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17日目 ギリシャ、アテネへ

前回の続き

アテネへの旅行というのはついででしかない。もっと言えばこれまで緊張と過酷の旅行から開放された休憩の場としてアテネを選んだ。旅程を組む際に、イスラエルの次はどうしようかという話になり元々イランなどを検討していたが飛行機代が高く、飛行機が安い場所を探した。すると距離的にも近いトルコとギリシャが6,000円台で候補に挙がった(今検索したらルーマニアとかも安い)。トルコとギリシャはかなり迷ったが、モロッコ、ヨルダン、パレスチナと散々アラブ圏を回った後のトルコはさすがに飽きるだろうということで旅行自体も楽そうなギリシャにした。行き先を決めた後、トルコでは旅行前や旅行中に度々テロが起きるという偶然もあった。

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さて、ギリシャのアテネを選んだはいいが、休憩のために立ち寄るだけだから特別見たい場所やプランがあるわけではない。しかも冬だ。時間とお金に余裕があり、季節が夏であれば離島なんかに足を伸ばすんだけど今回はそういう機会ではなかった。とりあえずイスラエルのベングリオン空港からアテネの空港へと降り立つ。朝の9時頃、降り立ったはいいものの市街地までどうやって行こうか、行き方がわからない。Googleのルート検索によれば地下鉄に乗るのが一番簡単そうだが、どこから乗ればいいのかわからない。鉄道の駅はあるが、それがこの地下鉄を指しているのかわからない。そして文字が読めない。ギリシャに来て一番最初に苦労したのが、このアルファベットではないギリシャ文字による表記だった。駅名なんかを調べるのはただ書かれている文字が同じかどうか確認すればいいだけなんだけど、このギリシャ文字にも大文字と小文字があり、最初それらの語句が同じ単語を指していることに気づかなかった。

やはり空港近くの電車の駅というのは一つしかなく、そこで切符を買って(一人€10だが二人€18という割引がある)電車に乗りアテネ市街地へ向かった。電車に乗っているとアコーディオンの音が聞こえる。最初は車内アナウンスか何かかと思ったが、その音はどんどん近づいてきた。いわゆる路上ミュージシャンならぬ車内ミュージシャンだ。そういうの、他の国ではギターか何かでやっていたような気がする。ニューヨークだとラップだったり地下鉄車内のポールで踊ったりして乗客から金を集めるというパフォーマンスが有名だ。しかしここアテネでは「アコーディオン」。そしてこのようなアコーディオンミュージシャンはこの後アテネ市内で何度も見かけるのであった。大人も子供も老人もアコーディオン、何故彼らがアコーディオンを選ぶのか。アコーディオンの歴史を見ても特別ギリシャと関わりがなかった。全然意味がわからない。それともギリシャとは関係なく、ロマか何かと関わっているのだろうか。

空港からアテネ市街までは40分ほどで着く。そこからいつも通り、印刷していた地図を見ながらホステルまで歩く。アテネ市街地の印象はとにかく「汚い」だった。よくローマやパリが実際は汚くて印象と違いがっかりするという話がある。それと同じかどうかはローマにもパリにも行ったことがないためわからないが、アテネの汚さというのは落書きの汚さと、建物のボロさにある。それは歴史的建造物が時を経た綻び、なんていうものではなく単純にボロくて汚い、情緒も趣もなにもない汚れそのものである。ちょっと言い過ぎではないかと思うかもしれないが、それぐらいの印象しかなかった。

アテネの人々については、地理的に古来からいろいろな人種が行き来しているらしく多様性がある。同じヨーロピアンであっても今まで見た人たちとはまた違った独特の顔をしていた。はっきり言うと、その造形があまり美しく感じない。これは単に感覚の話だから意見は分かれるだろうが、ポーランドもイスラエルもスウェーデンも美人が多いと感じた僕の感覚では、ギリシャ人に美人とかかわいいとかっていう感情はあまり感じられなかった。初っ端からけなし放題だな、ギリシャ。でも僕は別にギリシャが嫌いなんていうことは全く無い。二度と行きたくないなんていうことも全く思わない。

