物が多い。倉庫の前には客待ちのタクシーや観光バスが停まっている。僕らは互いにどれだけおみやげを買うかなんて考えておらず、もう帰る間際だからとりあえず買うなら買う、見るだけなら見るという形で中を見て回った。僕は誰に向けるわけでもなく、いかにもショボイ革で出来たポーチを購入した。買う相手を想定していなければ、何を買っていいかもわからない。金額は5CUC(約600円)。おみやげとしてはこれぐらいでいいだろう。友人もついでに何か買っていた。別々に見て回っていたため何を買ったのかは知らない。

僕らが買い物を終えていざ外へ出ようという時に、結構な雨が降っていた。僕はカメラを持ち歩いていたから、倉庫の中で雨が止むのを待った。その間、ベンチに座っているキューバ人と少し話したりもした。向こうが英語を少し話せたから会話になった。彼は見るからに若かったものの「あれが僕の妻だ」と言って、土産物屋で働いてる女性を指した。こっちでの結婚は早いのかもしれない。友人にその話をすると、メキシコかどこかも早いと言っていた。国民性だろうか、宗教上の理由だろうかわからない。

感慨に浸る

キューバへ来てから初めて本格的に降っている雨に遭遇した。30分以上待ったが完全にはやまず、小雨になってきたところで僕らは倉庫を出た。雨から守るためカメラをシャツの内側に隠し、このままでは不便だから一度ホテルにカメラを置きに帰ってもいいかと友人に聞いて、僕のホテルを目指すことになった。途中で子供がチュロスを食べているのを見かけた。友人が近くの人に

「チュロスはどこで売っているの?」

と聞いたら、すぐ向かいの露店だった。僕も友人が買った物を摘んだが、2日目に別のところで食べたものより量も味もよく、やはり現地の人はどこがおいしいのか知っている。

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そして僕らは初日に音楽の演奏をがあった建物の前を通りかかった。あれから4日経ち、僕らはもう道に迷うこともなくなった。あの時は何もかもわからず、不安と好奇心でいっぱいだったことを思い出す。友人はお金をたかられたものの、音楽の演奏は確かに良かった。僕らは互いにハバナの街に慣れてきているのを実感した。帰る間際になってやっと。

僕のホテルに辿り着くと、二人共少し寝た。一人で予約したがベッドは二つある(僕らが互いに違うホテルを予約することになった経緯はこちらを参照ください)。

念願のバーへ

1時間ほど寝ただろうか、時間は夕方5時頃。食事をとろうということで、再びホテル近くのピザ屋を訪れ、以前と同じピザを食べた。僕らはこっちに来てからというもの、同じものばかり食べている気がする。僕は食事について基本的に「食べられたらいい」というぐらいしか考えておらず、友人については「美味しいところに通い詰めたい」というスタイルだから、お互いそれでよかった。その後ピザ屋の近くにあるバーに寄ってみようということになった。ここには3度ぐらい訪れたが毎回二人分の席が空いておらず、今まで一度も飲むことができなかったが今日は空いている。初めて席についた。と言っても、ただCrystalビールを一杯飲んだだけ。酒屋で買うより高く、1.5CUC(約180円)。バーの壁には古いレコードが飾ってあり、客が残したであろうメッセージがチョークで書き殴られていた。中には英語のものもあったが大体はスペイン語、さすがに日本語はなかった。

ケーキ屋へ

食事をとってビールも飲み、二日目に食べたサンドのアイス屋を探そうということになった。僕もあれ以降探したけれど、やっていないのか見つからなかった。僕たちは大体の場所を把握していたから、そのあたりを歩き回った。博物館なのか、戦車や戦闘機が展示されているその近くだ。近くの宿泊施設に場所を聞いたりもしたがとうとう見つからなかった。僕らはアイスを諦め、たまたま近くにあったケーキ屋に入った。キューバでケーキを食べるのは初めてで、僕はパイ生地のもの(5人民ペソ約25円)を、友人は何故かパスタの入ったデザートとカップケーキを買って食べた。僕が食べたパイは普通だったが、パスタのデザートは、なんというかマカロニサラダみたいな味だった。カップケーキはクリームではなくメレンゲでできており友人も

「そらキューバ人太るわ」

と言っていた。

念願の豆ソース

僕らはその後も行く宛がなく、またチャイナタウン近くのライス屋へ行った。僕らはまだ豆のソースを一度も食べていなかった。店に着くと、なんと今日はまだ売り切れていない。「よっしゃ」と僕らは喜んでいた。帰る前に念願がかなったのだ。友人は魚のフライを頼み、僕は今まで食べていないのを頼みたかったがメニューが読めず、おばさんに

「前に魚を食べて昨日はレバーを食べたけれど他に何があるの?」

と尋ねた。

おばさんはポークやなんやかんやがあると言っていたが、僕はポークでよかったからそれを頼んだ。

「まだ米が炊けていないから時間がかかるけれどいいか?」

と聞かれたが、僕らはもうキューバで待つことに慣れていた。そして思ったほど時間もかからなかった。これは僕らの感覚が変わったのか、それとも本当に早かったのか。僕らはそれほど空腹ではなかったものの、初めて食べる豆のソースに満足していた。

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腹がいっぱいになり、時間はまだ9時半頃だったものの、僕らはチャイナタウンで解散することにした。共に過ごした一週間、些細な揉め事や少し怖いことはあったにしろ大事はなく、社会主義のユートピアという認識しかなかったこのキューバという土地を存分に楽しめた。一人では行かなかったであろう場所にもたくさん足を運んだ。また、本当に二人でよく話した旅行だった。僕らは同級生とは言え、今までお互いのことをそこまで知る機会はなかった。またすぐトロントで会うことになるだろうが、しばしのお別れということで握手をした。トロントに帰れば−10℃の冬が待っている。

次回、キューバ旅行記6日目「天国への扉を叩く」へと続く

※電子書籍にまとめました。タブレットやスマートフォンのKindleアプリで読めます。

記録キューバ旅行

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