内容を重視するなら、移転先はMediumか

最近のブログサービスに限界を感じていたり、今までとの変容についていけなかったり、ちゃんと中身のあるコンテンツを読みたい、書きたいという人が出てきていると思う。そういう人にはMedium(ミディアム)がいいのかもしれないと思ってきた。

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Mediumってなんなのか

読むこと、書くことに特化したプラットフォームで、複雑な仕様や余計な装飾・広告などが一切省かれている。記事ごとの課金仕様もある。何かに似てるなーと思ったら、noteだった。noteは2014年から始まったサービスで、その源流は2012年から続いているこのMediumなのかもしれない。

Mediumとnoteの違い

英語ベース

Mediumとnoteとの違いは、まず第一にMediumは日本のサービスではないから英語ベースであること。もちろん日本語で記事やタグを書くことはできるが、メニューは今のところ英語のままだ。英語のユーザーがほとんどであり、サービスが始まってから4年続いているとは言え、我々日本人からすればまだまだ開拓地のように映る。僕がTwitterを初めたのは2007年で9年前、facebookを初めたのは2010年で6年前。当時はどちらも日本人が全然おらず、日本語にも対応していなかった。「これから来るんじゃないか!?」という当時の期待と予感がよみがえる。

有料課金

第二の違いは、課金コンテンツの敷居。noteは誰でも自由に有料化できるけれど、Mediumの場合は審査があり、それもかなり厳しいようだ。コンテンツの質を重視するようで、有料化に値するものでないと審査を通らない。100万PVが基準になっているようだから、Mediumで金儲けはあまり期待できないだろう。当然ながらnoteと同様アフィリエイトにも対応していない。そういう意味でもやはり、商業重視ではなくコンテンツ主義を後押しするサービスと言える。

マガジンとパブリケーション

第三の違い、noteを使ったことがある人ならマガジンという機能があることをご存知だろう。マガジンとは一つのテーマを設けた枠組みであり、テーマに沿ったコンテンツだけをそのマガジンにまとめることができる。例えば、「小説:春の雪」というマガジンを作り、中身の文章をそのマガジンの中に毎日投稿することができる。小説が完成すれば、マガジンでまとまった一つの「小説:春の雪」が完成する。ユーザーはマガジン単位で購読することもできる。

同様の機能として、Mediumにはパブリケーションというのがある。noteにおけるマガジンとの違いとして、パブリケーションには複数参加できることがある。複数のユーザーで一つのパブリケーションを作るという形態が標準機能として用意されている。誰かと一緒に一つのコンテンツを作ることが気軽にできる。

独自ドメイン

第四に、サーバー不要の独自ドメインが無料で利用できる。これもnoteにはない仕様だ。

マネタイズには向いていない

ブログにおけるアフィリエイトやnoteにおける課金仕様など、マネタイズに向いた媒体はたくさんある。Mediumにも課金仕様は一応存在するが、何よりもまず内容が重視され、その敷居はあまりにも高い。しかしそれは逆に言うと、Mediumを使用するにあたってはマネタイズなど考えなくていいということにもなる。人気、PV、宣伝、バズ、マネタイズ、ブログにつきまとうそういったノイズやしがらみから、Mediumは解放してくれる。そこにはユーザーのための自由な空間があり、ユーザー同士の自由な交流がある。マネタイズはブログやnoteにまかせ、もう一つの気軽な場としてMediumを同時利用するのもいいだろう。

お金のことは忘れて一息つく場

今でこそ金儲けの代表みたいになってしまったはてなブログだが、元々はてなブログが目指していたようなサービスはMediumのようなものだったと思う。はてなブログの公式ページを覗けば今でも「シンプルで」「簡単に」「しっかり書きたい」などといった謳い文句があり、決して金儲けツールとしての側面を全面に押し出してはいない。しかし、サービスはユーザーとともに変容を遂げるもので、もはやアフィリエーターが跋扈する一攫千金の戦場と化してしまった。

自分のやりたいように利用することは今でも可能だが、コメント、スター、はてなブックマークなどにおいてノイズが多すぎる。かと言ってコメントやスター、はてなブックマークを閉じれば交流が疎外される。気にしないでおくことは可能だが、マネタイズならマネタイズ、それ以外はそれ以外で棲み分けをしたほうが、意思疎通も横のつながりもできやすいのではないだろうか。

気になったら使ってみよう!移転している人も続々でているよ!

参考

Mediumをつくった男、エヴァン・ウィリアムズの7つの教訓|WIRED.jp
Twitterの共同創業者でもあったMediumのCEO、エヴァン・ウィリアムズがMediumを作った理由

Mediumの使い方 読む編 – 使い方あれこれ – Medium
この記事は2013年とかなり古いけれど、基本的な部分を図でわかりやすく解説している

Medium の使い方(または「ブログ」の終焉) — Baldanders.info
こちらはストーリーやパブリッシャーなど、書くにあたってのチュートリアル。2015年の記事

Mediumが面白い理由とおすすめアカウント * The Path
2016年4月と比較的新しい紹介記事。Mediumの簡単な概要と、既に利用している日本人ユーザーを参考にすることができる

Mediumを知らない人 | しつもんアラカルト
2016年7月の新しい記事。独自ドメインのことはここで簡単に紹介されている

g.o.a.t、ブログ、Medium、noteの違いを目的別に比較してみた - g.o.a.t 非公式マニュアル(KDDIの新しいブログサービスg.o.a.tの使い方) - g.o.a.t