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気をつけろ!海外旅行にありがちなウザい武勇伝⑪選

旅行

旅行をしていると、つい話したくなったり人から聞かれる体験を積み重ねていきます。旅行は話のネタの宝庫です。「こんなことがあったんだよ」「こんな人がいたよ」「こんなところに行ったよ」日常生活と一線を画す旅行中のできごとは、人々の注目の集める恰好の材料になります。しかし、そんなステキ体験も伝え方を一歩間違えれば、あらぬ方向へと転化してしまいます。「興味ない」「聞き飽きた」「ウザい」そのように思われがちの、旅行者定番武勇伝があります。あなたも知らず知らずのうちに口にしていませんか?それでは順番に並べていきましょう。

 

①○○ヶ国行った自慢

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これは旅行していると本当によく聞かれるので、答えることが多いです。僕は確か18ヶ国だったと思いますが、これを言っても「へえ、そんなもんなんだ」と言われ、後の会話が続きません。せいぜい「その中でどこが良かった?」と聞かれるぐらい。しかし、ごくまれに「俺は今まで○○ヶ国行ったけど、」などと自分から言ってくる人がいます。聞いていなくても。

数が多ければ多いほど自分から言いがちです。傾向としては50ヶ国を越えたぐらいから自分から言い出す人が出てきます。100を越えるとプロフィール欄に載ります。これは数字が大きくないとアピールになりません。だいたい世界一周していれば、今まで行った○○ヶ国は1日や2日の滞在で簡単に稼げてしまうので、世界一周旅行者に多いでしょう。

自慢したっていいんですよ。アピールが必要な場もあります。実際に何十カ国、100何ヶ国も行ったってのは凄いことです。これがただの自慢に見えるか、アピールに見えるか、不快に繋がるかはその後の話です。重要なのは○○ヶ国行ったことではなく、中身が伴っているか。その後に出てくるエピソードがつまらないと、「○○ヶ国という数字アピールしたいだけかよ」となってしまいます。数字アピールは体験談を盛り立てるための味付けぐらいにしておきましょう。

②○年旅行している自慢

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○○ヶ国と同様、旅行期間という数字は経験値をアピールするわかりやすい指標になります。「3日しか行ってないの?そんな短期間じゃあの国のことは全然わからないよ」なんて絶対言ってはいけません。例え短期間であっても、そのときその場所でしか巡り会えない一生の経験があります。それを安直に「期間が短い」というだけで否定することは実際できません。人が違えば見かたも感じかたも違います。同じ国を訪れたとしても、現地で出会う人はかなりの確率で違ってきます。それぞれの旅行に、それぞれの体験があります。長くいればいただけ多くの経験をする機会は増えますが、長期旅行をしたのに何も見てこなかった人だってたくさんいます。

これは、在職期間が長いのに仕事ができない人がいるのと同じ事です。短い期間で昇進する人もいれば、昇進は遅くても取り柄が際立つ人がいます。かたや、長いこといるのに何もできない人だっていますよね。期間で判断できることはたかが知れています。重要なのは、そこで何を見て、どんな人と出会い、どんなことをして、どう感じたかという中身の方です。中身がなければ、数字アピールはかえって自身を陳腐化します。話せば話すほど墓穴を掘っていくでしょう。「きれいだった」「美人が多かった」「治安が良かった」「食べ物がおいしかった」「住みやすいと感じた」そんな上っ面を並べただけの誰でも話せるありがちなエピソードをたくさん集めるよりは、何か一つでも情感のこもった具体的なエピソードを語りましょう。

③死にかけた自慢

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これもありがちです。日常生活においても、危険体験武勇伝は誰しもがやってしまう。海外旅行となると危険はつきもので、旅行を繰り返していれば誰しもが一つや二つ、危なかったエピソードを持ちネタとして抱えています。悪路の走行や、柵のない崖であったり、兵隊に詰問されたり、詐欺にあったり強盗にあったり喧嘩に巻き込まれたりすることもあるかもしれません。そういう経験をすると、つい人に語りたくなってしまうのが人情です。

