街灯
電柱のかぶっている笠がアメフトのヘルメット、もしくは剣道のお面のように見えた。アミアミのやつ。棒で突き上げ、そこにいることを主張しているかのようだった。我先に、我先に、合戦の旗印のごとく、煌々と輝く姿を夜には見られる。
口笛
歌を歌っていたり、口笛を吹いていたら機嫌が良いと思われる風潮が気に食わない。機嫌が悪い時にも音楽はあり、詩はあり、口笛は吹く。楽器も演奏する。何も気分が良いときだけのツールではない。お前のその単純思考は一体どこの世界から来るんだと問いたい。いちいち説明すんのがめんどくせえ。例えば口笛でモーツァルトのレクイエムを吹いていても、シューベルトの魔王を吹いていても気分が良いと思うのか?中学の音楽の時間に習った魔王。とぅるるるるっとぅっとぅー。気分が悪い時も音楽とともにあるっちゅうねん。
現代の子供の体力
現代の子供は体力がないと聞く。我々の頃よりないんだと。準備体操でケガをしたり、ラジオ体操でケガをしたり、屈伸でケガをしたり、前屈でケガをしたり、我々、もとい私もかなり体力がない方を自負しているが、さすがにそんな簡単に怪我したりしない。人体の退化という意味では、他に顎の形や歯の本数などがよく言われている。小学生の体力の退化もその類なのか。酒を飲まない若者とかそういうのことなのか。はたまたそれは一部のひ弱な存在なのか。だってオリンピックの記録とか更新されてるんじゃないの。それはもしかすると技術の進歩であって、フィジカルの進歩ではないのか。それでは果たして、知力はいかがなものだろう。もはや現代人の水準が理解できない老人は世にあふれている。変化を理解しようとしない。違いを理解しようとしない。年をとればそういう変化や違いを楽しめなくなっている。どう頑張ってもついていけない。そうなのか、どうなのか、さて。
熊鈴
熊が出るそうだ。熊鈴を携帯しろと言われているが、こんなものに果たして意味があるのか。りんりん鳴らしたぐらいで熊がビビるのか、むしろ餌があるぞーって余計に寄せ付けるだけなんじゃないか。熊鈴効果を疑問視していたが、ごちゃごちゃうるさいんでしかたなく携帯していた。
呼び寄せてるじゃん。
ただ一般的には、熊は警戒心が強いため人工物の音に寄ってこないだそうな。腹が減っていたり子供がいたり人工物の音に慣れていたり音に気づいていなければ意味がないという主張っぽい。この熊鈴というのは日本以外でも一般的なのだろうか。英語で検索してみたらあった。
youtubeで検索すれば熊鈴動画を見ることができる。効果としてはまあなんというか、結局運次第みたいなところだろうな。
ガチ冒険
地球の歩き方ガチ冒険を久々に読んでいる。普通のガイドブックとなってしまって全然買わなくなった地球の歩き方だが、本書はなかなかエモーショナルな旅行者あるあるをかき集めた思い出ギッシリ本でおもしろかった。一部抜粋してみよう。
「お前絶対日本で残念な方面の奴だろう、現実逃避してここにいるんだろう。しばくぞ」と心の中で思うこともあるような人であったとしても、日本人宿では先に泊まっている人のほうが偉いのだ。 位置No.322
インドへの往復航空券と、ハワイへの往復航空券の値段は、大きく変わらない。「どちらかをプレゼントしよう」と言われたら、私はきっとインドを選んでしまうだろう。 位置No.455
スマートフォン、タブレットの登場によって、こういったバックパッカー文化は完全に滅びた。バックパック旅行という形態そのものは今でもある。世界中のどこでも見かけ、ゲストハウスだって現存するし、重宝している。しかし今や空港で現地simを購入し、booking.com、もしくはAirBnBで宿をとり、スカイスキャナーでLCCに乗り、Uberで車を拾いGoogleMapで移動。あれもこれもスマートフォン、もしくはタブレット。バックパッカーという旅行形態は完全に様変わりした。
2000年代、僕が旅行していた頃はまだ名残りはあった。iPhoneが出てからもしばらくはsimフリーが存在せず、外国ではWi-Fi利用のみ。フリーのWi-Fiスポットを探し回っていた。booking.comは既に利用していたが、まだゲストハウスなんかは全然登録されていなかったように思う。そんなよりもっと前の、懐かしきバックパッカー文化を思い起こさせるガチ冒険は、たった108円です。