コンテンツ産業の行く末はどうなるのか

先日マンガ家の人が「今の消費者はコンテンツにお金を払う感覚がない」と言っていて、コンテンツ産業のビジネスモデルについて思いを馳せていた。僕自身はただの消費者だから作り手のことはわからないけれど、とあるWeb媒体のマンガで「続きは有料」という形式にしたら「続きが無料で読めないから★一つ」といった評価が付くそうだ。怒りの気持ちもわからんではないが、これら本来予期していない形の評価はコンテンツの生産者と消費者の間にある意識の齟齬と、システムのアンマッチから来ているのだろう。

作り手は苦労して生み出したコンテンツにお金を払うのが当たり前だと考えている。一方、消費者はコンテンツをタダで消費できて当たり前だと考えている。そして作り手側の評価システムは純粋に作品の評価を望んでいるにもかかわらず、供給の仕組みそのものが評価に反映されている。これら作り手と受け手の間にある意識の齟齬はどのようにして生まれ、またどういう形で溝を埋めるのが適切なのだろうか。

  • デジタルからネットワークへ
  • 音楽・映像コンテンツの出した答え
  • 海賊版への勝利
  • KindleUnlimitedは答えになるか
続きを読む

それでもとりあえずなんとか生きてるわけで

日記です。だらだらしていたら1年と3ヶ月過ぎちゃったよ。ダメだなー。そうやって何年も過ぎちゃったよ。今その瞬間何をしようか常々考えているつもりで、いや、何をしないかを考えている。4月から始めたバイトは半年が過ぎた。とりあえずの生活費確保であったが、あまり長く続ける類のものではないから、早く別の方向性を考えないといけないんだけどめんどくさい。その日暮らしはめんどくさいことばかりで、少しでも余裕のあるうちにやっておいたほうが差し迫ったときに楽なんだろうけど、生活のこととか考えるのだるい。

  • ジョギング中断している
  • まだまだ読めていない本
  • 荷物の処分が進まない
  • マンガ「Btoom!」を読んだ
  • ついに株を購入
    • NISA
    • 銘柄選び
続きを読む

映画「ライオン」を見て、子供について考える

この映画は幼い兄弟が列車から石炭を盗むところから始まる。インド郊外にある小さな町、兄弟は盗んだ石炭を店で牛乳と交換してもらい、家族へ持ち帰ってみんなで分けて飲む。父親はどうやらいないようだ。母親は石を運ぶ仕事場へ行き、兄弟は一番下の妹を寝かせ、兄は夜も仕事をするために町へ出る。幼い弟は兄についていきたいと言う。夜通し働くからお前には無理だと兄は言うが、どうしてもついていきたいと聞かず、兄弟で列車の駅へ向かう。ジャンルは感動系ホームドラマ。

主役である弟、サルーを演じるのは『スラムドッグミリオネア』やイギリスのドラマ『SKINSシーズン1.2』に出ていたデーヴ・パテール。兄グドゥを演じるはアビシェーク・バラトという無名の17歳だが、この映画では一番光っていた。他にニコール・キッドマンやルーニー・マーラが出ている。ルーニー・マーラはこの映画にいらないだろっていうような役だった。ネタバレ無しで見たい人はこのへんで本編を見ることをおすすめする。

  • ネタバレありのあらすじ
  • インド人ではかなり幸運な例
  • 国際養子縁組の実例
  • 子供の問題に向き合うということ
  • 映画的な感想
続きを読む

「損をして覚える株式投資」感想・書評

個人投資家の人と話す機会があり、投資関連の本を何冊か読んでいる。今回読んだのは2012年に亡くなられた邱永漢の『損をして覚える株式投資』。これを読むに至ったきっかけは、知り合いの個人投資家が邱永漢の本を勧めており、ブックオフで100円で売っているのを見かけたから。

邱永漢という人は台湾生まれ、日本人の母親を持つハーフで、後に帰化している。東大経済学部を出ているが本業は作家。帰化前には当時外国人として初の直木賞受賞だったそうだ。でもどうやら株で成功したことのほうが有名らしい。株に関連する本もいっぱい書かれている。

  • 中国株で有名
  • 同じことが書かれている
  • 損をするパターン
  • グロース投資の草分け
  • これからの中国株は
続きを読む

ヒトコトへの回答⑥:共感できる記事

このブログではGoogleフォームからご意見などを頂いております。スマートフォンでページを一番下までスクロールしてもらえば出てくるアレです。それをときどき拾って回答してたりします。最近続いてますが、今回は長めでした。

  • 38通目:共感できる記事
  • ひとことどうぞ
続きを読む

ブサイクで貧乏な人と付き合う理由

利得で結びついた人間関係は弱く、初めからなかったようにぷっつりと切れる。例えば女性と男性が結婚するとしよう。男性を選ぶ基準が「顔がいいから」だとしたら、加齢などにより顔がよくなくなると相手への興味は失われる。「経済力があるから」だとしたら、無一文になった途端別れを切り出される。そういうのは人間関係とは言わない。ビジネス上のパートナーシップと同じで、事業提携の契約のようなものだ。ビジネスは利益を上げることが至上の目的だから、ビジネス上の契約関係がお互いの利益に見合わなければ、簡単に切れる仕組みになっている。むしろ簡単に切れなければ問題なのだ。利益にならない関係をいつまでも続けたりすることはビジネスそのものの存亡に関わる。だから状況に応じて次々に相手を変えていく。同じ会社同士が良い関係を長年維持しているのは、仲がいいからではなく、お互いにとってたまたま都合が良かったからだ。

