まだまだ夏、熱いマンガ特集2017

大学生の夏休みは9月末まで続くんだからまだ夏でいいだろう。熱いマンガ雑誌といえば、キングダム、嘘喰い、東京グール、源君物語、ゴールデンカムイ、リクドウなどを連載しているヤングジャンプだった。月刊誌だとジャンプSQが熱かったが、現在は以前ほどの勢いがない。個人的に最近熱いのはグッドアフタヌーン、少年エースあたり。それ以上にweb連載が良作に恵まれている。「青のフラッグ」なんてめちゃくちゃ騒がれているがまだ読めていない。

そういうわけで、ここ半年ぐらい読んでいるマンガからおもしろいのを挙げていく。夏や2017はあまり関係なく、新しくないマンガも含まれています。また、今までに挙げたことある作品は省いています。

ぐらんぶる(good!アフタヌーン) ★★★

[まとめ買い] ぐらんぶる(アフタヌーンコミックス)

これは夏マンガです。亜人とともにgood!アフタヌーンの看板を背負う超人気マンガ。絵もうまいし原作はラノベ『バカとテストと召喚獣』の作者。舞台は海が近い大学のスキューバダイビングサークルと、ダイビングショップ「グランブルー」なんだけど、大学のサークルっぽく死ぬほど酒を飲むシーンが多い。お酒嫌いな人はトラウマになるギャグテイスト強め。

しかし このマンガの魅力は、実は多様性の尊重にある。 スキューバ狂、アニメオタク、バイセクシャル、ゲイ、シスコン、面食いなど多種多様な人物が登場し、北原という一人の人物を中心に終始馬鹿騒ぎをしている。

〜北原名言集〜

人が本気でやってることを邪魔すんじゃねぇよ。アイツはあれでいいんだよ(25話)

だって、そこまで言われても尚、好きで好きで譲れない物があるんですよ?それって本当に凄い事じゃないですか(25話)

自分の「好きなもの」に正直な奴って俺、嫌いじゃないんだよな(35話)

彼方のアストラ(少年ジャンプ+) ★★★

[まとめ買い] 彼方のアストラ(ジャンプコミックスDIGITAL)

[1話]彼方のアストラ - 篠原健太 | 少年ジャンプ+

Web連載。最近はSFマンガ自体珍しいんだけど、この作品は言うならば「宇宙版ザ・ビーチ」(「ザ・ビーチ」はディカプリオ主演のバックパッカー映画)。

少年少女が宇宙を漂流しながらホームへ帰ろうと目指すマンガで、道中いろいろな惑星に立ち寄り水と食料を調達する。「無限のリヴァイアス」や「インターステラー」のような設定だが、ギャグを散りばめることで重さは軽減されている。

絵柄やキャラクターは少年マンガのそれなんだけど、甘く見ていると度肝を抜かれるSFミステリ要素があり、ギャップに驚かされる。今一番続きを読みたいマンガ。

イサック(アフタヌーン) ★★

イサック(1) (アフタヌーンコミックス)

戦国時代の鉄砲撃ちがヨーロッパへ渡り、傭兵として戦うマンガ。このような設定はありそうでなかった、ファンタジーというより現実の歴史を舞台にifを描いたような作品。史実を元にしたキングダムや蒼天航路のようなマンガ的誇張は控えめで、どちらかというとリアリティ寄りの設定を緻密に作り込んでいる。

この手の絵柄、戦闘描写、戦術を描く戦記物マンガは一定の需要があり、その層をしっかり満足させるクオリティとなっている。 熱い。まだ始まったばかりで、こういうマンガは長期連載してほしい。

虫籠のカガステル(月刊コミックリュウ) ★★

[まとめ買い] 虫籠のカガステル(RYU COMICS)

チキンの魂/虫籠のカガステル

Web連載完結済。僕は単行本で読んだ。そっちのほうが多分長い。カガステルという巨大な虫になる奇病が蔓延した近未来、虫は人間を襲い文明を崩壊させる。幼い頃から虫退治をなりわいとする青年は、ある日虫にやられた男から娘を託される。

世界観はナウシカっぽい。ブルージェンダーとかも近い。エデンほど描写が細かくなく、ややファンタジーより。最近だとゴッドイーターが非常に近い。こういう退廃的な世界観がまず好きなやつだ。 砂漠っぽい街も良い。最初から最後までしっかりストーリーが用意されていて、ちゃんとオチにもっていくのも良い。そのなかに恋愛とか友情とか死別とか成長とか、あらゆる要素を一通り盛り込んでいてなおかつバランスがいい。やっぱりカシムみたいなキャラクターが熱い。

