使い古された言葉

専門用語のように見える使い古された言葉を、意味も由来もよくわかっていない自分が日々使い続けることに違和感がある。どういう言葉かというと、承認欲求、自己顕示欲、プラシーボ、価値観の違い、思考停止、などなど。これらは状況を一言で表せるような便利な言葉であり、あらゆる場面においてよく利用されるが、それらを見た瞬間にもう読む気をなくす。

これら全てが自分の言葉ではなく、誰かの言葉だ。自分の意見を述べるときにこれらの言葉を拝借してしまうと、その瞬間に全く中身の無い意見になってしまう。これらの語句を含んだ瞬間にもう自分の意見ではなくなり、誰でも言えるどこにでもある意見と化してしまう。それはもうどこかに既に存在する言説であり、何かにその言葉を当てはめただけの二番煎じであり、その言葉に乗っかっただけのどこにでもある誰でもない人の意見になる。それを敢えて自分の言葉として述べることに意味が見出せない。使えば使うほど、その意見から自分の存在は薄れてしまう。自分の言葉で書きたい。