写真家、佐藤健寿についてのメモ

写真家、佐藤健寿(さとうけんじ)のインタビューを読んだりラジオを聞いたりいろいろ調べていた。気になった部分を引用し、その感想を書き残しておきたい。特にこの人が惹かれる対象、つまり写真を撮ったり取材したりしたい、と思うものの傾向が面白かった。

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首都圏外郭放水路

http://www.flickr.com/photos/48363182@N00/295253084

photo by Inetgate

「マニアの間で割りと有名な場所なんですけど、あるすごい強固な目的があって作られた建物というのは人間が住むことというのを想定しないので、我々の日常の中で見るようなものとは全く違う構造をしていて、それがすごく面白い」(ラジオアドベンチャー奇界遺産)

シュバルの理想宮

http://www.flickr.com/photos/32618149@N00/2180600065

photo by Mélisande*

「ある時そのシュバルは歩いている最中にある大きい石につまづいて転んでしまうんですね。その石を拾い上げてみたら、奇妙な形をしていた。で、その岩を見た瞬間に何かそのシュバルはすごい気に入ってしまって家に持ち帰って、眺めているうちに実はその、シュバルは子供の頃から自分のお城を作りたいとずっと夢に思っていたんですけど、ひょっとしたらこれがそのお城の材料になるんじゃないかという風な着想を得るんですね。

で、それからシュバルは毎日仕事をしながら岩を拾っては帰るという生活を続けて、コツコツと家の前の庭のところに岩を積み重ねていくんですね。で、当然周りの人たちは頭がおかしくなっちゃったんじゃないかとみんなに笑われるんですけどシュバルはずっと自分の宮殿を作ってるって言って、無視してそういう生活を続けると。それからですね、33年かけて最終的に大きい宮殿を造り上げるんですね」(ラジオアドベンチャー奇界遺産)

シュヴァルの理想宮 - Wikipedia

レイモンド・モラレスの彫刻庭園

「この人は生前全く有名ではなくて、元々板金の専門家だったんですけど、ある頃から板金じゃなくて自分の作品を作りたいということで鉄をたくさん拾ってきて、自宅の裏庭で作品を作っては置き、作っては置き、大体30年かけて800体ぐらい、こういう鉄の彫像を作ったと。(中略)この人、だからその、作品を作ってそれを売るとか見せるとかっていうことに全く興味がなくて、とにかく引きこもってずーっと作品を作ってたっていう」(ニコラジ木曜日)

サルベーション・マウンテン

http://www.flickr.com/photos/92521708@N00/15992625923

photo by Atomische * Tom Giebel

「これもあの、ベトナム戦争の退役軍人が30年ぐらいかけて一人で作ったっていう。(中略)最初はすごい、当局にこう、なんて言うんですか出て行けみたいな、違法建築だったんですよ。だけど結果的にはその場所に人が集まるようになって、で今アメリカの州の文化財に指定されて」(ニコラジ木曜日)

奇界遺産を通じて見えてくるものの共通点

「やっぱりあの、何かある一人の人の思い込みであったりとか、例えば夢でお告げを受けて何かを作ってしまった人とかすごいたくさんいるんですけど、そういうものであったりとか、あとはその、例えばそのさっき言ったベトナムの場所なんかもそうなんですけど、ある一つの集団というか街だったりそういうところで、すごい強い土着的な文化によって作られたものが、外国人から見るとすごい強烈に異文化に見える。そういう面白さは共通してあるかもしれない。」(モーニングインサイト)

「おかしなものに対する好奇心」という言い表し方はすごく単純になってしまうが、重要なポイントして挙げられるのが、視点の違いだろう。違った視点から見た時の面白さに気づくという点。外郭放水路は工業建築物として見れば最先端で機能的だが、人の視点から見た時の違和感、壮大さ。シュバルにしてもレイモンド・モラレスにしても、サルベーションマウンテンを作った人にしても、普通の視点であればただ頭がおかしい人にしか見えない。そういう人が作ったおかしな物を、面白いと思える視点。その物だけでなく、それが作り上げられるまでに至った経緯であったり作った人物に興味を持つ視点。他の人が「気持ち悪い」「頭がおかしい」として切り捨てるような人、物から面白さを見出すというところがこの佐藤健寿の特徴なんだろうと感じた。そして彼がクローズアップしたものというのは総じて分かりやすく、彼がその面白ポイントを写真と言葉で紹介することによって人々に理解され、拡がっていく。

そしておそらく、佐藤健寿自身もそれを人に見せたり紹介することよりも、自分で見つけて足を運んで取材して写真撮って、そういう過程が一番楽しいんじゃないだろうか。彼自身が一番作った人に共感しているよう伺える。

この人はいろいろな場で活躍されていて有名だそうだ。

クレイジージャーニー

テレビ番組ということで一番世の中に出回り知名度を上げたのがこのクレイジージャーニー出演になるのだろう。廃墟の回やエチオピアの回で写真家として取材を行っている。まだ見ていない。

TRANSIT

TRANSIT 佐藤健寿 特別編集号 美しき不思議な世界 (講談社 Mook(J))

TRANSIT 佐藤健寿 特別編集号 美しき不思議な世界 (講談社 Mook(J))

 

元々編集長の人と懇意でありTRANSIT用の写真を撮る写真家としても仕事をされていたみだいだが、少し前に佐藤健寿特別編集号が出ていた。

写真集

奇界遺産

奇界遺産

 
奇界遺産2

奇界遺産2

 

奇界遺産を初めて見たのはヴィレッジヴァンガード、という人は世の中にたくさんいるだろう。漫画太郎の帯も有名だった。5年かけて撮影した写真の中から1冊、奇界遺産2も撮り始めてから発売まで4年かかったみたい。

WEB

2000年代前半にネットをやっていた人ならみんな知っているこのサイト、実は佐藤健寿によるものだった。テレビ番組などで丸々ネタがパクられるようになって更新をやめたとか。見よ、このはてブの数。

書籍

奇界紀行 (角川学芸出版単行本)

奇界紀行 (角川学芸出版単行本)

 
空飛ぶ円盤が墜落した町へ: X51.ORG THE ODYSSEY 北南米編 (河出文庫)

空飛ぶ円盤が墜落した町へ: X51.ORG THE ODYSSEY 北南米編 (河出文庫)

 
ヒマラヤに雪男を探す: X51.ORG THE ODYSSEY アジア編 (河出文庫)

ヒマラヤに雪男を探す: X51.ORG THE ODYSSEY アジア編 (河出文庫)

 

主に紀行文を書かれているようだ。まだ読んでない。 

ネットの記事

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