ザ・ファブル(ヤングマガジン) ★★

[まとめ買い] ザ・ファブル(ヤングマガジンコミックス)

一見不普通のあんちゃんだが、実は伝説の殺し屋ファブル。ヤクザに匿われ、正体を隠しながら一般社会に溶け込んで生活するが、いろいろな事件に巻き込まれる。ヤンマガらしいヤクザチンピラ界隈のマンガ。

過去に何をしたのか、なぜ伝説になったかといった具体的なことはまだ作中で語られておらず、思考と技術と行動だけでファブルがいかにプロの殺し屋なのか描写されている。マンガによくある「いかにも暗殺者」な雰囲気を全く見せることなく隠しに隠し通す中で見えてくる本物の強さみたいなものが熱い。

ゲーマーズ!(少年エース) ★★

[まとめ買い] ゲーマーズ!(角川コミックス・エース)

ラノベ原作。現在アニメが放映されている。ゲームは好きだけど上手くない主人公が、友人と一緒にゲーム同好会を作る話、でいいのかな。半分ぐらいが恋愛と友情の話で、登場人物もオタク向け作品のテンプレをなぞっている。

このマンガの何が熱いかというと、 「ゲーム上手くないけど好きな人あるある」な描写だったりする。ゲームの箱の裏に書かれた説明が好きだとか、ソシャゲは課金をしなくても楽しめるとか、ゲームに対する向き合い方として"楽しむこと"を重点に置いている。僕自身ゲームは下手だけど楽しかったことを思い出し、童心に帰ったような気持ちになる。ネットで公開されているフリーゲームとか超やってった。マンガは始まったばかりだが原作が続いているので長期連載に期待。

創世のタイガ(イブニング) ★

創世のタイガ(1) (イブニングコミックス)

作者は「ホーリーランド」の森恒二。ゼミの実習で遺跡を探索している最中、洞窟に紛れ込み壁画を越えた向こうに広がっていたのは原始時代だった。洞窟は崩落して元に戻れない。ゼミ生たちがサバイバルを余儀なくされるなか、主人公タイガは現代よりもここに生きる実感を見出す。

過去にタイムスリップしてしまう漂流モノ。ネアンデルタール人に攻撃されるホモ・サピエンスが出てきたりするから、時代設定は3万年前ぐらいだろうか。宇宙を漂流する「彼方のアストラ」とは対局にある。これも始まったばかりのマンガで、今後の展開が全く読めずまだ原始時代に馴染んでいく段階。野外キャンプとかサバイバル描写が熱い。

ジャガーン(スピリッツ) ★

ジャガーン(1) (ビッグコミックス)

警察官の蛇ヶ崎は、世の中にはびこる不快に対してピストルをぶっ放したいと内心思いながらも、日夜作り笑顔で業務に取り組む。そんなある日、宇宙から飛来したおびただしい数のカエルが人間に寄生し、人々の不満を暴走させてバケモノに変え、事件を起こすようになる。蛇ヶ崎の彼女もバケモノとなり危うく死にかけるが、フクロウの宇宙生命体によってジャガーンになり、難を逃れる。

簡単に言うと寄生獣みたいな始まり方をする。人が死にまくり、エログロ描写も多い。「カエルを全部退治すると死んで終わり」という結末が提示されており、これ本当にちゃんとオチがつくのだろうかと不安になりつつ読んでいる。欲望むき出しの登場人物たちの狂った感じが熱い。

ピースメーカー(ウルトラジャンプ) ★

[まとめ買い] PEACE MAKER(ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

完結済。作者はスプリガン、アームズの皆川亮二。舞台は西部開拓時代風の別世界。とある女の子を助けたことにより、組織に追われることになった銃士とその仲間たちの物語。一人は争いではなくショーのために銃を使いたい、もう一人は世界一の銃士になるため修行中、そんな二人を利用して金儲けしたい男と出生が謎の少女の珍道中。

シリアスのようでコミカルで、考えられているようで行き当たりばったりの展開がおもしろかった。この手の長編マンガにありがちなパターンとして、中盤までが一番おもしろく、後半はしめに入る感じ。ハンドガンがテーマになっているためファンタジー寄りにしてはやや派手さに欠けるが、キャラクターの魅力に引っ張られて最後まで読んだ。バーンズ・スタイルのビートが断然熱い。 兄貴のコール・エマーソンは三島一八じゃねーか。

