ジョギングについて

ジョギングについて冷静に考えると、とても奇怪な行動に見える。これはドラマを見ていて感じた。ドラマの中で一人の女性が走っている。毎日同じコースを走っている。街の中をただ走るという行為。それが何処かへ移動するためではなく、同じところを何度も走るという行為。トレーニングというわけでもなく、エクソサイズのために音楽を聞きながら毎日走る。

街を走っている人の姿は既に見慣れているけれど、冷静になって考えてみればその姿は気が狂っているという風にも見える。急いでいる様子もなく、ただ黙々と毎日同じコースを走る人。なんのために?走ることそのものが目的だなんて、余計におかしい。バック・トゥ・ザ・フューチャー3を見たことがある人なら、19世紀にタイムスリップしたドクが酒場で未来のことを語るシーンがあるのを知っているだろう。「未来では、人は馬に乗らない」「健康のために走る」そういう言葉を聞いて19世紀の酒場に集まる人々は笑っていた。意味がわからない、と。視点を変えればそうなる。それが当然になる。100年後の未来で「21世紀の人類は健康のために街中を走り回っていたそうだ」という説明があったとしたら、それはおそらく奇怪なものとしての説明になるだろう。