映画選をやってみて、本も残してみたいと思った。選定基準は、読みやすさ、理解しやすさ、親しみやすさ、楽しさ。僕が本当に好きな作品は置いといて、ベタに気軽にお勧め出来るものをラインナップしてみました。超独断と偏見。
罪と罰
ジャンル:外国文学
罪と罰は上中下巻に分かれているのでこれで3冊とかそういうのはナシで。
"罪と罰"なんていうタイトルと、"ドストエフスキー"という著者名から小難しそうで敬遠されがちですが、それはもう完全に食わず嫌いと言っていいでしょう。
ストーリー:いわゆる中二病的な殺人事件
という非常に親しみやすい内容。ミステリのはしりとまで呼ばれている。マンガ化もされた。漫☆画太郎の方じゃなくて。
僕が初めて読んだのは大学生の時で、丸2日ぐらいずっと読みっぱなしで最後まで突き進んだのを覚えている。その後にも3回は読んだ。亀山モデルの新訳も書った。*1
ソーネチカの「あなただって、苦しんでいるじゃありませんか」っていう台詞にそれはもう大きな衝撃を受けた。そんな大学生でした。
読みにくい点があるとすれば、外国人の名前が覚えられないっていうところなので、忘れたらしおりで確認して下さい。
砂の女
ジャンル:日本文学
これを古典として挙げるかどうか迷ったんですけど、他に思い浮かばなくて。砂の女は非常に読みやすいです。安部公房の小説はとても変な世界ばかり出てくるのですが、その変な世界を一般常識的に変に感じている主人公との対比で、非常にわかりやすい。
ストーリー:虫の研究をしている人が砂漠の穴に閉じ込められた
もう最後の方まで本当にわけわからない。しかも主人公も一緒になって「わけわからない!」という反応をしている。安部公房小説の入口となる本じゃないだろうか。他にも面白いのはたくさんあるけれど、難易度は砂の女が一番低い。
ノルウェイの森
ジャンル:現代文学
ノルウェイの森は好き嫌いが分かれると有名ですが、ベタで読みやすくて親しみやすいのはこれしか考えられない。このブログでも何回ノルウェイの森について書いただろう。
ストーリー:ワタナベくんと女の子を中心とした大学生活
ひでえ説明だ。とにかくやりまくりなんです。作中で何人とセックスしただろう。それが村上春樹の好かれる点だったり嫌われる点だったりするんですが、源氏物語的な話ではないです。生と死と性がテーマ。村上春樹作品でいわゆる直子系と呼ばれる作品の直子そのものを中心として描いた話。
深夜特急
ジャンル:旅行
これいるのか?っていう旅行本のコーナーです。深夜特急について一体何回言及しているんだろう。バックパッカー以外の人にもオススメですよっていうことを言いたかった。
ストーリー:香港からイギリスまでバス乗り継ぎの旅
20年以上前の実体験を元にした本なんだけど、古くても面白い。時代は変わっても、旅の感動は色あせない。僕は当初、旅行本はリアルタイムに読まないと価値がないと思っていたから、この深夜特急をずっと遠ざけていた。しかし、各所であまりにも多くレビューされるから試しに読んでみたらその考えを見事に覆されました。
化物語
ジャンル:ラノベ
これいるか?その二。ラノベって全然読んだこと無いんだけど、たまたま読んだこれがラノベ初心者の僕にも気軽に入っていけて面白かった。傷物語が面白い。それ以降は一般の人にはきついオタク向けの本になっていると思う。
ストーリー:半分吸血鬼になった男子高校生が、町の妖怪事件を解決していく話
ラノベの面白さっていうのは多分、変なところがとても細かくて、この化物語に関しては妖怪の出自とか本当にあるのかなと思って調べさせられた。そして無かった。雨月物語とかちゃんと読めばあるかもしれない。忍野がいた時が面白かった。
選んでみて
読みやすければ読みやすいほど、響かない小説というのが本当に多いので、読みやすくて面白いっていうのは実は希少なんじゃないかと思う。*2
響かない本というのは気軽に読めてもつらい。逆に、重厚だけど読みにくい本っていうのは中身があってもつらい。だからベタにおすすめできるのはその中間もしくは読みやすさと中身が共存している奇跡的な本だったりするのです。
現代文学とラノベに関しては、僕は読んだ絶対数が少ないので全然候補を挙げれない無理矢理な結果となりました。今思い直せば、外国文学ならそのジャンルだけで5冊いけた。