けなしついでに、アテネは老人ばかりだった。老人、もしくは中高年が街に溢れかえっており、若者をあまり見なかった。ギリシャも日本と同じく高齢化が深刻なのかと思って調べたら、ギリシャの高齢化率は世界4位だった。なるほど深刻だ。ちなみに1位は日本です!!日本も街を歩いていれば年寄りしかいないと感じるが、ギリシャでも同じように感じたのには何か理由があるのだろうか。高齢化率が高いと言っても4位であり、日本ほどではない。若者が少ない理由はおそらく、数少ない若者がギリシャを離れていっているからではないだろうか。ギリシャの高失業率は世界的に有名であり、いわゆる破綻国家だ。ギリシャの失業率は2016年時点で24%、25歳以下の若年層にあたっては48.9%となる。EUという共同体に属しており陸続きで若くて言葉の壁を越えられたらそりゃあこんな仕事の無い国には残らないだろう。だから国に残っているのは中高年ばかりなのではないか、という想像をしていた。

ヨーロッパの失業データ(月単位) - Google Public Data Explorer

ホステルに着いて荷物を預け、昼が近かったため近くのカフェで昼食をとる。ここはwi-fiが有料で驚いた。いまだにそんなところがあるんだ、しかもヨーロッパで。昼食をとりながら今日はとりあえずどうしようかという話をしていた。前日がテルアビブでの空港泊で実際に寝たのは2時間ぐらい、既に疲れ果てている。さらっと近場を一ヵ所だけ見て早目に寝てしまおうということになった。行く場所として選んだのは、考古学博物館、そこまでの道のりを歩く。街を歩いていると、鳩が多いことに気づく。道路の間にある公園ではないベンチがあるようなスペースでは、老人がうれしそうに鳩のエサをばら撒いている。日本で鳩は一部害獣として扱われ、特に街や建物なんかに対するフンの被害で嫌われることが多いが、ここアテネにおいてそういう発想は全く無いようだ。鳩はめちゃくちゃ多い。フンで汚れようと、ギリシャ人たちは大歓迎している。なんなんだこいつら。もしかするとペストと猫のように歴史的経緯があるのかもしれない。Wikipediaによれば「ギリシア神話においてハトは、愛と美の女神アプロディーテーの聖鳥とされていた」だそうだ。へえそうなんだ。

鳩 - Wikipedia

もう一つ気づいたのは、バイクが多い。イタリアでもバイク乗りが多いという話は聞いたことがあり、ここギリシャにおいても多く感じる。バイクはもちろん日本車が多い。今まで住んでいたカナダやオーストラリアは車社会でバイク乗りもいるにはいたが、趣味の範囲であまり多くはなかった。国土の広さが違うという面もあるかもしれないが、今まで訪れた他のヨーロッパ諸国においてもあまり多いと感じたことはない。理由は気候とかそういうのがあるらしい。

考古学博物館は、我々が無学すぎてよくわからなかった。考古学どころかギリシャ神話、古代ギリシャ史についても疎く、自分にはもったいなすぎる場所だった。そういう学がある人ならきっとヨダレを垂らして喜んで見て回るような場所のはずなのに、この時は本当に自分の無知無学が情けなくなった。これがまだ地元ならいつでも取り返しがきくんだけど、ギリシャまで来てこれだから残念でしょうがない。せいぜい石像などを見て「この当時から凄い表現力だね」などと言う程度だ。その日は考古学博物館から帰り、ホステルでチェックインを済ませてから寝た。夜は近くのパン屋でパンを買い、コンビニで水を買ったのが夕食。

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ギリシャなのに晴天に恵まれなかった

次回、18日目 パルテノン神殿へ