魂のこもった作品、削った命に心を打たれる

日本語には真剣という言葉がある。本気とか真面目という意味だが、もう一つ「斬れる刀」という意味もある。真剣勝負とは、斬れる刀で行う勝負のことを言い、勝てば生き残るが、負ければ死ぬことを意味する。つまり真剣という言葉は元々から生き死にを意味する言葉だった。

現代社会を生きる上で、生き死にがかかった現場、すなわち真剣勝負を挑む機会はどれほどあるだろうか。戦争に出向く兵士はそうだろうし、戦場のジャーナリストもそうと言える。プーチン政権を批判して暗殺されたジャーナリストなんかもまさに、真剣勝負を挑んでいた。

局地探検家もそうかもしれない。暗殺されたキング牧師やガンジーといった運動家、ホーチミンやチェ・ゲバラのような革命家もそうだろう。死ぬか生きるか、やり遂げるかもしくは殺されるか。そういう死線をかいくぐることでしか、人間は成長できなかったり、偉業を成し遂げられなかったり、人の心を動かせなかったりするんじゃないだろうか。

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夏、最近映画漬け。紹介や感想を4つ

夏は暑い。しかし映画館は涼しい。映画館で映画を見る人は最近また増えている気がする。映画見ようと思ったら基本1,800円ぐらいだが、割引サービスも多い。

  • 毎月1日 1,100円
  • 毎月14日 1,100円(TOHOシネマズ)
  • 毎月20日 1,100円(MOVIX)
  • レイトショー 1,300円
  • テアトル会員 毎週火・金曜 1,000円(年会費1,000円)
  • MOVIX会員 6回見たら1回無料(初回100円、年会費無料)
  • TOHOシネマズ会員 6回見たら1回無料(初回500円、年会費300円)

これを安いと見るか高いと見るかはともかく、1000円ちょっとで最新の映画が、映画館のスクリーンと音響で楽しむことができる。世の映画好き人口はどれぐらいのものだろうか。やっぱり映画館で見たほうがいい映画は多い。たまにしか映画を見ない人ほど、映画館へ足を運ぶことをおすすめします。

サービス案内 || TOHOシネマズ

料金案内 | MOVIX京都 | 松竹マルチプレックスシアターズ

  • ウィッチ ★
  • 自宅で見る
  • ジョン・ウィック ★
  • ディストラクションベイビーズ ★★
  • リップヴァンウィンクルの花嫁 ★
  • 映画館へ行こう
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「魔女狩り」の恐怖

"人は宗教的信念によって行うときほど、喜び勇んで徹底的に悪を行うことはない"
―パスカル 『パンセ』

岩波新書「魔女狩り」(著者:森島恒雄)を読んだ。この本はドイツ、フランス、スペイン、スコットランドといったヨーロッパ諸国において、中世から18世紀まで続いた『魔女狩り』がどういったものか、その実態を調べたものだ。現代を生きる多くの人は「魔女狩り」について歴史の授業かなにかで学び、概要を知っていると思う。

例えば、ジャンヌ・ダルクの名前を真っ先に思い浮かべる人もいるかもしれない。百年戦争の英雄だったジャンヌ・ダルクは、異端審問により火刑で死んでいる。実は、これはいわゆる「魔女狩り」には当たらない。このような「異端審問」と「魔女狩り」の違いなども本書では明確に記述されている。

魔女と言えば、ディズニー映画や童話などに出てくる老婆を思い浮かべるかもしれない。しかし実際に「魔女裁判」で殺されたのは"いわゆる魔女"として思い浮かべる老婆だけではない。若い女性もそうだが、男性や子供など魔女の烙印を押された人間は、誰かれ構わず殺されている。

果たして、魔女はいたのだろうか?15世紀から18世紀の魔女裁判で「魔女」として殺された人たちは、30万から900万人と言われている(p201)。全体としての具体的な統計は残っていないため、推定にばらつきがある。ただ「魔女旋風」と記された時代においては、その具体数はかなりの数にのぼっている。

