海外を目指してるわけじゃない

人に会うと大抵「今何してるの?」と聞かれる。それに対して「何もしてない」と答えれば「これからどうするの?」と聞かれたりする。「どうもしない」と答えることも多いが、めんどくさいから「青年海外協力隊に応募している」と答えることもある。すると相手からは「また海外目指してるんだ」とか「やっぱり海外のほうが良かったんだ」と返ってくることが多い。人は何か質問をし、その答えについて自分なりに納得しようとするからしかたないんだけど、「また海外目指してるんだ」とか「やっぱり海外のほうが良かったんだ」と言われると、なんというか、そうでもない、って答えたくなる。そして実際そう答えると、なかなか話が噛み合わない。「どういうこと?」って。この微妙な感じが伝わらない。

「別に海外なんて目指してない」っていう答えは正しいだろうか。外国に対する感情を整理してみると

  • 行けたらいいけど行けなかったら仕方ない
  • どうしても日本から出たいわけじゃない
  • どちらかというと外国にいたい

この程度の心持ちだ。だからどこかの専制君主制の国の人たちや母国が貧しくてやっていけない国の人たちのように、外国に住むため血の滲むような努力をしようとはとてもじゃないけれど思わない。だから「海外を目指しているか」というと、それほどじゃない。なんとなく行けたらいいなあっていうぐらい。

それでは「やっぱり海外の方が良かったのか」というと、これもはっきり言って答えづらい。そりゃあ良かった部分もあればそうでない部分もある。トータルで見て日本より海外の方が良かったのか、そんなものは場所によるだろうし向こうで何やっているかにもよる。日本で働いているよりは海外旅行続けている方がいいに決まっているが、旅行はレジャーであり遊びだからお金もかかりずっと続けられるわけじゃない。海外で働きたいかって言うと、そういう願望もあまりない。

ではなぜ日本を出る機会を伺っているのかというと、一番妥当な回答は「日本にいてもしょうがない」から。だって日本は長く住んだし、大体知っている。これ以上日本にいたってつまんない。それよりは、まだ知らない土地に行ったり生活したりするほうがまだおもしろいだろうって思う。知ってることとか、予想できることとか、大差ないことに飽きている。だから知らないことや予想できないことを目の当たりにしたほうがおもしろいだろうって。

ただ実際は外国に出る機会なんて全然ないし、巡ってこない。青年海外協力隊も落ちたからしかたなく日本にいるという感じ。そしてあわよくばそういう機会に乗っかりたい、でもそのために頑張ったり努力するほどでもない、っていうところ。だってめんどくさいから。だから結局このままズルズルと日本にいて野垂れ死ぬんだろうな。