村上春樹の新刊が出たそうな

出た?のか?詳しくは知らない。1Q84が出た頃はまだ名古屋にいた。未読だ。
海辺のカフカを読んだ時も、僕はまだ名古屋にいた。海辺のカフカが発売されたのは、僕が大学生の頃だった。その当時は買わなかった。5年ほど経ってから、思い出したように読んだ。そして今、多崎つくるが出る頃、僕は大阪を離れようとしている。

村上春樹の本で、初めて読んだのはノルウェイの森だったと思う。その後鼠三部作、ダンスダンスダンス、世界の終わりとハードボイルドワンダーランド、スプートニクの恋人、そして海辺のカフカを読んだ。新しめの本はあまり読んでいない。

自分の中では、村上春樹の印象は、今でもずっとノルウェイの森を引き摺っている。今のところその印象を上回るものが無い。それだけ僕はノルウェイの森にはまってしまった。当時17か18だった。

ノルウェイの森の印象は強烈だった。よく言われていたのは、あれを読んで大学生活を誤解するととんでもないことになる、と。
ノルウェイの森は大学生活の話だ。時代設定はちょうど三島由紀夫が自殺した頃の話。寮、大学、音楽、恋愛、セックス、きらびやかで、どぎつい大学生活が描かれている。
特に、その交遊の手軽さ、広さについて、日本人ではなかなかあり得ない。彼の世界では、人同士が簡単にセックスを行い、何人もの身近な人が死ぬ。現実では、そんな大学生活は一部の選ばれた人しか過ごせない。これはフィクションだから、誤解すると大変なんだ。

ノルウェイの森は、精神病との関わりを描く。身の回りにある死について、中心に描く。病気と死と、性と、大学生活。

ただのノルウェイの森の紹介になってしまった。