モロッコ人からコンタクトが来た

全く知らない人からコンタクトが来た。よくわからないんだけど、モロッコ人?で日本に興味があって日本のことが知りたいという21歳の女の子。なんで俺?たまにそういうよくわからない申請がfacebookで来たりする。「知り合いかも?」って出てくるやつ。ほら「僕は世界中に友だちがいるからさ」って言いたいけれど実際は語学学校にいた時に片っ端から友達登録しただけの人やカウチサーフィンを受け入れていた時に泊まりに来た人だったりするだけ、友達の友達とかがつながって、こういうことがある。

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彼女はモロッコ人に韓国人の血が混ざったクォーターみたいで、今大学生。来年はカナダへ来るんだとか。来年もう俺いないけどね。で、なんか日本の歴史とか詳しいみたい。ひらがなカタカナ程度ならわかるとか。僕らは英語で会話しているんだけど、彼女の第一言語はフランス語、話せるのは韓国語とアラビア語とスペイン語ともちろん英語。なんじゃそりゃ。カナダへもマスターを取るために行くそうだ。頭の出来が違う。21歳でマスター、そんな歳か。経営学をやってるとかってバリバリじゃんか、MBAじゃんか。

そんで俺に色々聞いてくるわけよ。仕事はなにしてるんだって、いや辞めたよって、今はカナダに居るんだって。結婚しているのか?趣味は何だ?って、まあそういう感じになるんだろうね、初対面の会話って。対面してないけどね。そんで彼女はピアノをやるとか、旅行もそうだし踊ったり歌も歌い、演劇もして本も読むそうだ。お嬢か。おお、君は色んな才能あるんだねえ、なんて僕は返すんだ。僕にはそんな趣味ないからさ。

「自分は古臭い人間だって、言われる」だってさ。どういう意味かって聞いたの、じゃあなんかカントリー音楽とか好きだったり、伝統を重んじるからだって、そんな女いるかよ。僕が

「それって民族衣装とか着るの?」

とバカにしているように聞こえるかどうかギリギリのボケをかました。

「たまにね。でも服の話をしているんじゃなくて、自分の精神の事を言ってるの」

「いや、今のはジョークのつもりだったんだよ。本当に着てるとは思わなかった。でもそれなら見てみたいよ、どんな服なの?」

などと返答すれば写真が送られてきた。モロッコの民族衣装というか、黒いドレスだ。化粧もばっちりしている。顔はイタリア人っぽい。もう一枚チマチョゴリの写真も来た。こういうの、正直なんて返せばいいのかわからなくて

「別人みたいだねー」

みたいにてきとうなことを返していた。

「日本人男性はシャイって本当なの?」

「まあそりゃそうなんじゃねえの、俺みたいに」

と答えたら「おい!」と突っ込まれた。

「シャイな人はかわいいんだけど難しいよね」

って言うから「何で?」って聞いたら

「だってシャイな人だとアプローチしにくいじゃない?」

って言われた。いや、そんなことはないだろ。

「別にシャイな人でも普通に友達としては接することができるよ」

「じゃあどうやってデートとか誘うの?」

「僕は外国人と付き合ったことないけど、日本人同士だったらなんとなくわかるんだよ。それで友達を誘うように食事に誘ったりする」

「だから難しいんだ。私は日本人男性の心なんて読めないから」

「僕は好きだよ。ほら、」

って笑って返したら

「むかつく!」って言われた。

「でもそうなったらラッキーだね」

「何の話?」

「誰か見つけられたら、って話」

「僕ではなくて?」

「あなたに決まってるでしょ!(笑)」

みたいな感じで

「じゃあもう見つけちゃたね!」

とか、なんだこれは、これが劇か。

「まあとりあえず、日本語習いたいんだったら、助けるぐらいはできるよ」

「ほんとに?!ありがとう!なんて親切なの!」

「いや、俺まだ何もしてないよ」

って返すと「それでも。」って。

「今こうやって話しているだけでも楽しい」

「僕はただ日本に興味持ってくれているのが嬉しかったんだ」

「そうね」

「あと、君が面白いからね」

「ありがと(日本語)」

「どういたしまして(日本語)、僕らはほら、誰かが自分の国に興味を持っていてくれたら、それだけで特別だって思うだろ?」

「そうね。誇りに思っているから」

そんなこんなで彼女はもう寝るということだった。時差があるから。

 「また明日!良かったらいつでも連絡してね」

「それじゃあいつもだね!」

「いいよ。またね!」

「とにかく面白かったよ、話してくれてありがとう」

「私も。」

という感じで会話は終わった。何やってるんだ俺は。