  • ビジネスライクな人付き合い
  • 一緒にいて楽しい友人と、そうでない友人
  • 合理的な恋人関係
  • 人間関係なんて築けるの?
  • ブサイクは本物の関係の元に生まれた誇りかもしれない
続きを読む

ヒトコトへの回答⑤:八方美人

このブログではGoogleフォームからご意見などを頂いております。スマートフォンでページを一番下までスクロールしてもらえば出てくるアレです。それをときどき拾って回答してたりします。今回些細なやつが来たけれど回答してみる。

  • 37通目:八方美人
  • ひとことどうぞ
続きを読む

「ソクラテスに聞いてみた」感想・書評

友達、恋愛、仕事、お金、結婚といった現代人の素朴かつ根源的な悩みについて、この本では「ソクラテスに訊ねる」という構成になっている。文章は対話形式になっており、ある日facebookで友達申請が来た自称ソクラテスのおっさんと道端で出会い、お悩み相談をすることになるという進行。著者は古代ギリシャ哲学の研究者で、このようなソクラテス入門書だけでなく専門書や論文も書かれている。

  • 初心者向けの入門書
  • 実行できないことが悩み
  • 実行に必要な指針
  • 悪徳主義との対比
続きを読む

ヒトコトへの回答④:逃げる・小説の書き方

このブログではGoogleフォームからご意見などを頂いております。スマートフォンでページを一番下までスクロールしてもらえば出てくるアレです。それをときどき拾って回答してたりします。今回一通だけですが、回答してみよう。

  • 36通目:逃げる・小説の書き方
  • ひとことどうぞ
続きを読む

This is ハードボイルド「ロング・グッドバイ(翻訳:村上春樹)」の感想・書評

彼はライターで胸をとんとんと叩いた。「もうからっぽだ。かつては何かがあったんだよ、ここに。ずっと昔、ここには何かがちゃんとあったのさ、マーロウ」

位置No.7672-7674

今回読んだのは、村上春樹が影響を受けたレイモンド・チャンドラー著『ロング・グッドバイ』を村上春樹自身が翻訳したもの。「影響を受けた」っていうのが実によくわかる文章で、これぞハードボイルドという感じだ。しかし、書いたのがアメリカ人だとなんでクサさを感じないのだろうなー。これが日本人だったらと思うと、この本はクサいセリフの見本市になる。

  • ハードボイルドをクサいと思うか?
  • アメリカだからこそハードボイルド
  • 『ロング・グッドバイ』と村上春樹
  • 感想
続きを読む

iPodと共に終わった僕らの時代

2017年の9月も半分が過ぎました。なんもしてねえ。何もしてなくはないんだけど、なんだろこのすっからかんな感じ。子供の頃から積み上げていくことが苦手で、新しい積み木をあっちこっちと並べていた。同じことが続けられないから上達しない、前に進まない。気が散っては別のことをして、戻ってきたら全部忘れていて、また一から始めての繰り返しです。だって飽きてしまうから。賽の河原ですらない。

  • iPhone X
  • iPod終了のお知らせ
  • 時代の流れに取り残された
  • 僕らの時代は終わった
  • もう若くない側
  • 終わった時代を懐かしむ
続きを読む

「バフェットの銘柄選択術」エクセルシートを作った

以前に個人投資家に勧められた『億万長者を目指す バフェットの銘柄選択術』を読んだ。僕は億万長者など目指していないが「10年以上読み続けられている」と呼び声のある名著らしく、中古で買っても1200円以上する(定価1700円)。著者はウォーレン・バフェットの息子のかつての妻で、バフェットと今も親交のあるメアリー・バフェット。そして30年以上バフェットの友人であるポートフォリオ・マネジャーのデビッド・クラーク。

内容は世界最高の投資家ウォーレン・バフェットの、株の買い方。この本が他の本と違うところは、株本にありがちな経験談やインスピレーションではなく、具体的な指標を書いているところ。特にファンダメンタル分析に用いる計算式がやたら出てくる。飽くまでバフェットの指標ということで数学的な正しさを示すものではないが、過去にバフェットが購入した銘柄を指標と計算式を用いて実例検証している。

本の中にはいくつも計算式が出てくるんだけど、その都度「Excelにこうやって入力すれば1秒もかからない」といって式を書いてくれている。せっかくだから僕はその式をエクセルシートに落としてみた。具体的には本の第22章「バフェット流投資のためのワークシート」をエクセルに落とした。Q9のインフレ率とQ11の国債利回りのところは省いてあるので、必要なら自分で追加してください。

ワークシート | Googleドライブ

※即興で作ったものだから間違いがあるかもしれない

続きを読む

「マージナル・オペレーション」ネタバレ・感想・評価

最近読んだマンガ、マージナル・オペレーションがやばかった。原作はラノベ。こういう作品って日本だとドラマや映画ではなくマンガやラノベからしか生まれないっていうことを皮肉に感じる。ストーリーは会社が倒産してニートになった30の男アラタが、契約社員の面接を受けるところから始まる。会社は民間の軍事企業。入社テストはスイッチを押せるかどうか。

  • ネタバレ有りのあらすじ
  • ゲーム感覚の戦争
  • 「少年兵」はアリなのか?
  • どぎつい異国情緒
続きを読む