旧約聖書に出てくる性的エピソード

先日まんがで読破の聖書を読み、その後PDFの聖書を手に入れたものの信仰していないことやその古めかしい言葉遣いなどもありどうしても読む気になれず、結局Kindleで聖書の解説本を買い、読んでいる。僕は聖書に書かれている内容そのものよりもどちらかというと、それがどういった歴史的経緯で書かれたのか知りたかった。その点においてこのわずか100円の本は、100円にしては全然良い。内容がどの程度しっかりしているかちゃんと検証しているわけではないけれど、聖書に書かれている内容の時代について、その周辺国の動向や歴史的事実との照らし合わせなど、まさに自分の希望していたものに合致していた。今回はその本に詳しく書かれていた内容ではないんだけど、軽く振れられていた旧約聖書に出てくる性的エピソードを3つ抜粋する。 

ロトと2人の娘

旧約聖書で有名なソドムとゴモラの話だ。アブラハムの甥であるロトは腐敗した街ソドムに住んでいた。ソドムを滅ぼすか否か判断するために神の使者がソドムに向かう。結局ソドムは滅ぼすという判断がくだされたものの、神の使者を助けたロト一家はソドムから逃してもらえる。逃げる過程で絶対に振り向いてはいけないと言われていたにもかからず振り向いてしまったロトの妻は、塩の柱になってしまう。

それからロトは二人の娘と洞窟に住むが、ロトの血が絶えることを心配した娘二人がロトを酒に酔わせて近親相姦し、ロトの二人の娘からはロトの子であり孫が産まれる。彼らはモアブ人、アンモン人の祖となっている(創世記19章・図解 聖書P53及びWikipedia参照)。ここ、聖書に載せる必要ある?現代日本人の感覚ではちょっと理解できないこの近親相姦の描写。西洋絵画においてもかなり変態的に描かれている。

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lot daughters - Google Search

ロト (聖書) - Wikipedia

また、この聖書におけるロトの記述においてある仮説を立てているブログがあった。そこに書かれていた内容は、

  1. ロトは最初から近親相姦をしていた。
  2. 振り返ると死ぬと言われて娘との近親相姦に邪魔な妻をお払い箱にするチャンスと思い妻を振り返らせ柱にして葬った。
  3. これで娘二人と水入らずで近親相姦できると思いガンガンやったら子供ができた。

聖書と近親相姦|ぽむの謎世界

尚、神が人間に「近親相姦はだめ」って律法を与えたのはこのロトの出来事よりずっと後のことであり、この時点では律法なんてなかったから聖書上で矛盾でもNGでもない。それにしてもこんな内容が堂々と出てくる。

息子の婚約者だったタマルを孕ませるユダ

ユダっていう名前はイエス・キリストを裏切った弟子が有名だけど、本当にたくさん出てくる。ここに出てくるユダはぞれよりもずっと昔、イスラエルという名を神から授かったヤコブの息子、ユダ。このユダよりも一般的には息子のオナンがオナニーの語源ってことで有名だ。今回はその話がメインではない。ユダには3人の息子がおり、長男の嫁にタマルという女性がいた。長男はタマルと子供が出来る前に死んでしまう。次男であるオナンの元へ、兄嫁だったタマルがお下がりで嫁に来る。オナンはタマルとヤっても膣外射精を繰り返すことで語源となり、神の怒りに触れて死ぬ。三男はまだ幼く、ユダは「三男が大人になったらタマルを嫁に迎える」と約束したが守らなかった。

兄の嫁として嫁いだが、兄が亡くなって弟の嫁になるというケースは家父長制の強かった戦前の日本などでも一般的だった。しかしここからが変だ。親父であるユダは、三男の嫁にタマルを迎えるという約束を破った。そこでタマルが起こした行動とは、旦那だった男の親父であるユダに娼婦のふりをして近づき、妊娠してユダの子供を産む。なんじゃそれ意味不明。ここ、聖書に載せる必要ある?(創世記38章・図解 聖書P63及びWikipedia参照)

タマル (創世記) - Wikipedia

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オヤジ、聖書の中で堂々と女買ってんじゃねえよって思うかもしれないが、聖書やキリスト教の世界で娼婦とか買春っていうのはNGではないらしい。売る方はNGらしい。よくわからん。あとタマルなにがしたかったん?金のためだとかイスラエルの息子ユダの家系に入りたかったとか、検索したらそんな話が出てくる。ちなみのこのユダとタマルの子がイエス・キリストの先祖にあたります。

イスラエルの民が別の神を信仰した理由

旧約聖書では、イスラエルの民がヤハウェ以外の神を信仰して怒った神の裁きを受けるというシーンが何度も出てくる。本当に数えきれないぐらい出てくる。そんなにすぐ無視される神ってなんなの?という話はさておき、今回は士師記のギデオンの章において、イスラエルの民が異教の神を信仰し、神が怒ってイスラエルの民にミディアン人をけしかけるという話がある。この異教の神というのがバアル神という神らしい。イスラエルの民があれだけ世話になったヤハウェを差し置いて、バアル神を信仰した理由とは。図解 聖書に書かれていたのが「女神との性的交渉が豊穣を保証するという観念がイスラエルの民に親しまれたため」ってなんじゃそれ。(士師記6章・図解 聖書P88及びWikipedia参照)

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ギデオン - Wikipedia

カナンの土着の宗教 - 牧師の書斎

そういうのを信仰に持ってくるなんて、今やるとただのカルトだ。それにしてもイスラエルの民は正直すぎるやろ。理由の部分については図解〜に書いてあっただけで他にはっきり書かれた本などの根拠は知らない。

こういうのがわんさか出てくる旧約聖書。時代や国、文化が違う彼らは別にこれを恥ずかしいとも恥とも思っていない。むしろ信仰の対象となる聖書に出てくる。旧約聖書とイスラエルの民、ちょっと僕には理解できません!(まあ…古事記とかもそんな話たくさんって聞いたことあるから他所の国のことは言えないか。)

図解 聖書 歴史がおもしろいシリーズ

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