オフモードに入っている

数日前からそんな気がする。人に対してあまりにも無感情に接している。人付き合いもすこぶる悪い。元からそうだったんじゃないかと言えば、そうとも言えるんだけど、ここ1年ほどはもっと人に対して温かみを持って接していたような気もして。今現在はそういうのが感じられない。気が利かない。心が動かない。無意識に予防線を張っているのだろうか。人に対して冷たい。

意欲も減退気味だ。気力がない。何もしていない。これからだというのに、ある種燃え尽きたのだろう。休憩時間だ。復帰できればいいなー。どうやれば感情が戻るんだろう。感動が薄い。思えば涙もろくなってきた。

感情と涙腺について、僕は一定の見解を持っていた。涙もろかったり、感情表現豊かな人は感情が浅い。感情の安売り、バーゲンセール、何にでも感動するし、涙を流してはすっかり忘れている。逆に、めったに泣かない人だったり感情表現の乏しい人は感情が深い。出し惜しみをしている分しつこい。しかし今はもう、感情表現豊かでそのどれもが深く、大売り出ししておきながら全部覚えている人も中にはいるということを知っている。涙を流さず感情を表に出さないだけで、懐が深いのかと思ったら本当になんにもなく空っぽだったという人もいた。表層と深層に、必ずしも反比例の関係はなかった。今思うと当たり前だ。

自分は今その状態なのだろう。感情が振れない。一人ならそれでいいが、人と関わるにあたってそれではいかんなーと思う。対峙しているときは気が回らない。あとあとになって今日はひどかったなーと思う。思うだけで、対策が湧かない。なんたって感情が振れないんだから、具体的に動けない。いかんなーと思うだけ。対峙している相手に対しては、なんの反応も得られないで気の毒に思う。本当に気の毒なのは俺か。けれど相手は何も知らないんだから、やはり気の毒だ。

演じればいいんだが、オフモードであるから真人間らしさを演じる気力がない。真人間とは社会的に真っ当な人間というよりも、喜怒哀楽といった感情のある人間という意味。引き出しがない状態では装えない。ぬけがら、放心状態、こういうときは何をすればいいのだろう?たまりにたまっている映画も見る気になれず、ラジオを付けては消してしまう。ダラっと本やマンガを読んだ。頭や感情は使えない。

臨時収入があったため、Amazonでやけくそのように買い物をした。いるものからいらないものまで。このやけくそ買いがどこかで感情に寄与しないかと思ったが、あまり関係なかった。届いたものを見て、喜びもそれほどなし。淡々と荷物に詰めている。少しでも臨時収入があるとすぐにいらないものを買ってしまうのは悪い癖だ。Kindle本を買おうと思っていたのに、何を買えばいいのかわからない。

最近知った人で、何からも誰からでも肯定的な面だけを引き出す人がいた。つい否定的な部分ばかり目に映ってしまう自分としては、彼女のそういう態度がうらやましい。きっと育ちがいいんだろうと思ったら「私の親土建屋ですよ」と返ってきた。土建屋にだって人生に前向きな人はいるだろう。何も、自分の人生に前向きになりたいとかそういう話ではない。そういうのは疲れるからいい。ただ、人に対して、誰かに対してはなるべく前向きでありたいと思う。自分に対しては後ろ向きなのに、他人にだけは前向きなんてそんな芸当は可能だろうか。いや、それでも自分は努力してなんとかやろうとしてきた気がする。今はそれができない。否定すらできない。