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バイロンベイ、ニンビン、サーファーズパラダイス①

ワーキングホリデー 旅行

2016年3月、直前に20日間という短い期間でスペインやモロッコ、イスラエルなんかを周る旅行を終え、燃え尽きてしまった。そして何事もやる気が起こらない状態でオーストラリアに戻ってきた。気分が乗らない。家のないこの国で引きこもることもできず、路上生活の気概もない。オーストラリアに滞在できるビザはあと3ヶ月残っている。お金も少しだけ残っている。やることはない。旅行を終えたばかりではあるが、また旅行感覚で移動してみようと思った。去年オーストラリアのパースに来て、2ヶ月間ダラダラ過ごした後に近郊の農場で5ヶ月働いていた。オーストラリアはパース近郊しか知らない。それ以外には3年ほど前に3日間ケアンズにいただけ。オーストラリアという国についてそれほど関心があるわけではないにしても、今回ワーキングホリデーで来てさすがにそれだけで帰るのはどうかと思った。日本に帰るまでに、シドニーなどの有名な街がある東海岸の方へ寄っておこうと思っていた。この機会に行ってみるのもいいかもしれない。オーストラリアで有名なのは海や動物、エアーズロックなどの自然公園といったところか。うーん、やはりどれも興味が無い。行き先を決められないでいると農場で一緒に働いていた人は「バイロンベイが良かった」と言っていたからとりあえず行ってみることにした。

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バイロンベイへ行くにあたりもっとも標準的なルートは、ゴールドコースト空港からシャトルバスで行くことだろう。それ以外にはバイロンベイの近くにバリナ空港というのがあり、シドニーから国内線が飛んでいる。僕はその時パースにいたからパースからゴールドコーストまでの航空券を買い、まずゴールドコーストへ向かった。ゴールドコーストは空港に着いた瞬間から暑かった。パースが少し寒かったため長袖を着ていたが、とてもそのままではいられない。今年のオーストラリアは1月から2月にかけて猛暑が続き、僕が農場で働いている最中も42℃まで観測していた。そして3月下旬になり、そろそろ暑さもおさまっている頃だろうと思っていた。パースは実際そうだったが、ゴールドコーストは違った。と言っても40℃を越えるような暑さではなく、長袖を着ていられない程度の過ごしやすい暑さではある。ゴールドコースト空港からバイロンベイまでのシャトルは乗車時間が1時間弱、値段は$40とやや高い。乗車していたのは僕を含めてたった5人だった。西洋人のカップルが一組、インド人っぽい夫婦が一組、そして僕。旅行者の間では「ビーチリゾートなんて一人で行くもんじゃない」というのが定説のようにあり、まさにそれだとこの時に感じた。そう、バイロンベイは紛れもなくビーチリゾートである。

乗車中、ドライバーと近くに座っている西洋人カップルが会話をしている。ドライバーは年配の人で、今日が最後の出勤日だとか今日の海は水温は26℃だとか言っていた。年配の人のオージー訛りというが僕にとってはとんでもなく聞き取りにくい。ただでさえ英語はカタコトだから会話なんてろくにできない。シャトルはそれぞれ希望の場所や宿泊先の前で降ろしてくれるようで、最後に僕が残った。僕は前日に予約していたYHAというバックパッカーズ(ホステルのことをオーストラリアではこう呼ぶ)の前で降ろしてもらった。YHAは2つあるらしく「どっちだ?」と聞かれたから地図を見せた。バイロンベイへ訪れる人が少し注意しておいたほうがいいことは、泳げるシーズンであればよくバックパッカーズが満室になるということだ。行く前にどこか予約しておいたほうがいい。後で書くが、僕はバイロンベイにて一日だけ空室がなくその日は野宿することになった。もう一つ、バイロンベイのバックパッカーズは僕が訪れた時点において無料wi-fiの無い宿がほとんどだった。有料か、もしくは全く無いかのどちらかが多い。ツーリスト・インフォメーションなど外に行けば無料wi-fiを利用できる場所はあるが、宿でwi-fiを使いたい人はそのあたりも確認しておいたほうがいいだろう。

