意思確認を徹底すること

Netflixのドラマ「13の理由」の製作陣が伝えたかったことを特集した番組があり、その中で言われていたことの一つが「意思確認の徹底」だった。何の意思確認かというと、性交渉だ。このドラマ自体がレイプを取り扱っており、曖昧なままで、自分の勝手な思い込みで性交渉に至るのはレイプにつながるという話だった。ちゃんと相手の意思を確認するのがお互いの尊重のために重要だと。

こういう発想って割りとないがしろにされている気がする。どちらかというと空気を読むとか、わざわざ確認するのは野暮だとか、相手に了解を取るのは責任逃れの自己保身だとか思われがちだ。「13の理由」みたいなレイプは極端な例だが、行為に至る前にお互いの合意をあえて確認するなんてことは、避けられる傾向にあるように思う。そういうムードだったとか、OKのサインだとか、添善食わぬはなんとやらで、暗黙の了解に頼っている。

僕自身は相手の気持なんてわからないという前提があるから、基本的に意思確認をしてしまい、場が白けることも稀にあるんだけどそれはそれでよかったと思う。流れやノリ、酔った勢い、その場の空気だけで行為に至ってどちらかが後悔するぐらいなら、初めから無い方がいい。自分の場合は娯楽だったり、コミュニケーションの延長という意味合いが強いため、それ自体をお互いが楽しめないならやる意味ないと思っている。なるべく自分本位ではありたくない。

だから意思表示であったり、意思確認を徹底した方が気が楽だ。誤解がなくて済む。どちらかが後悔することは、事前に避けられたほうがいいに決まっている。それを空気を読むとか察するとか、曖昧な状態で逃げるのはお互いにとってよくない。曖昧な言葉で濁しても、相手には伝わらないことが多い。流れとか空気とかノリとか関係ない。嫌なものは嫌だと、どのタイミングであれはっきり伝えたほうがいい。自分をないがしろにする相手を尊重する義理などない。

「断れない」「はっきり言いたくない」っていう人もいるだろう。自ら意思表示ができなくとも、意思確認されたら正直に答えたほうが自分のためになる。だから明確な意思確認は事前にあったほうがいいんじゃないかと思う。それを興ざめだとか言うなら、初めからそういう状況を作らないほうがいい。相手を尊重しない人間がそういう隙につけいる機会を狙っている。