読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

有名になりたければ互助会を活用しよう

ネット

今ならもう落ち着いているから、こういう話もできるだろう。

はてなブックマーク開発ブログにて、スパム対策の話が取り上げられていた。ここで言うスパムとは、基本的には機械的なスパムを指している。ブクマを付けるスクリプトがあるのかどうか知らないけれど、そういうアカウント取ってブクマ付けてという事務作業のようなことを機械的にこなしているスクリプトか人力かなんなのかをここではスパムと呼んでいる。例えば企業が公開した記事に対して、ホッテントリに上げるためだけに作成された数多くのアカウントからブクマを付け、ホッテントリに載せ、さも人気がある話題かのように見せかけ、PVを上げて宣伝したり広告したりする。それがここで言うスパムだ。そういうのは大体見抜いている人がブコメで指摘している。

スポンサードリンク

 

互助会はどうなのか

一方はてなブログを筆頭に去年から話題になっていた互助会というのは、また少し違う。その名の通り、ブログを運営する個人がお互いにブクマを付け合う行為を互助会と呼んでいる。互いにブクマを付け合う行為そのものは今に始まったことではないものの、互助会と呼ばれた行為にはいくつかの特徴があった。

互助会には大まかに分けて二つのパターンがある。その二つとは、結託してブクマをしているケースと、自然発生的に互助会化してしまったケースの二つだ。一方はお互いにブクマを付け合うことを呼びかけ合い、相互ブクマ関係が出来上がる。実際にそういう呼びかけをしているTwitterの履歴が貼られたりしていた。基本的には1対1で呼びかけが行われ、それがひとりひとり増え、和を広げることによって5対5、10対10の関係になり、一つの互助会グループとして成立する。飽くまで1対1の相互関係を5人、10人と結んでいるだけのものもあれば、グループという形で結託している場合もある。彼らが投稿したブログ記事には、内容にかかわらず互助関係者から10ブクマが付き、内容にかかわらずホッテントリへの道が開かれることになる。それを見た互助会以外の人間にも記事が目に触れ、「後で読む」系のとりあえずのブクマが付いたり批判のブクマがつくことによりホッテントリ化という互助会の一大事業が完成される。その後リテラシーの無い多くの一般層の目に触れたり拡散されたりすることで炎上したりバズったりするケースも時々ある。

もう一つのケースはというと、ほとんどの過程は同じなのだが、そこに「意図的な結託」というお互いの呼びかけが行われないケースが該当する。こちらは一方的にスター、読者登録、ブクマをアグレッシブに行っていくことで、相手に対して「自分の記事もブクマして欲しい」というプレッシャーを与える方式により、呼びかけることなく相互ブクマ関係が成立する。「この人いつもブクマくれているな」「ありがたいな」「悪いな」という心理を逆手に取って自らの記事をブクマさせるという手法である。Twitterのフォロワー稼ぎにもよく使われる手法であり、フォローが返ってこなかったりブクマが返ってこなければあっさりと離脱し、別の人へ鞍替えして同じ行為を繰り返す。そうやって、相手に呼びかけることなしに1対1、5対5、10対10と相互ブクマ関係が広がり、暗黙の互助会が成立することになる。

これらは一見個人の寄り合い、助け合いなので無害のように見えるが、はてなブックマークというシステムの仕組みを悪用したスパム行為であるという点においては無害と言えない。互いにはてブを付けることでホッテントリに上昇させ、PVを稼ぎ、広告料を稼ぐという、この相互はてブという行為が個人の利潤獲得のために利用されているであれば、それはサービスの方針から見ても十分なスパム行為に該当する。

互助会の基準はなんなのか

無意識に同じようなブクマ行為を行っており、「わたし、互助会なの?」と思う人がいるかもしれない。ただブクマを付けて、付けられての関係なのか、それとも「いわゆる互助会」もとい「互助ブクマ」なのかどうなのかを判断する基準は非常に簡単だ。

中身がない

はてブはソーシャルブックマークというサービスであり、web上で気になった記事をメモしたりブックマークするサービスだ。コメント機能やコメントに対するスター機能がついたことで、記事の内容に対する言及にも利用されるようになった。コメント機能は記事の内容が間違っている場合に正したり、足りない情報を補足したり記事にソースを追加したり批判したり、単純に感想を書いたりするために利用されている。さて、互助ブクマの特徴はよく言われている通り、中身がないのである。後で読みたいわけでも感想を書くわけでも言及するわけでも批判するわけでもない、ただブクマして見返りに自分の記事も相手にブクマしてもらうことだけが目的なのだ。だから当然ブクマに中身はない。コメント無し、「参考になります」といった定型文の中身のないコメント(それが毎回続く)、これはもう冒頭に挙げたスパムと同じであり、利潤獲得のための事務的な、機械的なブクマなのだ。