ジュネーヴでは3ヶ月に500人(1513年)、トレーヴス(ドイツ)では7000人が焼かれ、そのために二つの村は全滅し、別の二つの村では生き残る者女2人だけとなった(1580年代)。ザクセンでは1日のうちに133人(1589年)... p6

彼らは全員魔女だったのだろうか?そんなわけがないことは明らかだ。では何故このような「魔女狩り」が行われたのだろう。「魔女狩り」とは一体何だったのか。

  • その前に「異端審問」
  • 「異端審問」から「魔女狩り」へ
    • 魔女的行為とは
  • でっち上げられた魔女たち
  • 「魔女狩り」が終わった理由
  • 現代の「魔女」はあなた
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2017年7月のふりかえり

7月も何もしないまま終わりました。お疲れ様でした。今月の更新は29回、そのうち写真回はたった3回だから多い。多くなった理由は、わずか3泊4日の香港旅行記を10回ぐらいに分けて書いたから。前回の日記にまとめているのでどうぞ。

  • 読書
  • 消化していない本リスト
  • 映画
  • 写真
  • その他
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思い出のヴィレッジヴァンガード

僕らの10代はヴィレッジヴァンガードと共にあった(僕は20代後半まで続いた)。ドンキホーテよりも文化的意識が高く、ブックオフよりもオタク臭控え目の、規格化されたサブカル憧れが集う場所だった「遊べる本屋」ことヴィレッジヴァンガード。しかしもはや失墜してしまって久しい。

ヴィレッジヴァンガード、大赤字脱却なるか | 東洋経済オンライン

僕にとって決定的だったのは、2014年にヴィレッジヴァンガード京都北山店が閉店したことだった。僕にとってのヴィレッジヴァンガード=京都北山店だったと言ってもいいぐらい、付き合いが長かった。店員と面識があったりするわけではないが、実家から自転車で10分ぐらいの距離にあって一時期は毎週ぐらいの勢いで通っていた。

  • 京都北山店
  • 出会ったもの
    • ジャケ買い
    • 海外旅行への入り口
    • 海外文学・お香・雑貨
    • 買わなかったもの
  • さよならヴィレッジヴァンガード
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「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1995)」ネタバレ・感想・評価

『攻殻機動隊』を初めて見たのは、映画『マトリックス』が公開された頃だから1999年になる。当時マトリックスはめちゃくちゃ騒がれていた。そんなマトリックスが、日本のアニメに影響を受けて作られたと知る。オープニングシーンなんかはまるまるパクリというかオマージュになっている。そのアニメというのが『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』だった。監督は押井守、『ビューティフル・ドリーマー』で有名な人らしい。押井守については名前も知らず、ビューティフル・ドリーマーも見たことがない。結局マトリックスを見た後に攻殻機動隊を見た。映像はすごいし、サイバーパンクの世界観はかっこいい(もっと前にアキラを見ていた)。でも映画そのものは、当時高校生だった僕にはわけわからなかった。

攻殻機動隊は日本ではヒットしなかったが、アメリカではセルビデオが100万本売れたらしい。ビルボードランキング1位を取ったそうな。何じゃそりゃ一体。アメリカで受けたのはサイバーパンクの前進である『ブレードランナー』が人気だったことや、『アキラ』の影響もあったのかもしれない。攻殻機動隊はインターネットがある世界をベースにした設定である。映画が公開されたのは1995年で、アメリカにおいては既にWindows95を中心にネットが普及していたから、入りやすかったという意見もある。それにしても難しい映画だった。ネットや近未来の世界観において、「人間とは、自己とはなんぞや」という問いかけが物語の主題になっている。

  • あらすじ
  • ここからネタバレ
  • 「人形使い」の正体
  • 「人形使い」との対話
  • 感想とか
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映画「リンダリンダリンダ」で見たブルーハーツの力

