24・25日目、ラバトを歩く

前回の続き

モロッコ最終日はラバトに行った。さすがにシャワーのない部屋に何日も泊まるのは厳しく、ネットでラバトの宿を探した。あまり安いのがなかった。特にドミトリーが出てこない。もっと時間をかけて調べればよかったんだろうけど、僕はもうBooking.comにあった普通の宿を予約した。この旅行で初めて泊まる一泊5,000円ぐらいの普通の宿、今までの旅の疲れもあり一泊ぐらいならいいだろうと思った。

 

ラバトのホテルへ

120ディルハムの宿を離れ、電車に乗りラバトへやってくるとまず宿の場所を探した。でかい荷物を背負っているためこれを置かないことには話にならない。しかし、宿を探すのはかなり困難を極めた。ラバトに限らずモロッコの街は道路の名前が全然書いていなかった。僕はいつも地図を見るときに道路の名前を確認しながら歩くため、これができないとなると目的地にたどり着くのが非常に困難になる。方角さえもわからず、僕は道行く人に道を聞きまくっていた。これは何もモロッコに限ったことではなく日本でもよくあることだけど、基本的にみんな地図が読めない。だから地図を出してここに行きたいなどと言っても解決しないことが多い。あと、やはり英語が通じないことには意思疎通がかなり困難だった。しかしここラバトでも何人かは英語を話したり、英語が話せる人を見つけてくれたりと、人々はみな基本的に親切だった。

1時間以上さまよって僕は宿を見つけた。その道中にユースホステルがあり、失敗したと思った。ここに泊まればよかった。ベッドが空いているかどうかわからないけれど、今回泊まるホテルよりは確実に安かったはずだ。もう予約して、しかもキャンセル料までかかる今回のホテルに泊まらないわけにはいかず、僕は部屋に通してもらった。今回の旅行で初めての普通のホテルだ。ポーランドのクラクフではカウチサーフィン4泊、ワルシャワでは10人部屋ホステル2泊カウチサーフィン1泊、サラエボでも6人部屋のホステル5泊、モスタルも3人部屋のホステル2泊、ドゥブロヴニクは10人部屋のホステル4泊、モロッコに来てからの2日はホテルだったけれどトイレは共同でくみ取り式、シャワーもエアコンもない一泊1,500円の部屋、ここはエアコンもシャワーもトイレも全て部屋にある。Wi-Fiもありテレビまでついている。僕はこの一泊でゆっくりと休もうと考えていた。クソ暑い中ここまで来るのにバックパックを担いで1時間以上さまよった上に2日シャワーを浴びていなかったためシャワーを浴び、体を洗い、ラマダンのため外食はできないから近くの飲食店や売店のようなところで水や飲み物、食べ物を買い、部屋へ持ち込んで食べていた。イスラム教の国だから酒はダメで、でも旅行者向けに多分探せばあるだろうけど、めんどうだった。

ラバトの街へ

夕方になってから、僕は街の方へ出かけた。モロッコにおいてまだ観光らしき観光をしていなかったため、そういう場所に出かけようと思った。特に見たい場所があったわけではなかったけれど、建国の父ムハンマド5世の墓がすごいということだったため、そこに向かってみた。

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閉まっていた。

「明日こい明日」

と言われているようだが英語ではない。僕は「明日何時から何時まで開いているんだ?」っていうことを必死で聞こうとするが伝わらない。この時夕方5時だったから、明日はもうストックホルムへ飛ぶ日でそんな遅くにはならないだろう。僕はその帰りにメディナを通った。これほど人が多く混み合ったメディナは僕にとって新鮮すぎて、はっきり言って少し怖かった。少しだけ映像があるから、それを載せておく。これは全然人が少ない入り口で撮ったもの。

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メディナを歩き、ホテルに戻って少し休んだ。その後夜にもう一度、少しだけ外を歩いた。

バス停の場所

次の日、今日はもうモロッコを離れる日だ。まず、空港までのバスの行き方を確認しておこうと思った。ラバトの街から空港まではシャトルバスが出ている。そのシャトルバスの停留所というのを確認しておきたかった。僕はホテルに荷物を預け、ラバトの駅に向かった。事前にネットで調べていた情報によると、バス停は駅のすぐ近くにあるそうだ。Googleマップで「airport buses」で検索すると停留所の場所が出てくる。

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僕はバス停の位置を確認し、ちょうどバスが停まっていたためバスの運転手にタイムスケジュールを教えて欲しいと言うと、時刻表を見せられた。見ても理解できなかった。

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モロッコ人の若者再び

場所はわかったため、次に僕は昨日見損ねたムハンマド5世の墓へと向かった。バス停からは結構距離があったけれど、時間もあるため歩いて向かった。その途中、道を歩いていると公園のようなところから声をかけられた。カサブランカからの帰りの電車の中で会ったホームレスの若者だった。

「ヘイ!なにしてるんだ?」

「ハッサンタワーへ向かおうと思っている。そっちはこんなところで何してるんだ?」

「何も。ただこうやって休んでいるだけだよ」

僕は彼らの方へ向かった。

「あの後大変だったんだよ。結局駅員に見つかってね、1時間以上帰してもらえなかったんだ」

「そりゃあ気の毒だ。今日なら水持ってるよ」

「今は別にいらない」

彼らは何人かの仲間と一緒に公園に集まっていた。皆ムスリムではない仲間で、音楽で覚えたという英語は時々何言っているのかわからなかったけれど、なにやらyoutubeにビデオを載せているとかなんとか言っていた。

「写真撮ってもいいか?これは僕の趣味みたいなもんなんだけど」

「いいよ」

僕は何枚か写真を撮らせてもらった。

「メールアドレスはあるか?後で写真送るよ」

「ここに打ってくれ」と言って僕は彼に携帯を渡した。

「じゃあ、今度こそ地獄で会おう」

僕は彼らと別れ、ムハンマド5世の墓まで歩いた。

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ムハンマド5世の廟

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墓に入ると写真を撮っていいものか戸惑っていたけれど、他の観光客のヨーロピアンが撮っていたため僕も便乗して写真を撮った。

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少し経つと、時間だから出てくれと全員が追い出された。よくわからない。隣の建物はモスクだったのか、お祈りをしていたらしくたくさんの人から中から出てきた。ハッサンタワーは工事中らしく、足場が組まれており写真を撮ることはしなかった。モロッコでの短い滞在は実質これで終わった。

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次回、25・26日目ラバト→バルセロナ→ストックホルム