空が青かった。窓の外に見える空の青さに導かれるように表へ出た。風が冷たく、とてもその場に立っていられなかった。外には柵がある。空はこんなにも青いのに、それ以上前に進むことができない。部屋に戻るしかなかった。どこへも行けず、陸の孤島にいる気分だった。春は来ない。屋外で佇むこともできない。まだ当分ここを出ることができない。この国では車がないと遠くへも行けない。ビザの関係上、国境をまたぐこともできない。とても狭い場所にいる。閉塞感で息苦しい。どこまでも続く空だけが青い。その青さは僕にとって、すぐそばにいても手の届かない人のようだった。

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