毎回ブクマする

同じ互助会メンバーから毎回決まったブクマが付く。中身を読んだのか読んでいないのかわからないような、事務的で機械的なコメントだったり、コメント無しだったり、毎回定例のブクマが付くのが互助会の特徴だ。お互いにブクマを付け合うという見返りのためにブクマをつけているのだから、それ以外の意味も中身もないローテーション作業が機械的に毎回行われる。この二つのセットが重要である。中身が無いこと、そして中身がないにもかかわらず頻度が高いこと。明らかに注目するような記事内容でないにも関わらず、事務作業のようにブクマが続いていれば互助会の完成である。

はてブにおける互助会の弊害

webで注目される意見というのは、新しく、議論の余地がある意見に限られていた。どこよりも速く情報の集約するネットにおいて、今まで見てきたような内容や、既に語り尽くされた意見といった稚拙な記事には価値が無いとみなされてきた。価値があるとすれば、既に語り尽くされていることも知らなかった周辺や、同レベルが集う層の間においてのみだった。しかし、そこに互助会ブクマが入りホッテントリ入りすることによって「いわゆるレベルの低い議論」が衆目にさらされる機会を得ることになる。そこに「いかにレベルが低いか」を熟知している層からのダメ出しや批判を受けることによって炎上という現象が起こる。それを目にしたリテラシーの低い層からは、それがさも注目されている有意義な議論かのように写り、さらに拡散されていく。互助会のスイッチが入ることによって議論が稚拙であればあるほど、意見に中身がなければないほど注目されるという逆転現象が起こる。ここには批判ブクマが一躍買っているという弊害にも注目すべきだろう。

互助会をスパムと判断するかどうかは運営の仕事であり、今回のスパムに関する記事において、互助会と思われる内容は話題に上がらなかった。運営が互助会というスパムを容認するのであれば、はてブの中身は従来と入れ替わってくるだろう。従来のはてブを作ってきた仕組みは崩れ去り、そこに価値があると見てきたユーザーははてブを去ることになる。僕自身、前はよく新着エントリーを見ていたが最近はほとんど見なくなった。昔はホッテントリばかり毎日チェックしていたが、今は全然見る記事がない。それは運営方針によってもたらされた結果であり、ユーザー層が入れ替わることもweb上で質の高い情報が集約する場所だったはてブが互助エントリーにまみれることも、運営の判断である。実際のところ、ここ最近は少し改善してきているようにも思う。一時期本当にはてブを見ない時期が続いたが、最近はたまに見るようになっている。それは運営の対策が行き届いたのか、それとも互助ってた人たちが力尽きたのか、よく知らない。

互助会を使わない手はない

ここまではてなブックマーク界隈にあった互助会のことを書いたが、この互助会という仕組みはネットも含めた世の中で名を売るための、営業活動の手段としては非常に有効だ。いわゆる人脈とか、横のつながりとか、コネとかいったものは全て互助会のような関係だと言える。はてブの互助会のように、明言するケースと明言せずに相手の心理を利用するケースと両方あり、状況や相手によって使い分けなければいけない。こちらの真意が知られるとそっぽを向いてしまう人もいれば、わかった上で結託してくれる人もいる。これはもはやビジネスだ。有名になるためだ。金のためだ。善良であろうが悪徳であろうが、善良を装った悪徳であろうが、有名になって金を稼ぎたいなら互助会を利用するしかない。実力なんかは関係ない。誰もお前に実力があるかどうかなんて見ていない。とにかく有名人と仲良くなることを目標とするところから始めよう。そこから一気に飛躍する。有名人と仲良くなるには、こちらもそれなりに見えるよう箔をつけないといけいない。さあ互助会だ、互助会だ、有名人がお前と仲良くしてメリットがあると思わせるのが第一段階だ、そのための互助会だ、自分を大きく見せなければいけない、片っ端から声かけて、交友関係を広げ、周りの人を抱き込め、注目されて、有名になれば金が入ってくる、ザックザック、なぜその手段を使わない?有名になりたくないのか?お金が欲しくないのか?目の前にある簡単なことなのに!世の中でコミュニケーション能力が重宝される理由はそこにある。コミュニケーション能力とはすわなち互助会を作る能力なのだ。