底辺文化系トークラジオ「29歳までの地図」を聞いて、映画『リンダリンダリンダ』を見た。

映画の内容をネタバレしているため、映画を見る人はあとから聞いたほうがいい

軽音部が高校の文化祭でブルーハーツの「リンダリンダ」を歌うだけ、というシンプルな映画だ。起承転結を明確に描くというより、邦画にありがちなゆったりとした情景の中に変化を混ぜながらそのままクライマックスまで持っていく。

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写真に解説を付けてみる実験

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一風堂に群がる外国人を撮ろうとしたら偶然前を横切ったジイさん。ジイさんの口から出てきたミニチュアっぽい

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3人グループを先導する白人のオッサン。ではないが、たまたまそういう構図になった。彼ら3人が何友達でどこへ向かっているのか想像する。

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こちらも浴衣のご一行様。群衆をかき分けどこへ向かっているのか、奥の鉾も含めてロープて繋がった犬の散歩っぽい。

香港旅行記4日目「感想・考察」

前回の続き

4日目は15時50分発の飛行機に乗る。空港には14時ぐらいに着いておけばいいだろう。帰るにあたりカバンに荷物を詰め、軽く掃除を済ませ、宿泊先を出た。今日も暑い。速やかにバスに乗り、佐敦(ジョーダン)駅を目指す。

バスで直接空港へ向かうことも可能だが、現金がないため駅でオクトパスカードを返却し、デポジットを返してもらわなければいけない。オクトパスカードの返却はおそらくどの地下鉄駅でも受け付けている。改札にある窓口で「Refund(リファンド)したい」と言ってカードを渡せば即座に手続きしてくれる。

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現金を手にしたが、空港に行くにはまだ早すぎると思い、佐敦(ジョーダン)駅の周辺をブラブラする。そう言えばお土産を買ってなかったなあと思い、Welcomeスーパーに入った。鴛鴦茶を買おうと思ったが売っておらず、普通のミルクティーを買ってしまった。他に定番お菓子としてPOP PANのネギ塩味を買う。これで空港へのバス代を除いた現金はほぼ使い果たした。あとはバスに乗って空港へ行き、帰るだけ。

香港のお土産!激安バラマキ系はスーパーで大人買い!|TapTrip

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30歳で引退した

後は野となれ山となれ、えいやーっと引退したのは30歳だった。あれから4年、まだ生きてるなあ。

生きることはすなわち死と隣り合わせであり、生まれ落ちたはいいが何も持ち合わせていなかったため、死に向かう過程の餓えや貧困に伴う痛みという感覚を恐れて、ほどほどに勉強したり就職したり、いわゆる社会参加に勤しんできただけの30年であった。それは恐怖だけを動機としていたからか、心の何処かにどうでもいいという正直な気持ちを秘めていたせいか、結局うまく回らずに、引退という選択を余儀なくされた。反発があったのだろう。拒絶があったのだろう。かといって死に伴う恐怖に抗えるようになったわけではないが、生きるにあたって保証のようなものを求めるのことはあきらめた。やっぱり無理だなって。社会参加から引退した30歳。その後、やり残したことを消化した数年。それも終わった。今は特に、手元には何も残っていなくて、頭の中も空っぽだ。恐怖がないと言えば嘘になるが、真っ向から立ち向かう気力はない。もういつ死んでもいいし、いつ死ななくてもいい。どうでもいい。

特別お題「『選択』と『年齢』」

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ジョギングを始めようと思った

最近お酒とタバコの量が増えてきて、軽く中毒のようになっている。体調はあまりよくなく、お金もかかりなんとかしたいと思った。しかし禁酒禁煙なんて非現実的だ。そこまでひどいわけでもなければ、お酒は付き合いもあってやめることもできない。それに、ドーパミンである。ドーパミン中毒に陥っているなら、抜け出すのは並大抵のことではない。それが生活習慣と化してしまっているなら尚更。

  • 代替ドラッグ
  • 走るペース
  • 軍隊とジョギング
  • ジョギングコース
  • ただ走ってればいいだけ
  • ジョギングが続かない理由
  • ジョギングを続けるには
    • 参考:Podcastを紹介している記事
  • 15キロ太った
  • ダイエットならジョギングよりも…
  • 体力はほしい
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