YHAの前でシャトルを降りる。バイロンベイはゴールドコースト空港よりもさらに暑い。受付でチェックインの手続きをする。昨日booking.comにて予約する際に、YHAは1日しかベッドが空いておらず、それ以外の日は満室となっていた。受付で「あと3日ぐらい泊まれるか」と聞いたら「ちょっと待って。部屋を変わっていいなら泊まれそうだ。3日でいいのか?」という風に返ってきた。僕はその場で3日延長した。予約キャンセルもあるだろうから、早い時間帯であれば予約していなくともベッドを確保できることがある。チェックインを済ませて荷物を部屋に運んだ。5人部屋だが誰もいない。とにかく暑いため僕はタンクトップとハーフパンツに着替え、外に出た。

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今年の3月下旬、バイロンベイはまだ泳げるシーズンであり、外を歩く人は上半身ハダカか水着の人ばかりである。中高年の夫婦や家族連れも多いが、それ以上に若い人が多い。そのほとんどが西洋人であり、東洋人は稀にしか見かけなかった。町は非常に小さい。観光客が訪れるようないわゆるバイロンベイと呼ばれる範囲なら、1時間もあれば歩いて一周できるだろう。敷地の広いリゾートホテルはあるものの、高いビルは存在しない。ビーチに行けば多くの人が日光浴をしたり泳いだり遊んでいる。シャトルのドライバーが言っていたように、見るからに水温も高そうだ。砂浜には海藻やゴミ、砂利といったものがない。こういうビーチというのは自分の見た中であまりない。エメラルドグリーンや淡い青色の海が広がっていても、砂浜がきれいじゃないということが多かった。そのきれいな砂浜の上を歩くと、砂の粒子が細かく摩擦音がする。これを鳴砂と呼ぶらしいが、日本語の名前があるということは日本にもそういう砂浜があるのだろう。

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いくら僕が海に関心が無いと言えど、ここまで来て泳がないなんていうことが有り得るか。しかし僕は泳がなかった。何故なら日本から水着を持ってきていない。買えばいいんだが、たかが数日のために水着を買う気になれない。サイズだって合わないだろう。水着なんて着なくてもハーフパンツのまま泳げばいいんだが、どうもそういう気にはなれない。ハーフパンツはこの一枚しかなく、その下には当然ながら下着を履いており海に入ってから洗うのも乾かすのも面倒だ。ましてや僕はサンダルも持ってきておらず、靴のままビーチを歩いている。これから冬を迎えるオーストラリアにおいて、まさか水着を要するとは思いもしなかった。海に来たのはただ海を見るためだけだったのだ。まさか泳げる水温だったなんて。それは少し悔しい体験であった。

「バイロンベイにはアートの地区がある」という話を聞いていた。おそらくシャトルで来る途中に看板を見たArts & Industry Estateという場所だろう。そちらへ向かってみた。メインビーチから西に位置し、歩いて20分ほどかかるが歩けない距離ではない。

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自転車で行き交う人とすれ違いながらたどり着いたそこは、閑散としていた。ガラガラである。アートギャラリーどころか歩いている人もいない。時々観光客らしき人がレンタル自転車(バックパッカーズなどで1日$5ぐらいで貸し出している)に乗って通り過ぎるぐらいだ。この日はイースターという祝日真っ最中であった。バイロンベイのレストランやお店などは開いているところが多かったため、こっちも開いているもんだと思ったのが間違いだった。それでもこの地区をぐるっと回り、また20分かけて歩いて戻った。

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もう夕刻である。帰りにウールワース(スーパーマーケット)でパンとバターとトマトを買い、バックパッカーズに戻って食べた。バックパッカーズに滞在している人も西洋人ばかりで、同じく上半身ハダカか水着の人ばかりだ。そんな中にタンクトップとハーフパンツを着た東洋人の僕は、少し浮いていた。しかも僕は一人である。一人で来た人はいても、一人で過ごしている人というのはあまりいない。泳げるほどの陽気と、水着の若者たち、きれいな砂浜、観光地ではあるが開発が進んでいるわけでもなく、観光客で溢れているわけでもない。バイロンベイは穏やかな南の島を思わせるところだった。

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夕方の海

続く

025 地球の歩き方 aruco オーストラリア 2016~2017 (地球の歩き方aruco)

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