ヒラリーが支持されない理由を調べてみた

時事ネタです。選挙結果は今日でしょうか、明日確定でしょうか。

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ドナルド・トランプが支持される理由もされない理由もなんとなくわかる。政治の素人であるとか差別的だとか下品だとか、話題になっているフィリピンの大統領と感覚的には近いんじゃないだろうか。行動も発言も現代の民主主義国家における政治家らしくなくて、非常にわかりやすい。

一方でヒラリー・クリントンである。彼女は何故支持されないのだろう。選挙前の支持率はほぼ同列で、トランプに負けず劣らずの嫌われっぷりである。理由は一体何なのだろう。トランプの暴言みたいなものはネットにたくさん流れていたが、ヒラリーについては全然知らない。メールサーバーがどうのとか、カダフィ殺して大喜びしていたことぐらいしか知らない。彼女が支持されない理由をいろいろ探してみたが、どうもいまいちピンとこない。

【米大統領選2016】支持率タイに 両候補は激戦州に - BBCニュース

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黒人大統領ほど、女性大統領は話題にならない

「古い話だし」「年寄りなだけ」「お堅い」「ただの普通の政治家」「昔からずっとい過ぎ」「共感できない」――。

【米大統領選2016】なぜ私たちはクリントン氏に熱狂できないのか - BBCニュース

ここではアメリカ史上初の女性大統領に熱狂できない理由みたいなことが書かれている。理由としては「ヒラリーでなくていい」ことが大きいみたいだ。放っておいてもそのうちいつか女性大統領は現れるだろう。今このタイミングで敢えてヒラリーを推す理由がない、それほど特筆する部分がないといったところだろうか。サッチャーの時代ならこうはならなかっただろう。

いけ好かない女という理由

クリントンは非常に「有能」で「できる」ことは誰もが認めるところだが、とにかく「冷たい」印象がまとわりついている。これが彼女の最大にして、致命的な欠点となっている。

ヒラリーが、しぶとく嫌われ続ける根本理由 | 「コミュ力」は鍛えられる! | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

こんなことが理由で人気がないなら笑ってしまう。トランプは偽悪的でヒラリーは偽善的だとかも書かれていたが、もっとまともな理由はないのだろうか。信用できないから、というのもあったが、歴代大統領がどれだけ信用に足る人たちだったのだろう。トランプは信用できるのだろうか。その感覚がいまいち理解できない。こんなふざけた感じで大統領を選んでいいのだろうか。

ヒラリーに何ができるの?

ウィンストン・チャーチルの言葉を借りれば、彼女の焼き菓子にはテーマがない。彼女が発するメッセージと彼女自身が最も近いと感じられるのは、人々を高揚させるようなものではないが、「私は前進的であり、物事を実行できる人間だ」ということだ。

苦戦中ヒラリーが支持されない根本的な理由 | グローバルアイ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

これはまだ納得がいく。つまり、ヒラリーにはビジョンがない。大統領になって何がしたいのか、現状をどう打破できるのか、アメリカを苦難の底から掬い上げる具体的なプランを持っているか、という問いかけに対する答えがNOになるから支持されないという理屈。ヒラリーは有能かもしれないが、アメリカを変える力はない、ビジョンも乏しい。ヒラリーが大統領になったところでアメリカは良くならず、このまま下降の一途をたどることが目に見えている。一方トランプはというと、実力は不明だがわけのわからないビジョンはある。それが支持できる内容だと思う人、変化を求める人がトランプに投票するのだろう。

ヒラリー大統領でアメリカは良くならない

クリントン氏が大筋でオバマ路線を継承するのに対し、トランプ氏は大幅な転換を訴えます。多くの分野で主張が対立しており、選挙結果は、世界経済やTPPなどさまざまな領域に影響を与えそうです。

米大統領選 両候補の政策の違いは - Yahoo!ニュース

やはりヒラリーの路線は大まかに言うところの現状維持なのだろう。トランプのようにド派手な大転換を謳うわけではなく、既定路線を地味に拡張していく、今までに築かれてきたものを補強するような形。良くも悪くもまともすぎる。オバマ大統領は2選したが、それも他にましな人がいなかったというだけで、8年もやっていたのにあまり支持されていなかった。それはオバマという民主党の大統領が、その任期の間にアメリカにとって良い変化をもたらさなかったからだろう。その路線をヒラリーが引き継ぐとなれば、もしくは少ししか変えないというのであれば、オバマの支持率の低さがそのまま引き継がれてしまうのは理解できる。

女性だから?

