初めてインターネットに触れたのは15歳の頃となる。僕にとってインターネット最初の衝撃と言えば、無修正エロサイトでも2ちゃんねるでもなく、エミュレーターだった。当時はまだファイル共有ソフトなんてものはなく、ウェブサイト上に市販のゲームがアップロードされていた。ロムのアップロードは違法だから、gifファイルなどに偽装されていた。偽装、分割、復元をするためだけのアプリケーションがくさるほどあった。らるちーとか愛されていた。
僕が当時そうだったように、今でもゲーム好きの中高生はエミュレーターについて詳しいだろう。エミュレーターとは、テレビゲームをパソコンで動かすアプリケーションで、ソフトの事をロムと言った。パソコン上でスーパーファミコンやゲームボーイ、PS、アーケードゲームが動く。今はVITAやAndroid上で動かすのが主流だが、パソコンのスペックが許せばPS3、PSP、DS、wiiぐらいの一世代前のゲームは動くようだ。
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高校の友達に「スーファミならロム落ちてるよ」と言われて最初に教えてもらったのがここだった。
労務課の倉庫（閉鎖）
ドメインを見てみるとヴァーチャルアベニューだ。なつかしい。ファミコン決死隊の人は今でも活動されているらしい。
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とにかく衝撃だったのは、1万円近く払って買っていたゲームがタダで配られていることと、それがたった数100KBのデータでしかなかったこと。「インターネットではタダで何でも手に入る」と思い始めたのはこの頃からだった。我々のような中高生は『割れ厨』と呼ばれていた。その後MP3で音楽が流通するようになり、後にfacebookの社長にもなったショーン・パーカーがナップスターで一躍有名になった。ショーン・パーカーってまだ37歳なんだってよ。
同時期にグヌーテラ、そしてwinMX、さらにその後winnyといったファイル共有ソフトが登場して、津田大介もネットランナーで激生ぶっこ抜きをやっていた。僕が大学生の頃だ。エミュレーター界隈は依然賑わっていたが、Web上のロムサイトは存在意義を失い、廃れていった。
インターネットの一般化に伴い、warezのような著作権侵害は減少したかというと、昔に比べさらに広がっている。ネットの高速化とストレージの拡大も相まって、今やなんでもネット上に出回っている。それだけでなくもっと質の悪い、金儲けのためだけのライトな著作権侵害がYouTubeなどで蔓延している。そこには主義も思想もなく、あっちが儲かると思えばあっちへ、こっちが儲かると思えばこっちの手法へと移動するだけで中身のない金儲けマシーンみたいなもんだ。それも無意識な一般層を、いかに騙して金を巻き上げるかという工夫が凝らされている。
インターネットには依然として夢があるように思う。僕が15年以上前に感じた「なんでも無料で手に入る」という夢だって、今の人も感じているだろう。しかしインターネットが一般化した現代では、そこに含まれる違法性さえ認識できない人がたくさんいるようだ。ファイル共有ソフト全盛時には多くの一般企業がキンタマウイルスや山田オルタナティヴを介して内部情報をばら撒いていた。数年前にマジコンが話題に上がったが、著作権侵害はこの程度の人間の領域にまで敷居が下がっている。
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僕はもうMacが長いし、ゲームもずっとしていない。その間も今も、日本でも外国でもエミュレーターはひっそり親しまれてきた。エミュレーターは情報網を駆使しして、一世代前のゲームをひっそり個人的に楽しむものだと思います。ゲーム好きにとっては夢のようなアプリケーションなので、今後の発展にも期待したいところであります。
[asin:B01FX3QNZE:detail] こういう本もよく買っていた
『おまえのそれ違法だからｗｗｗｗとか言われる前に知っておかないといけないコト』【現実遊戯読本】:KT`s game report by監督(kt) - ブロマガ