冴えない彼女の育てかた(ビッグガンガン) ★

[まとめ買い] 冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム(デジタル版ビッグガンガンコミックス)

こちらもラノベ原作。現在マンガで連載されているのは「恋するメトロノーム」という本編とは別の話で、霞ヶ丘詩羽がラノベ小説家に専念し、安芸倫也がその編集者になる話。

キャラや設定、展開などはオタク向けに都合のいい作品だから向き不向きがあるけど、僕が好きなのはここで描かれている ファン精神、信者としての信仰心。 あとはラノベ創作における現場の内情や、作者の葛藤みたいなメタ要素もマンガ作品っぽくおもしろく描かれている。ラノベ編集希望者養成マンガ?

ユーベルブラット(ビッグガンガン) ★

[まとめ買い] Ubel Blatt~ユーベルブラット~(デジタル版ヤングガンガンコミックス)

打って変わってファンタジーマンガ。 全体的にFFっぽい世界観のユーベルブラットは、モンスターを封印した七英雄が世界を統治し、討伐中に反逆した4人の裏切り者が粛清された後の世界。ハーフエルフのような少年が、実は生きていたと噂の裏切りの4人を迎え撃つところから話が始まる。日本より海外人気が高いらしい。

新しいマンガではなく、もう19巻も出ている。10巻までは話がまとまっておもしろく読めていたんだけど、最近は飛び飛びになったりとんでも設定が出てきたりして収拾つかなくなってきているように感じる。先の展開は考えられているのだろうか。

東京卍リベンジャーズ(週刊少年マガジン) ★

[まとめ買い] 東京卍リベンジャーズ

中学時代ヤンキーの下っ端だった主人公は、現在25歳のフリーター。さえない日々を送る中で、中2のときに付き合っていた彼女が死亡するニュースを見る。人生を振り返りながら電車を待っていると、ホームに落ちて轢かれそうになり、気づいたら12年前、中学生に戻っていた。そこから現代と過去を行ったり来たりし、中2の頃の彼女が死ぬ未来を変えようと奔走するタイムリープ作品。

マガジンらしい古典的ヤンキーマンガにタイムリープをミックスした異色の内容。 数年前から続くタイムリープのブームはこんなところにまでやってきたという感じ。最近の展開は特に熱く、そろそろマンガが終わるんじゃないかと予想される。

賢者の孫(ヤングエースUP) ★

[まとめ買い] 賢者の孫(角川コミックス・エース)

「賢者の孫」|ヤングエースUP - 無料で漫画が読めるWebコミックサイト

Web連載。ラノベ界隈で流行っていた、いわゆる異世界転生モノ。「ナイツ&マジック」なんかが非常に近い。都合の良さもいかにもラノベっぽい。現代の知識を持ったままファンタジー世界へ転生したチート主人公は、伝説の賢者に拾われ育てられる。特徴は魔法が中心となっているところだろうか。すがすがしいぐらいにチート なので、強くてニューゲーム好きならたまらない。

マンガをどこで読むか

さて、ジャンルや対象年齢を飛び越えて有名どころ話題の作品を挙げてきた。それでも僕の好みだったり、時代の流れを反映した作品の偏りが見受けられる。知らないマンガ、読みたいマンガは見つかっただろうか?

マンガを読むときは、喫茶店やネットカフェで雑誌を片っ端から読むことが多い。古いスタイルの喫茶店はマンガ雑誌を置いているところも多く、名古屋のコメダ珈琲にはいくつかあったんだけど全国チェーンには多分引き継がれてないだろうな。雑誌中心のオッサンのような読み方だ。

ただ最近は電子版で読むことも増えている。Webコミックは電子版で配信してくれたほうが読みやすいんだけどなあ。僕が持っているKindleペーパーホワイトは2012年のモデルだから、絵の読み込みが遅くマンガにはあまり向いていない。スマートフォンで読むには字が小さすぎるためMac版のKindleで読むことが多い。タブレット持っている人ならタブレット版Kindleがベストだろう。マンガは小説の比じゃないぐらい収納スペースが必要になるため、所有するなら電子版をおすすめします。Kindleファイア欲しい。プライム会員だったら4000円引きって本当なんですか。

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