なぜ、クリントンは嫌われるのか?

ー中略ー

面白いことに、その答えは数限りなくあっても、はっきりしたものがない。

私たちは「彼女がいかに信用できないか」について語るが、ファクトチェッカーによると、クリントンは国内の主要な政治家の中で2番目に最も正直だとランク付けしている(そして、彼女の対立候補は最下位だ)。クリントンには透明性が欠けていると言われるが、彼女の対立候補は確定申告書の公開を拒んでいるし、今のところ内国歳入庁は記録を明らかにしない。クリントンの企業や金融業界との関わりが非難される一方で、対立候補は納税回避する法の抜け穴を上手く活用し、オバマ大統領は再選時ウォール街から記録破りの資金提供を受けていたのに任期満了を惜しまれている。

クリントンが嫌われる理由は延々と長く続くが、すべて完全にデタラメだ。

もう隠すのは止めよう。ヒラリーが嫌われる理由はただ一つ、女性だからだ。 | Larry Womack

これを書いた人は各社記事にあるヒラリーが支持されない理由を読んだけれど、はっきりとした根拠たる根拠を見つけることができなかった。あとに残ったのは「女性だから」しかないんじゃないか?という結論に至っている。この人がヒラリーを支持する理由は至って普通で、有能で経験豊富でふさわしいといった他の支持者が掲げる理由と大差ない。そして、トランプ不支持の理由が明確に書かれている。どちらかというと「こんな人間を候補に挙げるなんて正気の沙汰じゃない」と言わんばかりにトランプに対する圧倒的な反発が強調されている。ヒラリー支持というよりは、反トランプとして至って冷静でまともな意見だと言えるんじゃないだろうか。

感情 vs 理性

これぐらいの内容を読んで、ヒラリー不支持の理由として見えてきたことは二つあった。一つは、現状維持が支持されないということ。オバマの民主党政権が2期続き、あまりいい成果が発揮できなかった。その路線を引き継ぐ形で同じ民主党のヒラリーが大統領になっても何もできないんじゃないだろうか。政策を見ても、うーん別に、だったらヒラリーである必要はないよね、という内容。一方トランプはというと、内容はともかく彼にしか思いつかない政策を掲げ、これまでの路線から大幅に脱却していこうという意志で、大衆のバクチ精神を煽っている。

二つ目は、どうもヒラリーさんは感情的に嫌われているということ。高慢だとか冷たいとか人間としての温かみに欠けるとか言われたい放題だ。女性であることは支持される理由に全くなっておらず、むしろ女性からも敬遠されていることが伺える。その点トランプに関してはメディア戦略であったり、人気取りが上手い。発言を非難する層も多いことは多いが、一方では大衆のハートをがっちり掴み、圧倒的な支持を獲得している。これは芸人の素養というか、話術の成せる業であり、宣伝とコミュニケーションに長ける商売の手法だろう。

ヒラリーが理性的な人物かどうかは知らないが、ヒラリーを選ぶということがトランプを選ぶよりも理性的に正しいことは間違いないだろう。しかしヒラリーは感情的に支持されていない。そしてトランプはと言えば、その中身が理性を欠いていようとも、自身の武器として感情に訴えかける言葉を巧みに繰り返し、多くの支持を集めている。トランプを嫌いな人も多いが、好きな人も多い。一方ヒラリーを嫌いという人はいても、好きという声はあまり聞かない。この選挙はアメリカ国民が、マジョリティとして感情に流されるか、理性を保つのかを判断する選挙として見ることができるんじゃないだろうか。世界で最も強大な権力を有するアメリカ大統領の選挙が、好き嫌いで判断されるただのお笑い人気投票になるかどうかの境目である。この結果は我々外国人にとって対岸の火事で済む話ではないんだけど、我々には投票権がないため結果がどうなろうと見守ることしかできない。

【米大統領選2016】本当のヒラリー・クリントンとは  レンズの中の人生 - BBCニュース

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