しかし、これも伝え方次第でただのウザい自慢話になってしまいます。その人にとっては大変な事態だったかもしれませんが、聞いてみれば意外とベタな話だったり、先輩面した助言、切り抜けた俺凄いアピールに終わってしまうことがあります。聞いている方からすれば全然おもしろくありません。よほど難易度が高ければ自慢であってもおもしろいんですが、旅行者同士の会話になると既に同じような話を聞き飽きており、海外で収監されたりゲリラに捕まったようなエピソードにはなかなか巡り会うことはありません。発砲されたとか正直引きます。

死にかけた体験はその程度によらず、本人にとってはかなり衝撃的なことです。せっかくそういう体験をして、伝え方次第ではどこでも誰にでも通じるオールマイティーな面白ネタに化けるのに、ただの自慢やアピールで終わってしまうのはもったいないです。ただの自慢で終わらないためのポイントは、危険度を上げることではありません。面白おかしく語ることが重要です。笑いを意識しましょう。簡単なのは、切り抜けた成功エピソードよりも被害にあった失敗エピソードを笑いに繋げることです。「死にかけた自慢」にならない、笑えるおもしろエピソードを目指しましょう。

④ドラッグ自慢

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これは本当にやめたほうがいいです。ドラッグネタに食いついてくるのは、ギャンブルネタと同様はっきり言って痛い連中だけです。そういう連中とお近づきにならないためにも、ドラッグネタは話さない、乗っからない、興味を持たないことが重要です。普通の人はまず引きます。興味もないから話してもいいことはありません。ドラッグネタは酒強いアピールや酒の席で暴れた自慢並に痛いエピソードに入ってしまいます。

失敗談として話す程度ならまだ笑えますが、それでも大抵の人はドン引きです。にもかかわらず、どれぐらい気持ちいいとかどれぐらい安いとか、どこでは刑罰が軽いとか日本でも合法化してほしいとかそういうドラッグを正当化しようとする話になると、もう完全に痛い人の烙印を押されます。ドラッグ自慢はネタとして全然使えません。話せば話すほど泥沼にはまってしまいます。

万が一ドラッグについて語ることがあれば、文化的背景について語る程度に留めておきましょう。ある国ではどの程度浸透しているか、どのような文化に溶け込んでいるか、南米でコカの葉が薬として使われていたり、お茶として煎じて飲まれる習慣があるとか、北東アフリカでは社交の場においてカートが欠かせないとか。そんな話をしていても中には「何でそんなに詳しいの?」と察してくる人が大勢いるので、引き際に注意しましょう。

⑤白人の友達がいるアピール

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我々日本人にはいまだに根強く白人憧れがあります。白い肌、小さい顔、大きく見開いた碧い目、高い鼻、高身長と長い足、ブロンドヘア、グラマーなスタイル、全て日本人から見た白人像であり、美の象徴となっています。少しでも憧れの対象に近づけようと努力したり、整形する日本人をたくさん見ます。これはもはや日本人だけではありません。19世紀以降から西洋人が国際社会を牛耳ったことによる「白人憧れ」は、美の象徴としてのグローバルスタンダードになっています。黒人でも美白をしたり、カーリーヘアを矯正する人は珍しくありません。世界中で消費されるハリウッド映画、海外ドラマ、洋楽スターは少しでも白人に近づきたい、仲間入りしたいという思いを募らせます。

そこに出てくる、白人と肩組んで酒飲んでる写真。わかりやすい。まるで芸能人と一緒に写真を撮っているかのようだ。「すごい!」「かっこいい!」「うらやましい!」と思うかもしれません。特に洋画で見るようなキレイな人が写っていると、「どうやって友達になったの?」「こんな人と友達になれるなんてスゴイ!」というように、まるで白人と一緒に写っている自分がスゴイと言わんばかりに転化します。友人だったはずの彼らは、いつの間にか本人の引き立て役になります。

これは非常に難しいところで、外国人ネタというのは写真でも話のネタでも、海外旅行ネタの中心になってきます。だから本人が意図しないところで自慢のように見られてしまうケースも多々あります。ただの自慢に終わらせないポイントとしては、差異を強調しないこと。文化や習慣の違いは興味深いんですが、白人と我々との差異、白人の友達がいる自分とそれ以外の日本人との差異話なんてただの自慢で、誰も聞きたくありません。もう一つは、どうしても繰り返しになってしまいますが、やはりおもしろおかしく語ることでしょう。おもしろく語るときにも、差異を強調した自虐になってはいけません。それは話した本人だけでなく、同じ日本人である聞いた相手にも跳ね返ってきます。普遍的に、かつおもしろく語ること、特別感を醸し出さないことが自然な笑いへと繋がります。

