"海外"っていう言い方は日本独特

「海外」っていう言い方は「外国」よりも一般的だが、僕はなるべく「外国」を使うようにしている。なぜかというと「海外」という表現が通じないことが多かったからだ。外国人と話していると「海外?海の向こう?なにそれ?」と言われる。なぜかというと、彼らにとって「海外」なんていう言葉は一般的ではないからだ。国と国は陸で繋がっており、国と国を隔てるのは国境でしかない。ましてや海に面していない国もたくさんある。内陸国の人にとって海外なんていう言葉は、どこか別世界の言葉のように思えるだろう。「海外?海の向こう?なにそれ?」である。

日本は島国だから、海外と言えば外国を指す。まさか海外と言って沖縄を意味することはないだろう。北海道沖縄あたりを区別するとしたら、内地、外地あたりの言葉だろうか。海外と言えばやはり外国であり、海外という言葉は海岸線が国境に相当する島国特有の表現に過ぎない。イギリスはどうか。イギリス連邦には4つの国があり、国境もある。イギリスで海外という言葉が一般的かどうかは知らない。イギリス人の友達はいない。オーストラリアはどうか、フィリピンはどうか、台湾は、島国なんて数えればいくらでもある。そこで彼らが「海外」なんて表現を用いているかどうか。そもそも「海外」は日本語だから、いわゆる「海の向こう」=「外国」的な認識を持っているかというと、おそらく持っているだろう。

だから日本独特とはいえ、日本だけ、ではない。おそらく。しかし、島国の人間以外に「海外」は通用しない。海を隔てた向こうにある別世界、という意味合いの強い「海外」という言葉は、内側である島とそれ以外を隔てる言葉である。島国の人間にとっては島こそが世界であり、島の外は別世界であるという認識が「海外」という表現に込められている。事実そうではなかろうか?陸続きの国々と同様に、隣の国のこと身近に感じているだろうか。所詮海の向こうの出来事だと思っている。言ってしまえば、外国という言葉もそうだ。海に関わっていないだけで、他国、ではなく外国なのだ。内と外だ。外の世界は、内の世界と隔てられている。そのような意識は根強い。その境界が絶対になくならない海ということで「海外」は尚更強い。

結局は、外国という言葉を使ったところで同じなんだ。我々は国を、内と外で分け隔てている。外の世界は自分とは関わりのない、ファンタジー世界のように半ば考えている。foreignという言葉は日本以外であまり耳にしなかった。よく外国人が、日本に来ると"alien(エイリアン=外国人の意味もある)"の扱いを受けると嘆いている。これがヨーロッパや東南アジア、南米、アフリカで暮らしていれば全然違っただろう。また、イギリス人に比べると、同じ島国の日本人はほとんど国外へ出ない。アメリカも多くの人はアメリカから出ないと言われ、アメリカ人はアメリカ=世界と思っているかもしれないが、アメリカに入ってくる人はたくさんいる。ビジネスであれ移民であれ、世界中からたくさん。日本とは規模も事情も違う。だからといって海外あらため他国、なんてい言われてもピンとこないな。