「多動日記」感想・書評

多動日記は、高城剛がヨーロッパを旅行中に書いていた日記。タイトルは日付と滞在先になっているが、滞在先にはほとんど触れておらず自身の意見だけを述べている。著書「2035年の世界」のことが触れられているから、書かれたのはおそらく2014年のあたりだろう。多動日記の発売は電子版のみで、出版社を通さない高城未来研究所からの直販。黒本と同じスタイルだ。黒本は本人のメルマガからQ&Aを抜粋しただけで380円とお手頃な価格になっているが、この多動日記はそれとは違い高城剛の意見しか書かれていない。

黒本などのQ&Aにはよく「高城剛のフォロワーがなんでこんな質問してるの?」と思わざるをえない低レベルな内容にも高城剛が懇切丁寧にはぐらかしている。今回の多動日記にはそういう無駄な部分が省かれているため、メルマガを購読していない僕は読んでいておもしろかった。値段は680円だったかな。

ディズニーランドは、「キマった」人が作った「キマった」人たちにとっては夢の国だろうが、そこにシラフの老若男女行って楽しむなんて、「キマった」人々には悪夢に映るだろう。現世そのものが「キマった」ように感じるから。

位置No.215-217

世界を多動する

さて、訪問中の国のことには触れていないと言っても、世界中を旅して回っている高城剛が得た、意外な、刺激的な海外情報が満載だ。それがウソなのか本当のなのかは自分で調べてみてください。

先月仕事で訪れたキルギスは、英語がまったく通じない国で、携帯電話のプリペイド SIMひとつ買うのにも、相当に困った。一緒にいた政府の役人が手伝ってくれなかっ たら、買うことも設定することも、永遠に出来なかっただろう。それほど、キルギスは西欧社会(だれもが知る「当たり前」と同義)とは距離がある国だった。

位置No.230-233

この人はキルギス政府の役人とつるんでいったい何をしているんだ。それはともかく、観光で訪れることが一般的ではない国では、キルギス以外にも同じような状況があるだろう。いわゆるグローバリズムから距離がある国、地域。高城剛はフラット化した世界から逸脱した「圏外」にこそ面白味を感じる人で「圏外」の話はメルマガにもよく出てくるキーワードというか、彼のフォロワーなら当たり前に通じる言葉みたいだ。

マクドナルドが出来てしまった観光地は、年々つまらなくなる

位置No.253-254

ビートニクスの時代から、形式的に作家と呼ばれるが、実際は社会不適合者な人々の生活は、なにも変わってないのだろう、デジタルを取り巻く環境以外は。

位置No.303-304

宇宙人高城剛

松尾芭蕉は、 同じ宿場に3日と泊まることができない。

位置No.320-321

自分を宇宙人だと例えており、松尾芭蕉も同じ星の出身だと主張する。頭おかしいと思うかもしれないが、例え話だ。そしてイノベーター理論の話になる。世の中を牽引する2.5%のイノベーターはみんな自分と同じ多動的であり、同じ場所にとどまれないと言う。

「現状をいかに維持するか」ばかり考えている人や、「現状が変わることを望んでいる」だけで待っていて自らはビジョンも描けない、イノベーターに追随するだけのアーリーアダプターと全く話が合わないと言う。高城剛のフォロワーも半分以上はアーリーアダプターだろうなー。今目の前に存在しない新しいものを求めて、実際どれだけの人が動いているのか。

東京のヨドバシカメラやビックカメラが閉店してしまうほど、日本の景気が悪くなる時が来るのをイメージできる人がどれくらいいるのだろうか?それが南欧の現在だ。

位置No.381-382

依存の話

いまから200年ほど前の人類は、1日2食の生活を営んでいた。それを1日3食 に変えたのは、かの発明王エジソンである。エジソンは、自身が発明したトースター を売るために「ブレックファスト」を商品同様に普及させたのだ

位置No.409-411

え、そうなの?気になる人は調べてみてください。ここから過剰な食べ物やカロリーの中毒、依存に陥る人類に対して警鐘を鳴らしている。糖や油に中毒性があることは有名であり、ダイエットが難しいとされる理由もこの糖や油の離脱症状があるからだ。古代人類が定住するようになったのもカロリー中毒に陥ったからだと主張している。

そして話はパチンコや課金ゲームにまで広がる。もうこうなってくると脳内分泌物の話ですよね。ドーパミンを制する者がマーケットを制する。人間は脳内分泌物という感情の奴隷であり、同時に脳内分泌物のコントロールに長けた人物や企業の奴隷となる。この本を読むことに刺激を覚えている僕とか。自分の理性でどれだけ感情をコントロールできるかが大事ですね。抑制ではなくコントロールです。

精製された砂糖たっぷりの間食やB級グルメ、そして仲間との盛り上がりが安定剤として機能し、自分を取り戻すことがどんどんできなくなっていく。

位置No.482-483

続きはメルマガで

他にも引用していればキリがない。アメリカの共和党・民主党といった二項対立の構造が終わり、リバタリアン勢によって2州の大麻解禁が決定したとか、反社会勢力が実権を握っているイタリアと日本は同じで状況はよりひどいとか、バルセロナにあるアルカイダ系のカレー屋がうまいとか、観光地はハードだけでなくソフトが充実していないと凋落するとか、AIを積んだ意思を持つドローンが未来の象徴だとか、まだまだ全然ある。もう一度読み直そうか。

多動日記のヤバさが伝わったでしょうか。なんというか、高城剛の話が事実にしろフィクションにしろ、あまりにも日本の常識と離れており外国にいた頃のことを思い出した。今日本に帰ってきて1年経つが、実感するのがずっと日本にいると日本の重力に魂を引かれる。ただ高城剛自身は日本も含めた世界の常識からズレているため、話のスケールが違う。

黒本シリーズも含め、これらの電子書籍は高城剛のメルマガへの布石となっているので、気が向いた人は購読しましょう。このような話が毎週届く。僕はお金がないからときどき発行される電子書籍だけをかいつまんで読んでいます。

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高城剛の講演動画なんかがYouTubeに上がっていたりするんだけど、あの台本も何も見ずにぶっ通しで1時間半なりペラペラとまくし立てる勢いは凄い。ずっと喋っていられる人なんだろうな。