⑥マイナー国自慢

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「〜って国知ってる?行った?知らないの?俺行ったんだよ〜すごかったね、お前も今度行ってみればいいよ、絶対オススメだって、ただ初心者には簡単に行けないかな〜どうやって行けばいいか教えてやるよ、俺には簡単だったんだけどお前にはちょっと難しいか」

実際こんな風に言われることはまずありませんが、なんとなくそういう雰囲気を醸し出す人ならたまにいます。マイナーな国、名前は知っているけれど全貌が明らかでない国、珍しい国、聞いたこともないような場所のエピソードは未知であり、新鮮であり、多くの人が憧れ、興味をそそられ、羨むのも当然です。そういった貴重な体験を、ただの自慢話にしてしまうのはもったいない。

ポイントとしては基本的なことですが、聞かれていないことは話さないこと。いくら貴重な体験とは言え、興味を持たない人はいくらでもいます。相手が興味持っていない話をいくらしたところで、自慢にしか聞こえません。もう一つは、自分凄いアピールに繋げないこと。現地の情報と体験を語る程度に留めておきましょう。それをやった自分、なんてどうでもいいです。それは相手が勝手に感じて判断することであり、自らの印象をアピールするのは逆効果しかありません。

⑦ローカル言語使ってた自慢

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「マハーラーシュトラ州ではマラティー語が主流で、ヒンディーだと舐められるから俺もマラティー語使ってたけど、英語?通じるけど、英語でできる体験なんて限られてるな〜」

こういうことを言うのは大抵かじった程度の人です。さも意思疎通しているかのように匂わせますが、現地語を話したとしてもあいさつ程度、自分を良く見せるためのハッタリでしかないでしょう。話をよく聞けばボロが出ます。同様に、本当に会話ができる人はそんなアピールをしなくても、話を聞いてるだけで伝わってきます。同時にそういう人ほど自分の至らなさを自覚しているため、謙遜することが多いです。

確かにローカル言語を話せたらかっこいんです。ローカル言語で会話する喜び、通じたり相手にも喜ばれたりした体験はちょっとした感動です。そういうことを平然とやっている人には憧れます。かといって、自分がその人のフリをするのはやめましょう。相手が判断できないと思って、自分の実力以上に盛ってもバレます。また、等身大の自分をそのまま伝えてもインパクトが薄いと考えるのは早計です。伝え方次第ではおもしろい話になり、失敗エピソードでもかっこいい印象を持たれます。カッコつけようと必死になるあまり、表面だけを取り繕う姿は返って格好悪いことに気づいてください。

⑧絶景スポット、既に行ってきたよアピール

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観光旅行の目玉として、モンサンミシェルやマチュピチュ、ウユニ塩湖、セドナといった絶景スポット、パワースポットがあります。

「俺もう5年前に行ったよ。当時はマイナーだったから観光客も少なくて楽しめたけど、今行っても中国人だらけでつまんないだろうね。え?君らも今年行くの?まあ君らみたいな初心者だったら今行ったほうが楽しいかもね。俺はもう無理だわー今行っても全然楽しめないわーfacebookの写真見る?」

まあ嘘ではないんでしょうけど、こんなことを言われると激しく興を削がれます。写真を見てみれば雑誌の表紙と同じ風景、わけのわからないジャンプ、やってることは今とまるまる同じ。

では、何が正解なんだろう。旅行先の話が出て、既に行ったことがある場所だったとしたらなんて言えばいいのか。一つは話に入らないこと。現地の話をするのは良くも悪くもネタバレになってしまいます。ガイドブックなどで既にある程度の情報は得ているとしても、行った人の話というのは旅行者目線の体験談という点において、ガイドブックのネタバレを凌駕します。

