書けない

書くことがないわけではない。書きたいことが書けない。匿名ダイアリーなら書けるのかとかそういう問題でもない。うっすらと頭の中にあるものが形にできない。書こうと思うことが書けない。文字にならない。文章にならない。とは言いつつも4日連続更新中だけど、あれは書こうと思っていたことを書いたわけではない。たまたま思いついたことを書いただけで、書きたかったようなことを書いたわけではない。もっと自分の内側の奥の方に手を伸ばしているが、どこにあるのかわからない。夢を見ているときに強く抱いていた感情を、起きた途端に思い出せなくなっているのに似ている。さっきまでここにあった気持ちが頭の中からサーッと消えていくあのもどかしい感覚。なんだったんだろう。書きたい、書こうという思いだけが残り、中身がなくなっている。断片だけを寄せ集めてもうまく繋げることができず、その接合部分が欠けている。それはもはや接合部分でさえなく、核の部分だったような気もする。そのまま繋げてしまえば臓器のない肉体になってしまう。それは形だけの箱で、中身とは全然別種のものであり、用をなさない。何を書こうとしていたんだろう。頭の中をずっと探しているのに見つからない。外を見渡せばときどきヒントのようなかけらから刺激を受けるものの、それ以上大きくならない。もっと手を広げてみたらいいのか、そうすると今手元にあるものまで失われてしまいそうだ。もっと深く入ればいいのか、入り口が見つからない。だだっ広いところに何もなくて、手探りさえままならない。もうないのだろうか。探していたものはもうなくなってしまったのか。まだ目に見えないだけで、育つまで待つしかないのか。そのときまで断片は残っているだろうか。そんなに大事なものだっただろうか。今ここにあるものだけでは全く言葉にならない。僕がまだ3歳か5歳の頃だったらはっきりと形にできただろうけど、その頃は文章にできない。今はもうつなぎとめておくことさえできない。そうやって今まで多くのものをなくしてきているんじゃないだろうか。なくしちゃったー隙間からぼろぼろ落としていっちゃったー。

無意識という言葉がある。意識的ではない、意図しないという意味のsubconsciousnessと、意識を失った状態のunconsciousnessがある。寝ている状態の無意識下で見る夢はどちらに入るのだろう。今まで探っていたのはsubconsciousnessで、unconsciousnessに入らなければ見つからない気がする。そういうわけで寝よう。