メルカリの残念なところ

メルカリでやっと一個売れた。しかしお金はまだ振り込まれていない。前の日記ではアプリのインストールから品物の出品までを書いた。そして今度は買い手がついた品物の配送編を書こうかなと思っている。お金が入って配送して評価を付けるまで。そこまで無事たどり着ければやっと一個の手続きが完了する。とりあえず今の段階で感じたメルカリの印象を追記しておこう。

 

今のところメルカリについては文句ばかり言っている。このサービスの元々のコンセプトというのは、スマートフォンのアプリが主体であることからおそらく「スマートフォンで写真を撮って気軽に出品し、販売できるオンラインフリーマーケット」というのが売りだったはずだ。そういう趣旨で始められ、設計されたサービスに違いない。しかし現実はそういう方向からどんどん外れていっている。それがどういう点に見られるかというと、サービスにおいて一番の要であったはずの「簡単さ」と「気軽さ」が失われてきている。どうしてこうなった。長期ユーザーではないが要因が二つ考えられる。

もはやフリマ感がない

一つは、業者の台頭。「この人明らかにセミプロだな」とか「転売屋だな」という人が多く見られる。そういう人たちは個人の片手間ではとても管理しきれないような数を出品しており、業務用のカメラで撮ったような写真かもしくは公式の商品画像を勝手に借用し、煩わしいことをあらかじめ避けるような商品説明と業務的な注意文を載せ、メルカリの市場を席巻している。簡単に言えば楽天市場になってしまっているのだ。こうしたプロユーザーをメルカリは想定していただろうか。そりゃあいくらかは想定していただろうし、数多く取引してくれることはメルカリにとっても有利で上客と言える。しかし、本来目指していたサービスの方向性とは異なるのではないだろうか。もしこの状況が今まで以上にさらに深刻化すると、メルカリの市場は業者であふれかえり、素人が玄人に太刀打ちできず、手も足も出ないまま買い叩かれる玄人市場と化してしまう。こんな事態をサービス供給側は望んでいただろうか。メルカリの元々のコンセプトからどんどん解離してきているように感じる。

暗黙のルールがえげつない

もう一つは、ローカルルールの台頭。これが本当にめんどくさい。まず、商品に対して必ず値段交渉が入る。これがもう商習慣になっており、たかだか3,000円の物にまで「値下げできませんか」の声が掛かる。「しない」と答えてもまた別の人から「値下げできませんか」と声が掛かる。出品中のほぼ全ての商品についてこのような声がかかる。そして例え100円でも値下げがないと彼らは買わない。それはもう商品が欲しい訳ではなく、目利きでも理屈でもない、感情の問題だ。少しでも値下げしてもらえなければ感情的に手を付けないのだ。ドロドロの人情主義である。こういうローカルルールというか、商習慣は非常にめんどくさくていちいち対応してられない。はっきり言って気持ち悪い。しかしそこは個人の好みでしかないため、そういうドロドロジメジメしためんどくさいやりとりが好きな人には向いている。他にも値下げして決まれば「〜様専用」と書き換えたり購入ボタンを押すにあたってコメントでいちいち了解を取ったり、そういっためんどくさいローカルルールが台頭しているおかげでサービスが不便極まりない。こんなところまでザ・ニッポン村社会。これ公式ルールじゃないんですよ?

現状を打破するには

メルカリは今のところ英語にも対応しているから、外国人ユーザーを増やして黒船パワーで村社会を一掃して欲しい。ただこのアプリが日本国内の配送を基本とするシステムであるため、黒船勢の流入による業者とローカルルールの一掃とういうのはなかなか実現しないだろう。だいたいこのような個人間の売買の場を設けるサービスというのは海外では無料で当たり前に提供されており、いちいち金を払って利用する習慣がない。Craigslistやkijiji、オーストラリアだとGumtreeなんかがそれに当たる。そこでは物の売買だけでなくルームシェアの部屋やアルバイトなんかも募集しており、日本のちまちました村社会サービスとは規模も年季も違う。というわけで海外勢の流入は見込めないかもしれない。残念。

そんなに不満があるなら利用しなければいいんだけど、かと言って代わりになるような市場を知らない。だからいっそのこと、ローカルルールをどんどん無視していこうと思う。そして値段交渉は一切受けない。公式ルールには則っているから、なんの問題もない。ローカルルールなんてこんないちいちめんどくさいだけのことを誰が喜んで設定して守っているのだろうか。理解できない。そう考えるとやはりAmazonマーケットプレイスは格段にシステマティックで楽だった。

システムの使いにくい点

システム的にも不便なところがある。カテゴリ設定において、ユニセックスの場合どちらに設定すればいいのかわからない。服もそうだけど、リュックとかほとんど男女兼用だからどちらに出品していいか迷う。かといってユニセックスを新たに設けると余計複雑でややこしくなり、難しいところだろう。

商品が新着で上がってくるのは出品した瞬間だけであり、すぐにフローに埋もれてしまう。メルカリの仕様上、結局は検索に頼ってしまい、その検索もあまり精度が良くない。同じカテゴリの商品が多ければ多いほど埋もれていってしまい、よほど検索されるようなブランド物だったり知名度のある商品以外は、新着を逃すと日の目を見なくなる。

「いいね!」の機能が付いているが、あまりにも意味を成していない。いわゆるヤフオクのウォッチリストのような機能であればもう少し使い勝手がいいんだけど、このメルカリにおける「いいね!」はただのブックマークに過ぎず、みんな片っ端から「いいね!」付けまくってその後見向きもしない。

このメルカリのシステムが何を目指しているのかいまいちわからない。出品から1〜2日の短期で売るにしてはフローが速すぎて目に止まらず商品が流れていってしまう。しかもそんな短いタイムスパンで売り買いするユーザーを今のところ見かけない。1ヶ月以上の長期スパンで売るにしても、一度埋もれた商品は二度と日の目を見ない。ひとたび時間が空いてしまえば、よほど検索に引っかかる商品でない限り発掘されない。

気になる商品をフォローするための機能として「いいね!」があるとすればあまりに貧弱であり、実際そのような使われ方もしていない。「いいね!」は片っ端から付けられている。おそらくサービス開始当初からユーザーが増えたことによって、使い方や市場やシステムの流れも変わってきているのだろう。より使いやすくなることを望むばかりだ。あるいは、これ以上機能を加えないままユーザー任せでシンプル路線を貫くという手も考えられる。

何も、商品が売れない不満をここにぶちまけているわけではない。まだ手探りの状況なんだ。

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