香港旅行記、プロローグ

出国の搭乗時間は朝8:50、搭乗手続きは遅くとも30分前までに終わらせないといけない。空港で1時間余裕を持って行動しようとすると、朝7:20には空港に着いていなくてはならない。自宅から関西国際空港までは2時間半かかる。となると自宅を出るのは朝4:50、そんな時間に公共交通機関は動いていない。第一、4時台に起きて移動するなんてしんどい上に起きられる自信がない。そういうわけで、いつものように空港泊することにした。

いつものようにと言っても最後に空港へ行ったのは去年の6月。もう1年もご無沙汰であり、旅行そのものに対してやや臆病になっている。根拠のない弱気。「イスラエルに比べたら何も心配いらない」そう思いながらリュックを背負い、夜の空港へ向かった。

京都から大阪へ

平日の夜、大阪の駅はスーツを来た通勤客であふれかえっている。いつも大阪はこうだった。日本に帰ってきてからあまり訪れていなかった大阪の日常風景を見て、会社員の頃のトラウマみたいなものがよみがえり、ちょっと気持ち悪くなる。この波にはもう二度と入れないなーそれぞれの意味で。淀屋橋から地下鉄で難波へと向かい、南海電車に乗り換え関西国際空港へと向かう。

乗車中はKindleで本を読む。「幻獣ムベンベを追え」という本で、時は1988年、早稲田大学探検部のメンバーが社会主義時代のコンゴへ行き、ムベンベという得体の知れない動物を探す本。高野秀行のノンフィクション作家デビュー作で、唯一無二の団体モノ。こんな探検に比べたら、これから自分の向かう旅行なんて町内の散歩みたいなもんだと励まされる。行き先は香港、訪れたい場所は九龍城跡地、重慶マンション、廟街、深セン。

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)

ずっと行きたかった香港

観光で香港を訪れた人のがっかりエピソードは割りとよく聞く。「何もないところだよ」と。そう言った人たちが何を求め、どこを旅行して「良かった」とか「何もなかった」と言っているのか知らないけれど、少なくとも僕にとって香港はずっと行きたい場所だった。

九龍城跡地は現在公園になっており、取り壊される前の影も形もない。むしろ残っていたところで中に入る勇気はなかっただろう。飽くまでその地に思いを馳せ、記念に訪れたいだけだ。九龍城のことを知ったのはプレイステーションのゲーム「クーロンズ・ゲート」であり、その摩訶不思議な世界観に魅せられた。現実の九龍城はというと、取り壊し前は「人が住む廃墟」だった。

九龍城ほどではないが、そんな雰囲気を残した場所は香港にまだいくつか残っている。重慶(チョンキン)マンションもその一つだと言われていた。古い5つのビルが1階2階でつながっている。中はホテルや両替屋、レストラン、土産物屋、住宅などあらゆる用途で使用されている。出入りする人種も多種多様、インド、中東、アフリカ系が多い。クーロンズ・ゲートでは「重慶花園(チョンキン・ガーデン)」という名前でダンジョンとして出てくる。先日はNHKの72時間という番組で特集も組まれていた。

www.nhk.or.jp

廟街は別名テンプル・ストリートと呼ばれている屋台が連なる通りだ。沢木耕太郎の「深夜特急」を読んだことがある人なら、誰だって一度は廟街を訪れてみたいと思うはずだ。

深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)

深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)

最後に深セン。深センはここ数年ネットでもたびたび取り上げられており、最も熱い地域の一つだろう。曰く、東洋のシリコンバレー。曰く、秋葉原の50倍。観光で行っておもしろいかはともかく、香港へ行くならついでに寄ってみたい場所だ。

空港で寝る

関空に着くと、とりあえずターミナル1の4F国際線フロアへ向かった。今回乗るpeach航空はターミナル2だが、これまで旅行前に何度も訪れた4F国際線フロアの空気、日本人よりも外国人が多く、国籍多様の雰囲気を味わっておきたかった。しかし空港は人が少なく、それは国際線フロアも同じだった。これまで関空での空港泊も二度経験しているが、こんなに人が少ないのは初めてだ。

国際線フロアを離れ、KIXラウンジという名のネットカフェで寝ようと思っていた。KIXラウンジの前まで来て、KIXカードを忘れていることに気づいた。KIXカードを提示すれば半額で利用できる。

関西国際空港内特典|KIX-ITMカード

今回はあきらめようと思い、空港内のベンチで寝ることにした。外国で空港泊するときは床やベンチで寝ていたんだから、今更ためらう理由はない。ただもうこれ以上ターミナル1にいる理由もなくなったから、ターミナル2へ移動することにした。

peachに乗るのは今回はじめてで、ターミナル2を利用するのも初めてだ。エアロプラザというところからバスで向かわないといけない。不便だ。そしてターミナル2には本当に何もない。がらんどう、人も少ない。Wi-Fiはつながるが、充電するための電源も限られた場所にしかない。

やることもないから寝ようと思ってベンチを探し歩いた。ベンチは広く快適に寝られそうなのがいくつかあった。靴を脱ぎ、横になって寝ていると近くの液晶ディスプレイから延々と同じCMが流れていてうるさい。「ニートと呼ばないで〜ニートと呼ばないで〜」なんのCM?誰が得するのこのCM。

次回、香港旅行記1日目①「入国!!」

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