今週のお題で真っ先に思い浮かんだ場所

今週のお題「今年見に行ってよかったもの」

このお題で真っ先に思い浮かんだのはアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所だった。「よかった」というのは少し変だけど、元々存在を知っていた場所であり、現地を訪れ新たに学んだことは実際のところ無い。ガイドも付けず、日本語の説明があるわけでもなかったから、知識を得るのであれば本を読んだ方が簡単で安く充実しているだろう。現地を訪れることで得たのは、ある種の感覚だった。実感と言えばいいだろうか。こればかりは本を読んでも写真を見てもビデオを見ても、現地を訪れて得るものとはまた違ってくる。知識ではない。空気を知るという、知覚と呼べるかもしれない。現地の感想については写真も添えた日記を書いており、そちらに詳しい。

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今年見に行ったもの、というのは実際はかなり多い。多くの国を訪れ、場所を訪ね、それはただの観光地だけでなくそこにある日常の景色や、ミュージアムなどにも出向いた。スポーツやイベントのようなものには関心がないから一つも見に行っていない。印象深かった場所、見に行ってよかったものというのは他にもたくさんあった。ハバナの街の様子、ワルシャワ蜂起博物館、サラエボの以前と今を比べる写真、映像、スレブレニツァ、ドゥブロヴニクで味わった開放感、ラマダンの雰囲気、洗練されたストックホルムとフォトグラフィスカ、久しぶりの東南アジア。

ビルケナウを第一に挙げたのは、いろいろな物事を考える上においてビルケナウの印象というのがよく思い起こされるようになったからだった。先日放送された新・映像の世紀を見ていてもビルケナウの事が頭をよぎった。現地を訪れた時点では知らなかった、JPモルガンの逸話などを見ている時に最終的に帰結したイメージがビルケナウだった。

現在は来年の旅行計画を立てており、イスラエルに向かうことが決まっているんだけどそこでもやはり、ビルケナウの印象というのは外せない。シオニズムやイスラエル建国と、ナチスによるユダヤ人絶滅計画は直接関わっていない。それでもやはり、考えているとどうしてもビルケナウの印象がよぎる。僕はそこにナチス・ドイツの大虐殺や国家的大罪というよりも、ユダヤ人迫害の象徴を見ているのだろう。 

余談だけど、今年は生まれて初めて1日たりとも日本にいなかった年となった。