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お酒と頭痛と人間関係

お酒を飲んで、ものすごく頭が痛くなった。グラス1杯のビールと、焼酎2杯しか飲んでいない。飲んでいるときは平気なんだけど、アルコールが酸素と混ざりアセトアルデヒドになる頃には頭痛をもよおす。具体的には外食をし1時間か2時間後、自宅へ戻った頃だった。まだ時間は早かったものの、既に頭が痛くてこのまま寝てしまおうと思い、ベッドに入った。そしてすみやかに眠った。

僕は何かと闘っていた。そして誰か知らない人に罵倒されていた。「あなたは最初優しくしておきながら、そうやってすぐつけ離してくる。ひどい人だ」僕はその言葉に対して反論を考えていた。「だって、例えば抱きしめられて、その力がどんどん強くなってくると引き剥がしたくなるだろ、それと同じだよ。君の力は既に強すぎるんだ」そう思いながら、僕は口に出すのをやめた。よく考えてみれば僕自身だって、別の人に対して同じようなことをしている。人との距離感をうまくとることができない。

目を覚ますと、額に汗をかいていた。頭痛は激しくなっていた。僕はベッドから起き上がり、毛糸の帽子をかぶった。部屋は寒く、頭が冷えたせいで頭痛が増している。寒い日の夜は、よく頭痛がする。そういうときに僕は、帽子をかぶって寝るようにしている。ナイトキャップをかぶって寝るという習慣が、なんのためにあるのかずっとわからなかったけれど、もしかしたら頭が冷えすぎるのはよくないからかもしれない。再びベッドに入る。頭痛は少しましになった気がするが、おさまる気配はない。もう一度寝ようとするが、額には脂汗がにじむ。そのうち吐き気をもよおして、トイレで吐いた。胃の中が空になると頭痛は少しおさまり、朝まで眠った。もう夢は見なかった。あの夢は頭の中で起こっていた具体的な痛みに連動していた。

頭痛の元になったのはお酒と寒さだったが、頭痛から連想されたあの夢の痛みは、自分の中にあった。自分と人との関わり方。誰かが自分の痛みの種になっており、自分も誰かの痛みの種になっている。それが頭痛という別の痛みによって思い起こされることもあれば、それ自身が頭痛の種になることもある。相手の痛みを知るにはどうすればいいだろう。相手が痛まないようにするには。自分の痛みを知らせるにはどうすればいいだろう。程よい力加減で、人と関わるには。冷静になるしかない。のめり込まないようにする。対象を分散させる。一人の人に対してではなく、別の物事や、別の人に対して分け与える。よく誰にでも優しい人は、一人の人に固執しないと言う。それは一つの対象に集中できないのか、もしくはこだわることに対する危険性、痛みが生じる可能性を知っているからかもしれない。

痛みを乗り越えてこそ、真の関係性が築けるという言葉もある。はたしてそれが、僕の頭痛にも当てはまるだろうか。少しずつ慣れていけば、その先に見えてくるものは確かにあるかもしれない。自分の懐も深まるだろう。しかし早急な痛みは、単に反動だけをまねく。その先には、もうこれ以上関わりたくないという拒絶さえ出てくるかもしれない。一つ一つの対象に対して、お互いの許容範囲をわきまえながら、冷静に、少しずつ距離を縮めていくのが正しい付き合い方なのだろう。

お題「最近見た夢」