「女性にうれしいブックマーク」なんてやめろよくだらねえ

はてブのトップバーに最近「女性にうれしいブックマーク、できました」という表示が出てきた。なんだよこれ。

 

「女性にうれしい」なんて記述しなくてもそのコンテンツやデザインが女性向けだったりすれば自然に女性ばかりが集まってくるはずだ。ターゲットを絞ってサービスを構築すれば「女性にうれしい」なんて書かなくても見ただけでわかる。第一「女性にうれしい」なんて書かれたら男性は見れないじゃないか。「ああ、これは女性向けなんだ」と思った瞬間「興味ないから踏まない」って思う。まあそれが狙いなのかもしれないけど。

俺は開いたけどさ。開いて見たよ。どんなページなのか。デザインは確かにはてブより女性向けかもしれない。しかし結局ブクマの寄せ集めなんだよな。女性が興味を持つようなカテゴリを絞っただけ。はてブのカテゴリにある「ガールズ」とどう違うんだよ。ていうか統合されてるし。見た目だけかよ。結局同じはてブじゃねえか。

例えば、ファッション雑誌なんかは男性向け、女性向け、年代、趣味などではっきり分かれている。同じ出版社であっても内容やモデル、ブランドが被っていることはあまりない。それはターゲットを絞っているからだ。「購読者層を誰でもかんでも取り込もうと思って結局わけのわからない雑誌になりました」というケースも無くはないかもしれないが、そういうのはうまくいってないんじゃないだろうか。

僕はweb屋でもなんでもないけど、webデザインを勉強した時にこういった「ターゲットを絞る」のは基本中の基本として教わった。女性向けのサービスを何か作りたいんであれば、それ専用のサービスを設けるべきじゃないのか?はてブの流用ではなくて。そして「女性向け」なんて謳い方はやめた方がいい。露骨過ぎる。お子様ランチかよ。

はてなが伸び悩んで新たな層を獲得しようと迷走していることはわかる。ずっと前からそうだ。はてブははてなのサービスの中で最も広く利用されているから、そこに女性客を取り込めれば規模は拡大するという発想だろうか。考えが安直過ぎる。はてブはそもそもエンジニアやギーク、オタク層を対象に今まで成長してきた。それは一体何だったんだ。はてブの方針変更というのは今まではてブを支えてきた彼らを切り捨てる行為に等しい。

はてブは昨年にトップページのデザイン変更があり酷評を受けたのは記憶に新しい。また、はてブの話ではないが、もう少し前にはてなははてなブログを立ち上げ、同時にダイアリーがほぼ見捨てられたかのような扱いを受けた。多くのダイアリーユーザーが離れていったことも昔からのはてなユーザーならよく知っているだろう。「ああ、はてなそうなってしまうのね」と、彼らはさみしい気持ちでその場を去っていった。僕自身は特にダイアリーにこだわりがあったわけではないため、普通にはてなブログへシフトしたが。

ダイアリーを見捨てた事は別として、はてなブログという全く新しい形態を立ち上げたのは、僕は良かったと思う。はてな記法が使えると言っても、やはりはてなブログはダイアリーと全く違う。下手すると元々ダイアリーを利用してた層より、新たにはてなブログを始めたユーザーの方が多いんじゃないだろうか。はてなブログははてな特有の無骨さや青いデザインも捨て、web業界に関わりの薄い女性のユーザーや一般層も多く獲得し、既存のサービスから脱却した別のサービスとして成功したケースだと思う。しかし今回の「女性にうれしいブックマーク」はなんだ。誤魔化しにしか見えない。

確かに、新たなユーザー層を獲得するために一からはてブ級のサービスを構築することなんて難しくてできないかもしれない。だからといってはてブを流用して「ぱっと見だけ変えました、中身は同じです」というのは既存のユーザーも新規ユーザーもコケにしている。愚弄だ。ユーザーもバカではないからそれぐらいわかる。そういうのはうまくいかないと思う。いや、まあしかし結局どんな形であれ、うまくいくのに越したことはない。僕は地元企業であるはてなを、いちユーザーとして応援しています。