今年1月にクレイジージャーニーに登場され、アヘン栽培を手伝ったり、ソマリアでアル・シャバーブに襲撃されるというあまりの壮絶な内容で一躍時の人となった高野秀行氏が、今夜クレイジージャーニーに再登場される。公式サイトの予告映像を見る限り、おそらく「西南シルクロード」の話が中心となるだろう。
ご視聴ありがとうございます!次回は11月3日(木)24:10〜、あの辺境を旅するノンフィクション作家・高野秀行が登場!『歴史に埋もれた幻の地』に潜入!他では絶対聞くことのない驚異の体験談&知られざる文化・風習が満載!是非! #クレイジージャーニー #tbs pic.twitter.com/lbDw9dnf6L
— クレイジージャーニー (@Crazy_Journey) 2016年10月27日
以前の放送から僕は氏のブログを読み漁り、著書を読み、出演されたラジオを聞き、紹介されていたシャン人レストランへ足を運びと高野秀行ワールドに完全に魅了されてしまった。
高野さんってどんな人?
高野秀行さんとは一体どんな人かというと、ノンフィクション作家さん。著書は30冊近くあり、2013年に「謎の独立国家ソマリランド」で講談社ノンフィクション賞を受賞されている。ノンフィクションを対象とした文学賞は、大きなもので大宅壮一ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞、小学館ノンフィクション大賞、開高健ノンフィクション賞の4つがあり、その一つを受賞されたメジャーな作家さんだ。また、高野さんの奥さんである片野ゆか氏もノンフィクション作家であり「愛犬王 平岩米吉伝」で小学館ノンフィクション賞を受賞されている。すごい夫婦だなー。尚、高野さんは本年度の小学館ノンフィクション賞の選考委員を務めており、もはや選ぶ側の立場である。
小学館ノンフィクション大賞の選考会が終了。三浦しをんさん、古市憲寿さんと思いがけず(?)白熱した議論が展開された。今までなんども賞の候補になりながら落選の憂き目に遭ってきたが、選ぶのも難しいとつくづく実感。
— 高野秀行 (@daruma1021) 2016年10月28日
高野さんの具体的なプロフィールや、文学賞受賞までのいきさつを以前にまとめたので、詳しくはこちらをご参照ください。
高野本ってどんな本?
高野さんが本の題材にするのは、世界中の未知なるもの。いまだ知られていない世界の辺境、未知の生物、文化などを取材し、本にまとめるという仕事を大学生の頃からずっと続けておられる。重厚なテーマとジャーナリスティックな内容を想像するかもしれないが、実際はエンタテインメント要素にあふれており笑いながら読むことが多い。高野さんの本は、大まかに分けると3つに分類できる。一つはUMA(未確認生物)シリーズ、もう一つは辺境シリーズ、最後に異文化シリーズ。その他にも自身のことを書かれたり、雑誌連載をまとめた本や、小説を書かれたりもしている。それぞれどんな本があるかというと、
UMA:「幻獣ムベンベを追え」「怪獣記」「怪魚ウモッカ格闘記」
辺境:「謎の独立国家ソマリランド」「アヘン王国潜入記」「西南シルクロードは密林に消える」
異文化:「イスラム飲酒紀行」「謎のアジア納豆」「異国トーキョー漂流記」「怪しいシンドバッド」
その他:「ワセダ三畳青春記」「腰痛探検家」「間違う力」
「未知なるものを取り扱う」という大筋は同じにしても、ジャンルが幅広い。もはやタイトルから本の中身が想像できないものも多い。このジャンル分け自体僕が勝手に行ったものであり、それぞれ明確に区別できるわけではない。例えば「未来国家ブータン」は辺境モノにあたるが、高野さんは現地でずっと「ミゲ」という名の雪男を探している。
僕はどちらかというとUMAについてあまり興味がなく、UMAシリーズはまだ一冊も読んだことがない。旅行は好きだから、辺境シリーズを中心に読んでいる。作品として一番面白かったのは「ソマリランド」で、読んだことがない人へ最初におすすめするとしたら「西南シルクロード」。
人脈がすごい
高野さんは早稲田大学探検部出身ということで、探検部繋がりでは先輩で直木賞作家である船戸与一さんがまず挙がってくる。小説「河畔に標なく」の取材には高野さんが付き添い兼通訳として同行し、その様子が「ミャンマーの柳生一族」に記されている。
探検部繋がりでもう一人有名なのが、同じくノンフィクション作家・探検家の角幡唯介さん。9年離れているため在学中は面識なかったそうだが、高野さんの著書「西南シルクロード」を読んで探検ノンフィクションを志すようになり、「空白の五マイル」で大宅壮一ノンフィクション賞、開高健ノンフィクション賞を受賞された。高野さんとの対談本も出ている。
他にも西南シルクロードに同行した写真家の森清さん、高野さんがプロデュースした作家、大野更紗さん。作家仲間では宮田珠己さんや内澤旬子さんとエンタメノンフ文芸部という活動をされていた。クレイジージャーニー仲間であれば関野吉晴さんは大学は違えど探検部同士の繋がり、丸山ゴンザレスさんは高野さんのファン。日本の著名人だけでなく、海外の要人やジャーナリスト、反政府組織の顔役など数知れない人脈が広がっている。
西南シルクロード、ミャンマーのカチン州で撮られた写真
プロデュースの経緯が紹介されている
高野さんが提唱したエンタメノンフの紹介
高野さん情報
メディアへの出演予定、イベントの告知や旅先からのツイートが見られる
公式ブログ
以前は活発だったブログも忙しくなったせいか、最近はあまり更新されていない
Amazonの著作リスト
文庫化されている本やKindle化されている本も多い
書評・感想
辺境シリーズ
謎の独立国家ソマリランド / 恋するソマリア / 西南シルクロードは密林に消える / アヘン王国潜入記 / ミャンマーの柳生一族 / 未来国家ブータン
異文化シリーズ
その他