実際行った経験があると、向こうから聞かれることも多いです。何か聞かれてしまった場合は、聞かれたことだけに答えましょう。もしくは注意事項に留めておくこと。オススメの場所をさらっと伝えるのもいいですが、大体は本人に任せる。これはよく言いますが、行って楽しかったことだけが旅行ではありません。例えば村上春樹の旅行記なんて全然楽しそうじゃないのに本になります。失敗やトラブル、がっかり経験なども旅行の醍醐味です。そういう経験のほうが、帰ってきてからいい思い出になったりネタになることも多々あります。そういうことも含め、本人たちに委ねましょう。「なんで教えてくれなかったんですか?」なんて言う人はまずいません。

行く予定がない人に話を聞かれたら、自慢にならないような失敗談やおもしろエピソードを語るしかありません。絶景きれい、かっこいいなんていう話は観光業者が宣伝してくれているのであえて言うほどのことではありません。自分の言葉で語れるならポジティブな感想を述べるのもいいでしょう。ネガティブな意見でも「自分には合わなかった」は有りで「クソつまんなかった」はNG。

⑨最高級/最底辺のホテル自慢

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かっこいいホテルに泊まれば、つい写真を撮ってしまいたくなります。最高級ホテルを見せびらかすにあたって、まだ印象が良いのは「素直に喜ぶだけ」「何かと比較しない」「調子に乗らない」ことでしょうか。そこにいる私ではなく、そのホテル自体がすごいということを伝えるだけに注意しましょう。「ここにいる私リッチ」になってくるともう私すごいアピール自慢以外の何物でもありません。自慢してもいいんですけど、ホテルが凄いだけであって、あなたが凄いわけではありません。一泊何十万するような部屋でなければ、誰でも泊まれます。「私すごいアピール」も、セレブや大富豪の真似をしたりネタでやる分にはおもしろいと思います。マジっぽさが出てくると痛いです。

最底辺ホテルに関してはベクトルが逆なだけで、中身は同じでしょう。そういう場所で虫が出たりネズミが出たりシャワーのお湯が出なかったりというトラブルエピソードもあります。自虐ネタになっていればおもしろいですが、キレていたりはしゃいでいたり「こんな経験している俺すごいアピール」になってしまうとやはり、きついものがあります。

⑩悟ってる/人生観が変わった

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これも何を主体としているかで、全然話が変わってきます。ここまで散々繰り返してきましたが、自分語りはただのアピール、自慢にしか聞こえません。自分を主体にした話を聞かされてもウザいだけなんです。あなた自身がいかに凄いかではなく、中身のある話をしましょう。悟ったあなた、ではなく、何を悟ったのか。人生観とは何なのか、どういう経緯を経て、どのような視点を持ったのか。今まで見えていたこと、見えていなかったことは何だったのか、何を見出したのか、どう感じたのか。悟った、人生観が変わった、なんて言葉は誰でも言えます。周りの人は、安っぽい単語ではなく、その中身を見て判断します。あなたを判断するのは、周りの人が勝手にやることです。あなたがそれを自分の印象を良くするために誘導しようとすればするほど、周りの人からの評価は離れていきます。

⑪グローバル人材アピール

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「俺ってホラ、グローバル人材だから」

そんなことを言う人はいないと思いますが、グローバル人材と呼ばれる人は飽くまで呼ばれる人であって、自分からそれを目指したりアピールしたりしていません。海外で活躍する人は、海外にやりたいことがあっただけで、グローバルなんて言葉にはとらわれないでしょう。結果としてグローバルになった。まずはその過程にある中身を大切にしましょう。

自慢が痛い旅行者にならないために

心当たりありましたか。はい、これ全部自分の反省です。こういうのは基本的に、苦労自慢、不幸自慢、地獄のミサワ的な俺凄いアピールに尽きます。そういう自慢はせいぜい親とかにしておいてください。親に自慢する時点でかっこわるいですが、親であれば子供の成長を喜んで受け入れてくれるでしょう。

旅行を楽しく語るにあたって重要なのは、童心に帰って、相手の立場を考え、ユーモアを忘れず、聞かれたことに答えることでしょうか。海外旅行に限った話ではありませんが、ただ経験の量が多いだけというのは誇れることではありません。自分の経験をどのように消化し、どう伝えることができるかがあなたの腕の見せ所です。これからも楽しい旅行話を聞かせてください。ああ、俺なんでこれ書いたんだろ、私も善処します。